「薄い内容」機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning 723さんの映画レビュー(感想・評価)
薄い内容
私のガンダムの知識は精々ケロロ軍曹のパロディくらいであるので、理解できなかった部分が多々あるもののそれは事前情報で把握済みなので問題ない。
序盤の「ネタバレ厳禁」部分についてはガンダムの知識がないながらも、庵野の強いこだわりとガンダムへのリスペクトを感じ、意味が分からないながらも納得感のある内容だった。
そのあとは何もかもすべてが薄っぺらかった。
これを作った人は何が楽しくて映画を作ってるんだろうと疑問に思った。
特に理由もなくあっさりガンダムに乗り込み操縦する主人公。ガンダムを知らない私でもそんな簡単に乗れるもんじゃないだろうと分かる。
主人公には特別な才能があるから〜など匂わされるもののキャラにも物語にも魅力がないため「流行のなろう系主人公ですか?」とむしろ興醒め。
キャラクター全員が、"とにかくガンダムに乗せて戦わせたい"という制作側の意図が丸見えの操り人形たちなので、言動はすべてどこかのアニメの焼き増しのよう。
物語の重要シーンではかなりわざとらしい歌の挿入がある。わざとらしすぎてオタクの作ったMAD動画かと思った。台詞聞こえんわ。
それが3回くらい続くのでもうほとんどオシャレなミュージックビデオを見ている感じ。
子供騙しならぬオタク騙しの作品。
しかし上映後は後方座席で拍手が聞こえてきて驚いた。
年々、日本のアニメ作品は映画も地上波も幼稚化が進んでいるように思う。それはやはり受け手が幼稚であるからだ。
今日本のアニメを好んで見ている人たちのほとんどはオタクではない。ただ作品を消費しているだけの消費者に過ぎない。彼らは作品の「萌える」とか「エモい」とかそういう部分を貪り食うだけで、本当の意味で物語に向き合っている人は少数だ。
自分を含め、日本のアニメオタクを自称する人間は作品を観る感性を磨くべきだ。
内輪ノリだけで馴れ合うのではなく、真に作品に向き合い、時には批判するべきだ。
我々日本のオタクがいつまでも幼稚であるから、こんな幼稚な作品が内輪ノリの馴れ合いで評価されるのだとしみじみ感じさせられた。