「映像の品質はまさに折り紙つき。ダイジェスト版かつシリーズ一弾目ということを認識したうえで鑑賞に臨みたい一作」機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映像の品質はまさに折り紙つき。ダイジェスト版かつシリーズ一弾目ということを認識したうえで鑑賞に臨みたい一作

2025年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

どことなく生物感のあるメカデザイン、現代的に洗練されたキャラクターにはちゃんと(ファン用の)見せ場を用意するなど、現代最先端のアニメーション作品の展覧会的な内容であることに加え、キャラクターを魅せるための配慮にも隙がないという、こりゃアニメ/ガンダムファンはもちろん、それ以外の人も惹きつけるはずだわ、と納得の作品です。

アニメーション作品としてどう卓越しているのか、既存の「ガンダム」シリーズとしての位置づけ、等々については、それこそその道に精通している諸氏の解説・レビューが花盛りなので、そちらにお任せするとして、以下では「ガンダム」シリーズに疎い一映画ファンが本作を鑑賞したごく短い感想を。

冒頭からしばらく、なんかどこかで見聞きしたことのある構図、ナレーション、音響だなー、と思ってたら、映像は刷新しつつも、かつての「ガンダム」第一作目の演出をかなり忠実に取り入れている様子。これには久しぶりにガンダムを鑑賞したという古参のファンも喜びそう。

その後、シャアの視点からの一年戦争の描写になっていくんだけど、戦局とシャアの活躍をじっくり描いていくのかと思ったら、ここは意外なほどの急展開、そして上映時間の半分に達するかどうかあたりで別パート突入。いよいよ未知の物語へ……、というタイミングで、さらに!と、全体的にダイジェスト版らしい要約が目立ちつつも、緩急のつけ方がなんとも絶妙で、作劇にあたってかなり綿密に構成を作りこんでいることが理解できました。

まったく前知識がないと結末で、え!?となるかもしれないので、「これは”始まりの物語”です」という点だけは押さえておきたいところ(もっとも、本作を鑑賞するほとんどの人は承知しているはずだけど)。

本作とはかなり世界観の描き方が異なった『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(2022)も近年公開されたし、「ガンダム」ワールドの多様さ、奥深さをこの作品を通じて改めて実感しました!

yui