「「シン・ガンダム」って言っていいよね!」機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「シン・ガンダム」って言っていいよね!

2025年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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本作は、「ガンダム」シリーズ最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」の劇場先行上映版です。スタジオカラーとサンライズがタッグを組んで製作したということで、めちゃめちゃ期待して公開2日目に鑑賞してきました。

ストーリーは、人類が宇宙に浮かぶスペースコロニーで生活するようになって半世紀が過ぎた宇宙世紀0079、宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑み、熾烈な戦いが繰り広げられる中、ジオンのエースパイロット・シャアが、搭乗した赤いガンダムごと忽然と消えてしまってから5年後、サイド6に暮らすアマテが、ジオンが開発した新型ガンダム・ジークアクスと赤いガンダムとの戦闘に巻き込まれる形でジークアクスに搭乗したのをきっかけに、非合法なモビルスーツ決闘競技「クランバトル」に身を投じていくというもの。

開幕早々、もはや誰もがDNAに刻まれているBGM、ナレーション、SE、サブタイトル等、ファーストガンダムを彷彿とさせる演出の数々に期待値爆上がりです。そして脳内に焼きついている、3機のザクのコロニー潜入シーンに懐かしさがこみあげます。しかも、その中にいるはずのない赤い彗星の姿が!おまけに、アムロが登場しないのをいいことにやりたい放題!まさかこんな夢のような展開を目にすることができるとは、激アツにもほどがあります!ビット装備の赤いガンダムを駆るシャアとブラウ・ブロのシャリア・ブルとのツーマンセルも眼福でした!こんな感じで、前半は1年戦争をサクサクなぞるのですが、できればもっとじっくり観たかったです。

ファーストガンダムの正史を忠実になぞると見せかけて、実際には誰もが一度は妄想した「if」の世界を繰り広げ、シャアの縦横無尽な活躍とそこから描くジオン勝利のシナリオに脱帽です。ザクの造形がちょっと好みではないけれど、エヴァンガンダムとして見ればこれもアリでしょう。いや、もうこれは、「シン・ガンダム」と言って差し支えないですよね!見事にやってくれました!

そこから、後半はいよいよ新シリーズのメインフェイズ突入となりますが、なんならこのままファーストリメイクの「シン」で観たかったかもです。とはいえ、アマテの物語もさまざまな謎や伏線を匂わせており、今後の展開に興味をそそられます。アマテはなぜジークアクスを操縦できたのか、赤いガンダムに乗る少年・シュウジは何者なのか、1年戦争の只中に消失した赤いガンダムと関係があるのか、そしてシャアはどこへ消えたのか。

前半ですでに「if」の展開を見せており、その前半の「シャア消失」を後半でも事実として引き継いでいます。しかし、消失時のシャアの残した言葉や後半のキャラデザの大きな変化を見ると、これは別の世界線と捉えた方がよいのかもしれません。となると、この世界線にも別のシャアがいるということでしょうか。それとも別の人間に転生しているのでしょうか。続きが気になります。

ガンダムと言えば、多彩なモビルスーツと迫力のバトルも大きな魅力の一つですが、本作でももちろん抜かりはありません。異次元のスピードで繰り広げられる圧巻のバトルが、とんでもないクオリティで描かれており、すばらし過ぎます!まさにスタジオカラーの面目躍如といったところでしょうか。今後もこのクオリティでテレビシリーズとなるのかと思うと、技術の無駄づかいではないかと思えるほどの質の高さに驚かされます。今から放送開始が楽しみです。

キャストは、黒沢ともよさん、石川由依さん、土屋神葉さんら。

おじゃる