「毎回ヘマする小物という印象」名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
毎回ヘマする小物という印象
ストーリーは比較的渋めの地に足ついた刑事ものという感じで楽しめました。
クライマックスの荒唐無稽な追跡劇もテンポよく迫力があり、絵面は何だこりゃというシュールさもあり、面白かったです。
司法取引や犯罪者の贖罪、被害者遺族について触れているところも良かったと思います。
警察の不祥事報道をよく目にする昨今、警察官としての職業倫理に言及するところも印象的でした。
脚本がドラマ「相棒」を手掛けていた櫻井武晴ということもあり、「相棒23」の最終回でも警察官の職業倫理に言及する場面があったなあと連想させられました。
一方でラストの公安の脅迫場面では、司法取引や警察権力の危険性も示しているように感じましたし。
この場面は安室のダークサイドのカッコよさを見せるためとかかもしれませんが。
また、漫画やテレビシリーズは初期は見ていた、という程度の者なので、初期から出ている毛利小五郎にスポットが当たっているのも良かったです。
とは言え、微妙な部分も。
長野県警の3人の関係性等は一応知っていますが、大和と上原の車内での会話や諸伏の臨死体験的場面は、今回の事件とあまり関係がないので冗長に感じてしまいました。
それぞれのキャラクターの見せ場的な場面を入れないといけないのだろうとは思いますが。
また、雪崩回避の場面の射撃についても、最後に実は小五郎が撃っていたと判明するのも、だろうね……という感じで引っ張るほどかなと。
これについては、自分は過去の映画作品を見て小五郎が射撃の名手と知っていたのでそういう感じになりましたが、それを知らない観客向けに小五郎の凄さがクライマックスで分かるという構成だと思うので、仕方ないのかなと。
あと、真冬の川に落ちたにしては元気そうな気がするとか、クライマックスのコナンはどうやって加速しているのかとか、犯行の動機が飛躍し過ぎではとか、色々とありますが。
公安とか内調とかも嫌いではありませんが、取ってつけたような印象が。
ついでに、風見は映画でしか見たことがないのですが、公安という立場で刑事たちに偉そうな態度をとっている割に毎回ヘマをしているイマイチな小物という印象で、降格とかにならないのか?と思ってしまいますが。
風見はグッズなどにもなっているようなので、人気があると思われますが。
生真面目で悪人ではありませんし、憎めないキャラクターではありますが。
全体的には、面白く観ることができました。
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