「磨けば良作になったのに…」LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族 meさんの映画レビュー(感想・評価)
磨けば良作になったのに…
OVA3作品はどれもハードボイルドな出来だった。だが、今回は中二病全開の出来だった。
ヤエル奥崎、ホーク、ビンカム、どの敵も魅力的で勝負の行方に手に汗握った。
今回の敵はムオム、不死身の敵である。このムオム、調べてみるとベトナムでマンゴー属の木で実が小さいので価値がない木として知られているらしい。確かにそのとおり、敵として全く魅力がなかった。
魅力のない理由を以下に書く
・ムオムの使う戦法は肉弾戦。殴ったり蹴ったりなどする。けれど、最初になぜかよくわからない型を披露するせいで、緊張感が全くない。ゴエモンだったり、ルパン三世がその型を披露する理由を語ってくれたりすれば、型の合理性が示されてかっこよさが際立つのに。
・上記OVAシリーズの敵は、たいていが飯テロを披露するが、ムオムは植物の実しか食べない。肉弾戦でバチバチやりあうのにベジタリアンとはこれ如何に…
・しゃべらない。不気味さの演出という意図があったかもしれないが、単に作品を分かりづらくするだけ。
・全くの不死身すぎてつまらない。ルパン一味は単に時間稼ぎをするだけで終わってしまう。もう少し弱くしても良かったのかも。
このようにムオムというキャラだけでも突っ込みどころ満載だった。
更に映画の中にはほとんど中傷度満載の「ゴミ人間」なる者が多々いたが、それも突っ込みどころがあるし、OVAの敵が以前登場したのだが、その行動も納得しづらいものがあった。
更には、字幕があったのだが、その字幕が大きすぎるし、内容もあんまりなものだった。
マモーという劇場版第一作の敵役が世界各国の要人とテレビ会議をしているシーンがあった。そこに、「世界の財団A」だの「○○国宰相」だのと字幕が書かれていた。いやいやさすがに適当過ぎませんか?もうちょっと台詞回しとか変えて世界の要人感を出してください。これじゃあ、ロマンではなく中二病にしかなってません。
とこのように、あまりにも寝られていない映画だった。