劇場公開日 2025年6月27日

「とても味わい深い作品だと気づく」LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族 bar_ozさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5とても味わい深い作品だと気づく

2025年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

封切初日の朝、1回目の鑑賞。予告編で登場したムオムの正体、予告編で謳われた「すべてのルパン三世に繋がる」流れに満足した一方で、「これ、大衆受けは大丈夫か?」とほんのり心配を抱えて帰宅。数々のレビューを見て「あーそういう声も多いか…」と受け容れつつも、沸き上がって来たのは、「いや、私は面白かった。もう一度観たい!」という素直な気持ち。

公開から2週間経って2度目の鑑賞。自分の感覚は正しかった。

これまでのテレビシリーズや劇場版で描かれていた「完璧にキャラが仕上がっているルパン一味」はこの大事件を通過して出来上がったのだ、という視点で見ていたらもう楽しくて楽しくてたまらない。(分かる人には分かる例えとして、大ヒットゲーム「龍が如く0」をプレイした後のような気持ち)

ある程度の若々しい成功を収めた後に、とんでもないピンチに襲われた時、どんな発言・行動を取るかで今後の運命・生き様が定まっていくという姿をまざまざと見せつけられた。

小池監督の過去作(次元大介の墓標~銭形と2人のルパン)で素晴らしいエッセンスを加えていたジェームズ下地のBGMも健在でこの世界観を土台から支え、そしてB'zのここ近年の大傑作とも言える主題歌 The iiiRD Eye の爆発力は、次元大介の墓標から足掛け11年、溜まりに溜まったカタルシスを解消するには十分過ぎた。

様々な色眼鏡を外して、この映画の前後を自分なりにイメージする楽しみがある、そんな味わい深い作品だった。

0.5点のマイナスは、ムオムの描き込みが甘い、銭形の等身がブレる、といった作画の部分。日本のアニメ作画の基準はもっと高いところにあると思う。(EDのイラストは最高にカッコイイ、ここの部分のグッズが欲しかった)

bar_oz