「わたしのJourney(旅)」松任谷由実 THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー movie 5.1ch/4K ユミバニアファミリーさんの映画レビュー(感想・評価)
わたしのJourney(旅)
ユーミンのステージは実に文学的である。
今ではないいつか、ここではないどこか
のだれかの生き様を
ユーミンがストーリーテラーとして
いたこのように演じているもののように感じる。
The Journey では新米の船乗りの日記をもとに
ユーミン船長と旅をした。
物語と現実を繋ぐテーマは「反戦」。
船長は「人の知性を信じたい」と言っていたけれど
ツアーから約1年経った今
どこかで旅を続けているであろう船長や乗組員に
私たちは現状を胸を張って伝えられるだろうか。
この映像が録られた横浜公演を含め
今ツアーを20回以上観に行った
オタクとしての感想は、
常に観たい部分に
フォーカスされているわけではないが
双眼鏡で追いかけるというような
煩わしいことをせずとも、綺麗な映像で
寄りの画が見られるところに魅力を感じた。
ユーミンの汗まで見えるほどであった。
ライブ中はつい熱中してしまうが
落ち着いて俯瞰で観られることも
映画ならではの魅力ではないだろうか。
また、音の分離がよく
歓声にすらスポットライトが
当たっているように感じられ、
ライブ中は聴こえなかった音まで聴こえてきた。
(冷静さを欠いていただけかもしれないが)
追加されたドラゴンの声、アクターのステップ音、
ファイヤーボールの爆発音なども相まって
実際の熱気はなくとも
本当のライブに負けずとも劣らずな迫力であった。
5.1chサラウンドサウンドにリミックス、4K化、と
Blue-ray/DVDよりもさらにブラッシュアップされ
もはやライブ映像というよりも
ドキュメンタリーに近いという印象。
さいごに、ファンならばWINGS OF LIGHTの
ユーミンのコメントを一度は読み返してほしい。
『やがて届く「天国のドア」のライヴ・ヴィデオは、私の人生の大きな宝物だ。だって、これからも自分のステージをリアルタイムで見ることは決してできない(ということにかけては)世界一不幸な私への最高のプレゼントだから。』
30年以上の時を経て、
さらにリアルなステージをみせてくれる今作は
私たちファンだけでなく
ユーミンにとっても最高のプレゼントなのでは?