劇場公開日 2025年2月14日

セプテンバー5のレビュー・感想・評価

全173件中、141~160件目を表示

3.0メディアの本質は『ショウタイムセブン』にも通ずる・・・と思いました

2025年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

事実の事件の顛末を描いた作品ですが、
メディアの在り方については、『ショウタイムセブン』を思い出してしまいました。
やはり、スクープは独占したいのかな・・・とか、
「噂」でもいいから報道してしまうあたり、ちょっとどうなの!?と考えた次第です。

残念な結末に至った事件自体にもスポットは当たっているものの、
なぜ解決できなかったのか、ということよりも、私はやはり報道の是非が
本質的に伝えたかったことなのかなと感じました。

事実に基づきテロ事件を追うので、90分くらいの長さの映画とはいえ、
結構疲れてしまいます。それだけ緊迫感がありますし、遊びがないと言いましょうか、
ずっとシリアスなんですよね。当たり前ですがそれが疲れたりするんですよ。

主要キャラクターも最初は見分けがつきずらく、誰が誰なんだか頭の整理をつけるのに
時間がかかりました(笑)
その中でも通訳マリアンネがカッコよかったですね。
演じたレオニー・ベネシュは『ありふれた教室』で主演でしたね。
さすがの演技でした。

というわけで、エンターテインメントというよりも、実にシリアスなドキュメンタリータッチの
作品で、私は期待通りでした。

コメントする 3件)
共感した! 29件)
ひでちゃぴん

4.5限られたステージの中でこれだけの緊張感を出すのは見事

2025年2月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

これは報道という視点から見る超一級スリラー。

ほぼ90%が放送を統括する管理室での会話劇なのに、そこに送られ映し出される実際の映像や音声に秀逸な効果音と音楽が加わる事で緊張感がハンパじゃない。
メディアとして成すべき姿を問う、史実を伝えるノンフィクションとしてまさに傑作。

この感覚が覚めないうちに、対となる映画「ミュンヘン」をもう一度見てみたいと思う。
当時は私にはあまり刺さらなかったけど、今見たら何か感じるものが変わる気がします。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
びぃあぃじぃ

4.0糠喜び

2025年2月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

評判が良いのと事件発生当時、私自身小学生でした。子どもごころにオリンピックで何故?と思っていたのでその当時の様子のことを知りたくて11:00から観ました。なかなかの作品です。1972年ミュンヘンオリンピック開催中に発生したパレスチナの過激派によるイスラエル選手団の人質事件を題材としたドラマ。オリンピックの衛星中継を担っていたアメリカABCテレビが、テロ事件の推移を全世界に実況中継する。ドキュメンタリーのような地味なつくりがリアリティを増していた。ニュース報道の専門家ではないアメリカ人スタッフ、責任者は視聴率、特ダネという誘惑と人命がかかっているという経験したことのない深刻な状況下で瞬時の判断を迫られ、緊迫感を持ってカメラを切り替え映像が繋がれる。迫害されたユダヤ人側から描かれることが多かったホロコーストがドイツの一般の人々の心に残した傷跡を伺わせる言動がストーリーに重みを加えている。ダイヤル式電話機、チャンネル型テレビ、無線機、喫煙…当時を彷彿させるアイテムが印象に残った。ドイツ人女優レオニー・ベネシュがテレビ局の現地ドイツ人スタッフとして活躍する演技が良かった。結果は…。当時のことに興味がある方は、観て損しない作品です。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
junjun

4.0正直辛い

2025年2月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

寝られる

ショータイム7を見たあとだったから正直辛つらかった。現実という重々しさがひしひしと伝わってくるんだけど、もう終わったこと感があってモチベーションが続かない。何回も意識が飛ぶ。吹き替え版じゃなかったからかな。言葉のイントネーションに緊張感がない。インテリではないのでごめんなさい。
でも、衝撃のラストは良かったし、それによるみんなの苦悩も生々しくて良かった。

コメントする (0件)
共感した! 12件)
おいおい

4.0ジャーナリストとしての功名とすり減った倫理観

2025年2月15日
iPhoneアプリから投稿

 ジャーナリズムの本質は変わらない。それをまざまざと感じてしまう。

 人質事件を知った放送クルーがとった行動というのが、スクープ(報道の一番乗り)への体制作りと情報の独占化。
 彼らが商業メディアである以上、その行動は至極当然だと思うが、報道の使命というキレイな服をまとって自身の行動を正当化するプロセスが、描かれる。

 独断でスクープを放ったスタッフは、結果オーライでお咎めなし。史上稀に見る視聴率ということでトップもご満悦。
 その後の検証は、するわけないよね。当時だし。

 彼らが良心を全部捨てているわけではなく、大学で学んだであろうジャーナリズム論を頭の片隅に置いて行動している。
 ジャーナリストとしての功名とすり減った倫理観を天秤にかけながら事件と対峙する様子が、客観的に描かれている。

 週刊文春と望月記者の言説が象徴的で、訂正はするが謝罪はしない。

 結局のところ、いろんな報道を自分の頭で再構築して理解するしかないよね。

コメントする 2件)
共感した! 39件)
bion

3.0サンシャイン作戦

2025年2月15日
Androidアプリから投稿

悲しい

興奮

1972年のミュンヘンオリンピックで起きたテロ事件をライブでTV放映したアメリカABC放送の話。

9月5日未明、選手村から銃声が聞こえ、イスラエル選手団が襲撃されたと判明し、オリンピックの中継の為にそこにいたクルーが取材することになっていく。

ミュンヘンオリンピック事件があったことは知ってはいたけれど、生中継までされていたとは知らなかった。

当時、生放送が持つ力や影響をそこまで考えられなかったとはいえ、それにしても…なマスゴミっぷりを発揮しつつも、ことの顛末を再現した緊迫感が伝わってきて、とても面白かった。

それにしてもマリアンネが有能過ぎ。

コメントする 6件)
共感した! 35件)
Bacchus

3.5視聴率と人命

2025年2月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

1972年ミュンヘンオリンピック開催中に発生した、パレスチナの過激派によるイスラエル選手団の人質事件を題材としたドラマです。
オリンピックの衛星中継を担っていたアメリカのテレビ局が、テロ事件の推移を全世界に実況中継することになります。
まるでドキュメンタリーのように、音楽なども最低限に抑えられた地味なつくりがリアリティを増していました。

ニュース報道の専門家ではないアメリカ人のスタッフたち、責任者たちは視聴率、特ダネという甘い誘惑と、人の命がかかっているという今まで経験したことのない深刻な状況の中で瞬時の判断を迫られて揺れ動きながら、さながら「カメラを止めるな!」のごとき緊迫感を持って次々とカメラを切り替えながら映像が繋がれてゆきます。

また、これまでは迫害されたユダヤ人側から描かれることが多かったホロコーストがドイツの一般の人々の心に残した傷跡を伺わせる言動の数々がストーリーに重みを加えています。

ダイヤル式の電話機、チャンネルを回すテレビ、携帯無線、喫煙…1972年当時を彷彿とさせる、もはや博物館級となってしまったアイテムが印象に残りました。
若い世代の人は「これは何?」という印象を持たれるかもしれません。
映像にキャプションを入れる方法のアナログさ加減ときたら仰天ものです。

「ありふれた教室」で主役の女性教師を演じたドイツ人女優、レオニー・ベネシュがテレビ局の現地ドイツ人スタッフとして熱演。素敵でした。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
さとうきび

3.0事実を知る事は大切 噂は・・・

2025年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

寝られる

1972年9月5日、ミュンヘンオリンピックでパレスチナのテロリスト集団・黒い九月がイスラエルの選手村を襲撃して2人を殺害、9人を人質にとって宿舎に籠城し、イスラエルに拘束されていたパレスチナ人や囚人など、300人以上の解放を要求した。やがて交渉は決裂して空港で西ドイツ警察による救出作戦が行われ、銃撃戦や犯人の自爆攻撃が起き、噂によると、人質全員無事解放された、とABCは放送したが、実は・・・そんな史実に基づく話。

ミュンヘンオリンピックは、水泳のマーク・スピッツの活躍を当時のテレビで映していたが、日本も平泳ぎの田口や体操、バレーボールなどで盛り上がったと記憶している。
その裏で、テロ事件があった事は日本で報道されたのか、あまり覚えていない。ミュンヘンの前、同年冬の札幌オリンピックが有り、スキージャンプやフィギュアのジャネット・リンで盛り上がった直後に日本赤軍によるあさま山荘事件が起きたが、あの時の鉄の玉で山荘を壊す映像が印象に残っている。
前置きが長くなったが、本事件はそんな時代の話で、世界中が注目する平和の祭典オリンピックを利用した卑劣なテロで、結果として合計17人(人質9人含む選手とコーチ11人、警察官1人、犯人5人)が死亡する大惨事となった。
それをABCの報道クルーじゃなくスポーツクルーが中継した。そのためか、情報は錯綜し、一旦は人質全員無事解放との噂が流れ、それを報道したが、誤報で、事実は人質全員死亡だった。
これを事件として知るのは良いが、ほとんどオリンピックの報道センターのようなところだけで、視聴率や、情報の裏どり、といった放送局目線での進行であり、デジャブ感で先週観たショウタイムセブンの阿部寛を思い出した。
途中眠くなったし、個人的にはあまり刺さらなかったが、これはこれでいいんでしょうね、くらいの感想。
イスラエルとパレスチナの争いはガザでみられるように現在も続いていて、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、と宗教絡みの憎しみは根が深いのだろうと、改めて思った。

コメントする 1件)
共感した! 17件)
りあの

3.09月5日

2025年2月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

実際に起きたドイツはミュンヘンでのテロ事件を扱ってますが、

99パー報道室?で、緊迫感は最初こそ凄いものの、同じ部屋でウダウダ騒いでて、途中で飽きました(笑)

思ってたのと違った(笑)

『ありふれた教室』を観てからレオニー・ベネシュのファンで、彼女が出るから観たんですが、出番が少なくてガッカリ(笑)

セプテンバー5とはオーシャンズ11的なチーム名だと思ったら、事件が起きた日付9月5日のことらしい(笑)

コメントする (0件)
共感した! 10件)
RAIN DOG

3.5この時期に突きつけられる

2025年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

使い古された言葉としての
報道とは何か
凶悪な事が起こっている時それが何か知りたい
人の好奇心を満たす目的という側面は絶対ある

テロリストという言葉は強すぎると言った瞬間にもうそれは使い古された言葉となってしまう
ドイツ警察の動向を放送してしまい作戦の邪魔をするが続けてドイツ警察を軽々と批判する側に立つ

この時何が起こったのかはスピルバーグの映画を見た方が良い
噂によれば…をつければ何でも言って良いとはならないはずだ
短い時間にいろんな湧き上がる感情を持て余す作品
でも下衆と言われようがばらして広めてやろうという人達がいないと困る世の中ではある

コメントする (0件)
共感した! 8件)
tmnrstar

3.5メディアリテラシーについて

Kさん
2025年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

オリンピックで起きた人質テロ事件。
生放送される中、視聴率と人権の間で
葛藤するテレビクルーたち。
報道のあり方について問われます。

倫理観を試され緊迫感ある95分でした。
室内劇でありながら次々と運び込まれる
情報に息つく暇もない展開。
朗報が入っても地に落とされ喜びも束の間。

この事件について知らない世代ですが、
現代社会に通じるものが多々ありました。
報道の裏側からの視点に終始没入です。

また、当時の映像と機材が
リアル感を出していました。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
K

5.0緊張感が凄かった

2025年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

予備知識無しで観たけどとてもよかった。テロ事件を描いていても、あくまで送られてきた映像や音声、或いは伝聞を受けるTVクルーの目線であって、残酷描写やアクションがあるわけではない。

それでも、クルー達の苛立ちや高揚、使命感、義務感、名誉欲、保身、自己嫌悪などが伝わってきて緊張感が凄い。事件のあらましは知っていたけど、それでも先がどうなるのかハラハラした。

今もなおイスラエルとパレスチナの問題が何一つ解決していない事を考えさせられた。辛い気持ちになる映画だが観てよかった。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
あんきも

4.0だれの事件

2025年2月14日
Androidアプリから投稿

だれの責任?報道の功罪。緊迫の映像と、1時間半の短い尺を無駄にすることなく濃密な時間で駆け抜ける編集で、報道の義務と責任を描く実話モノの報道スリラー。"実話"モノとは言っても、例えば『大統領の陰謀』や『ペンタゴン・ペーパーズ』のように報道のあるべき姿(可能性)と格好良く英雄(ヒロイズム)的な面を映し出したタイプの作品ではない。無論、事件の顛末的にそうなるわけないのだが…。
本作はむしろ最前線の事件の周りであれこれ動き回って余計なことをして"遊んだ"結果、事件の展開を悪くさせることこそすれど、良い方向への影響は決して及ぼしていない報道の功罪についてだ。そんな、テレビ史上に残る悲劇・惨劇を驚くべき再現度とリアリティで再訪・追体験する1日。よく書かれた脚本と恐ろしく手際のいいストーリーテリングで、舞台劇・密室モノ的に報道室で繰り広げられる手に汗握る展開に釘付け!
「事件は現場(選手村)で起きてるんじゃない、ニュースルームで起きてるんだ!」的な驕り・思い上がり(?)から、それがどういう結果を招くかという職業倫理的な部分や後先のことは考えず(無視して)、自分の仕事をしているだけと飛びついたがための結果。ジョン・マガロがそんなニュースルームを瞬時の判断を迫られる切迫した状況の中で統率し、『ニュースの天才』がどうしても頭をよぎるピーター・サースガードが喝と指示を飛ばす。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
とぽとぽ

3.5初めてのことをやり遂げた人々へのリスペクトが感じられない

2025年2月14日
Androidアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 9件)
tomato

4.025-023

2025年2月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

平和の祭典オリンピックで実際に起こったテロ事件を生中継したTVクルー。
ドキュメンタリーに近い作りで、凝縮されたストーリー展開は緊迫感が伝わってくる。

報道の自由と情報統制、
ユダヤ人と復興ドイツ、
イスラエルとパレスチナ、
今も続く対立の溝。

正しいことをしたのか、
自身の判断に苦悩する姿は
人間の本来の姿なんだろうなぁ。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
佐阪航

4.5このお話しには続きがあるよ

2025年2月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

映画ファンなら知っていると思うけどスピルバーグ監督のミュンヘンだよ。007になる前のダニエルグレイグも出てるよ!映画はちょっとエグいけど…興味のある人は観てね

コメントする (0件)
共感した! 9件)
亀吉

4.0オリンピックのはずが

2025年2月14日
Androidアプリから投稿

事件については全く知らない、親から聞いたこともない
特殊部隊か報道スペシャリストが5人?と思ったら日付
TV局生中継の慌ただしさ、事件の成り行き終始ヒリヒリしたムードで見るというか、見守っていた 現場の皆さん臨機応変でその場その場で判断下すの難しかっただろうな
報道に関する問題だけじゃなく?過去の事件、メガネの渋いおじさん達が奮闘するお堅い雰囲気でしたが、ユダヤとドイツとかイスラエルとパレスチナとか今尚起こっている問題にも触れてるようにも感じました
しかしあんな凄い灼光でその情報、えーっと思っていたら...

コメントする (0件)
共感した! 14件)
ゆう

3.5構成の妙

2025年2月14日
Androidアプリから投稿

物語の最初から最後までオリンピックの生放送の中継基地の視点のみで話が進むのに中弛みせず飽きさせない構成は見事

恐らく当時の実際の報道の素材も使ったであろう映像も良かった

当時の番組製作の裏側っぽいモノも垣間見えてそこも良かった
テレビマン全員がプロ意識もった職人集団みたいでかっこよかった

でも名前と顔が一致しないまま声だけの出演になるキャラがいたり
視点は中継基地で固定なのにキャラは事件現場各地に行ったり来たりするから
全体像が若干わかりにくい部分もあった

それから1972年当時の世界とドイツを取り巻く環境をあらかじめ理解してないとピンと来ないやり取りが多少あって
人によっては物語に入り込む妨げになるような気もした

さらに今では当たり前の報道協定だとかも当時はなかった事を理解しておく必要がある

コメントする (0件)
共感した! 7件)
龍神

4.0躊躇、葛藤、達成感、後悔……

2025年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

当時の緊張感を再現した、フィルムの作り方がすごかった。
中継スタッフによる、「これを放送していいのか?」とか、「死人が出た責任は我々にないのか?」という躊躇、葛藤、達成感、後悔……ドロドロした感情が次々に描写されて、引き込まれました。

まだ世界がテロに初心(うぶ)で、西ドイツは第二次世界大戦の反省から極度の平和主義を定めた憲法で他国の軍や警察を受け入れないことを定めていたため、訓練されていない町の警察官たちが対応し大惨事へ発展って展開だった模様。
もちろん、報道管制とか、犯人の立てこもるビルの電気を落としてTV中継を犯人に見せないなどのノウハウもなく。

各国の警察にテロ対策チームが作られ、オリンピックや各国際イベントでのテロ含めた警備体制が構築され、選手村や施設には関係者以外立ち入り禁止となった今に至る、きっかけの事件だったらしいですので、その歴史を知るという側面でも有意義な作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
コージィ日本犬

4.0裏はしっかり取ろう

2025年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

知的

とにかく地味、ひたすら地味な作品。でも、『スポットライト』や『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』といった報道メディアの実録もの映画が大好きな者としては大好物。知る権利、報道のモラル、被写体の人権など、テーマの切り口はさまざまなこの手のジャンルは普遍ゆえに現在でも通じる。折しも本作で扱われる人質テロ事件も、終わりの見えないパレスチナ・イスラエル紛争とリンクしているわけだし。
この事件が複雑なのは、発生地がドイツのミュンヘンという点。ナチスの影を払拭すべく、人質となったイスラエル選手団救出を半ば“贖罪”とイコールにしたドイツ。ところがその結末があまりにも皮肉。
「裏を取る」のはマスメディアに携わる者としては怠ってはならない作業。しかし昨今はフェイクニュースという言葉が独り立ちしてしまうほどになっている。一応メディアに属する者として、本作のABCスポーツ番組クルーは他人事としては見られない。
ただ残念なのは劇場用パンフレットが作られなかった事。前述したようにこの事件は今のパレスチナ・イスラエル紛争ともつながっているのだから、事件が起きた背景を網羅したパンフはあっても良かったのでは。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
regency