「ドキュメントの様な作りが緊迫感を生み出す素晴らしい演出」セプテンバー5 平成モンド兄弟さんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメントの様な作りが緊迫感を生み出す素晴らしい演出
本編の大半は全米三大ネットワークの一つ、ABCのミュンヘン五輪放送ブース。
あくまでTVクルー達は、入ってくる情報を追いながら、史上初のテロ事件を生中継する経過を、ドキュメントの様に演出している事で、緊迫感を生み出す。
人質解放のニュース放送を巡り、クルーが対立する場面も、大仰に声を荒げたりせず、実際の現場での意見対立を思わせる、抑えた演出もリアル感があり、興ざめさせる事もなかった。殊更、テロ事件を批判するでもなく、情報を伝える側の問題提起をするでもなく、偶々、事件に遭遇しリアルタイムで伝えられる状況だった、当時のクルー達の使命感や必死さ、その後の虚脱感が良質の人間ドラマになっている良作。
コメントする