「最適な狂い方」消滅世界 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
最適な狂い方
クリックして本文を読む
一つの“if”を元に世界を描く作品は好きなのだが、最後まで設定が腑に落ちなかった。
性行為自体がタブーなら、リスクを避けるという意味で理解はできる。
けど、“外の恋人”とはOKってむしろリスク増えてるし、そこに区別を付ける理由が分からん。
“夫婦になる前のパートナー”と“恋人”は別物?
友人との同居と大差ないし、結婚の意義がより失われて少子化が加速しそう。
性欲という本能が失われきれてない世界では無理筋すぎるし、案の定エラーは起きる。
この世界になる現実味がなさすぎて入り込めない。
中盤で“エデン”に移るが、「家族は続けるし子供は渡さない」なら、何故行く?
服やら建物やら全部白い理由も雰囲気だけだよね。
樹里の死因はシステム無関係だし、朔や雨音の心理の変遷もうまく掴めず。
その後もいくつか展開するが、前提がグラグラの思考実験をダラダラ見せられても…
室内のみならず屋外すら妙に暗く、登場人物もどこかダウナーで、ディストピア感が満載。
このテの作品で最初から「これは間違った世界ですよ」という雰囲気では、解釈を狭めるだけでは。
世界の状況はまったく描かれず、最後は千葉だけの話とスケールが小さすぎるのも難点。
正しさなんてその時の“常識”に左右される、というのは共感します。
しかし、正しさが無かったとしてもあの社会だけは正しくないと断言できる。
本来の意味での近親相姦オチだけはシニカルで好み。
コメントする

