「PERFECT BLUE」消滅世界 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
PERFECT BLUE
夫婦間での性交渉がタブーとなった世界のお話という所が気になり鑑賞。
恋愛の形が多種多様なものになっている現代だからこそ描けるものだなーと思いましたし、二次元への恋というのも含まれていそうで、同性愛とはまた違うものが感じれるのではないかと。
世界観自体はとても興味深いものだったんですが、価値観のズレとかそういう問題ではなく、映画として淡々と進んでしまっているのでうまいことのめり込めず、展開もざっくりと行間空きまくりなのでツッコミどころも多くあってカオスな作品でした。
夫婦間での性交渉はダメで、外で作る恋人との性交渉はOKという浮気や不倫はという世界観がます掴めず、夫婦で興奮してしまったら瓶で思いっきりぶん殴ってみたり、キャラクターに好意を抱くもの同士でセックスしてみて体を捧げるだなんだ言ってるんですが、結局セックスはしちゃってるし、言葉は時代が進むごとに意味が変わるというセリフも「近親相姦」って兄妹や親と子とやるのがタブーなのであって、血は繋がっていない赤の他人である夫婦もその対象になるの?という疑問がどうしても拭えなかったです。
主人公と夫が施設に入る流れもイマイチ掴みきれず、セックスが嫌だからといって2人で入って、人工授精で産まれた子供をなんとかして自分たちの手で育てようね〜とか色々ぶつかりまくっていて大パニックでした。
そこから人工授精して夫側の子供が産まれたりもするんですが、出産のシーンとかが無いので苦労とか痛みとかが全く伝わってこずの虚無さが残念でした。
変に夫婦間の仲が悪くなる展開も、この施設で悪くなるならもう無理じゃんって呆れてしまいました。
途中で親友も施設に入る流れがあるのですが、階段際での会話中に子供達がワーっとお母さーんと言って走ってきたのに焦って階段から転落してそのまま死んだところで目がパキッと開きました。
この展開で死ぬことあるんだ…と思いましたし、子供たちも大人たちもそんなに悪びれず、ここで死んでしまった命は灰にして供養しようという流れはもうカルトな宗教そのものでドン引きでした。
地味に見知らぬ子供たちがお母さーんって飛び込んでくるの中々のホラーです。
自分の子供を見たいどすえ〜って感じで子供を見せにいく流れはまぁまだ良いんですが、脳裏に色々駆け巡ったのちに顔に血が飛び散った描写も謎すぎて、子供が死んだのか、それとも比喩なのか、何事もなく次の場面に飛ぶので置いてけぼりです。
ラストの展開は既存の性交渉の形を超え、新たな人類の始まり、アダムとイブをリブートしてやろうという衝撃的な展開という見せ方だったとは思うんですが、それまでの展開が中々にクレイジーだったので、一応は親子判定であっても血縁的には赤の他人なんだからセックスしたって良いんじゃない?となってしまってインパクトは取るに足らずでした。
14年後に時空が飛んだ設定も自分の子供とのセックスをするためだけの時空ぶっ飛びで、施設にいる子供が初っ端からある程度年齢ばらけているのも納得いかないですし、結局この施設は違法にならないのか?という答えにも繋がってなくてモヤモヤしました。
小説という形で読むと面白いのかな〜とは思いましたが、映画となるとツギハギだらけで首を傾げてしまいました。
原作には興味が湧いたので見てみます。
鑑賞日 12/1
鑑賞時間 12:40〜14:45
