ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師のレビュー・感想・評価
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ボンヘッファーを知らないと理解できない玄人向けだけど…
題名のとおり、ボンヘッファーという牧師を知らないと内容を理解できません。
ボンヘッファーを知らない私は、1回目は流し見、2回目はボンヘッファーを検索して人物を理解してから見、3回目でやっと全体への理解が深くなり、心揺さぶられる映画だと泣きました。
彼は「敵を愛することを忘れた牧師」と言われ自身も認める場面があったのですが、私はそうは思わなかった…。
なぜなら、日本も現在、たくさんの移民や外国人によって内側から少しずつ”侵略”されている感覚が日常にあるからです。これまでの政府の政策でこうなっている”今”を重ねて見ると、80年前のボンヘッファーの考えと行動は、きっとクリスチャンでなくとも理解できる部分があると思うのです。
邦題の「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」ですが、彼が実際にヒトラーを手にかけようとしたのではなく、「暗殺の仲間に加わって行動した」ということでした。その結果、資金洗浄とヒトラー暗殺に関わった罪で…となります。
この映画を見るには、ボンヘッファーのちょっとした知識が必要かと思います。
場面展開もあちこちと忙しく、さらに歴史を知らないと「??」と思いますし、クリスチャンでないと理解できないセリフもあります。
(ちなみに私は、ボンヘッファーの双子の妹が彼の恋人に見えてびっくりした)
「ヒトラーを暗殺しようとした牧師」というある意味センセーショナルな題名ですが、彼の中には人々と神様への愛が見て取れます。
聖書の歴史を見ても、戦いはいつの世にも「世界」と「己の中」にありますし…。
牧師という立場から、当時のボンヘッファーは非常に悩み苦しみ、泣いたと思います。
だから、この映画はぜひ、たくさんの日本人の方に何度も観ていただきたいです。
ボンヘッファーという一人の牧師の信仰と生き方は、現代の日本人も知っておいてソンはない!と思います。
そして、見終わったあとには、ナチスによってユダヤ人がどのような目に遭わされたのか、詳しく知っていただきたいです。今のイスラエル問題を考えるうえでも、「反ユダヤ主義とは」について考えるキッカケになるのでは、と思います。
誤りを誤りだと指摘できる強さ
ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師
第2次大戦終結後80年の年にこの映画が公開されることに、見えざる天の意図を感じる。このナチス支配下のドイツで極めて稀有な生涯をたどった牧師の生涯が、良く描かれている。とりわけ一(いち)クリスチャンとしてうれしかったのは、神学研究のためアメリカの神学校で学んでいた彼が、黒人牧師から初めて「イエスに出会ったか」と問われ、答えに窮したところから、真の意味でBorn again魂の新生を経験したクリスチャンになるところがきちんと描かれていたこと。恐らく彼は、その時から彼の内に生きている主キリストから、ドイツ国民への究極の愛の行動として、直接「悪の排除」に加担するよう促されたのでは、と思った。また彼が、7人のユダヤ人をスイスに脱出させるために大金を用意し、その出どころがもとで暗殺計画連座が発覚したわけだが、あのヒトラーを神と崇拝し、その狂気の支配のもとに600万のユダヤ人を殺害したナチスドイツにも、シンドラーや、ボンヘッファーのような人種偏見を持たず、彼らを命がけで救おうとした愛と勇気ある一握りの人々がいたことににも心を打たれた。世界的反ユダヤ主義思想が蔓延している現代、今こそ日本のクリスチャンもこの国の安寧のために行動による愛を示す時だと思わされた。
今こそ観るべき映画
Must see movie です!!
はじめはちょっと冗長かなと思って見ていたら、その後ぐっと引き込まれ、最後まではらはらどきどきしつつ、大泣きしながら見てしまいました。ボンヘッファーが深い信仰を持ってこのような行為をしたこと、処刑されるまで悩み苦しみ、けれども最後の晩に皆でパンとぶどう酒を分かち合い、そして、十字架を見上げる心持ちで絞首刑用の縄を見上げ、天を見ながら死んでいったことが描かれていました。キリストに従う者は恵みだけではなく、主の十字架を背負ってついて行かなければならないことを身をもって生きた方がこんなに近くに時代にいたということに、目を覚まされる思いでした。信仰を持つ方は必見。信仰を持っていない人も、いったい信仰とは何かを知りたければこれを見るべきだと思います。
信仰、信念があっても行動が伴っていないものは信仰、信念ではない
今までヒトラーを暗殺しようとした牧師がいたことは知りませんでした。
アメリカのハーレムでの学びとそこにいる人々との関わりを通して、神様をさらに知り、味わおうとしたり、人種差別の闇を知り、実際に体験したりしたことが、ボンフェッファーの後に影響を与えたとわかりました。
悪に対して許せない気持ちがあっても、自分はその張本人ではなく、不利益を被っていないから知らんぷりをするということが私には多々あります。「信仰、信念があっても行動が伴っていないものは信仰、信念ではない」
という気づきからボンフェッファーが正しい真実を恐れずに語ったり、
亡命先のアメリカから1か月足らずで祖国に戻って闘うことを選んだりする姿勢に、「あなたならどうする?」と問いかけられているような感覚を覚えました。最後は悲しい結末ですが、自分の使命を果たすために、そこに対してまっすぐに向かっていく姿が、最後のまなざしが心に残っています。
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