外道の歌のレビュー・感想・評価
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クズも歩けば棒にアナル。 窪塚のキャラ作りはこれで正解だったのか…?
「復讐屋」を営む2人組、カモとトラの暗躍を描いたクライムサスペンスドラマ。
監督は『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズや『不能犯』の白石晃士。
表では「カモメ古書店」の店主、裏では「復讐屋」として殺人を請け負う男、鴨ノ目武を演じるのは『ピンポン』『ヘルタースケルター』の窪塚洋介。
殺人鬼に家族を奪われた女性、開成奈々子を演じるのは『女子高生に殺されたい』『この子は邪悪』の南沙良。
Filmarksさんのオンライン試写会に当選したため、一足早く鑑賞させていただきました。ありがとうございます♪
原作は渡邊ダイスケによる漫画「善悪の屑」(2014-2016)、およびその続編「外道の歌」(2016-2023)。
「もう二度と ウンコできないねえ」という強烈すぎるパンチラインは知っていたものの、この漫画自体は未読であります。
あれ?この作品って前に一度映画化してなかったっけ…?
そう思い調べてみたところ、どうやら2019年公開の映画として、白石晃士監督により制作が進められていたようです。しかし、主演を務める新井浩文が「もう二度と 俳優できないねえ」状態に陥ってしまったために企画自体がポシャってしまったのだそう。つまり本作は5年の時を経て漸く形になったという訳ですね。白石監督の頑張りに拍手👏
内容としては汚いシティーハンター。「法で裁けない悪に天誅を下す」という、昔からある定番のフォーマットである。
この手の作品はリズムが単調になりやすく、本作も1話&2話は同じ事の繰り返しなので早々に飽きてしまったのだが、3話から5話にかけて展開される「カルト宗教編」でリズムがガラッと変わるので、その後は退屈する事なく最後まで見続ける事が出来た。
主人公カモを演じるのは俺たちのキング、窪塚洋介。『I.W.G.P』(2000)や『ピンポン』(2002)などで見せたポップでヤンチャな役柄とは真逆な、寡黙で翳がある男を演じる。まぁそれは良いのだが、無理に低い声を出そうとしているせいでロボットみたいになってしまっている。バカみたいなサングラスのせいで綺麗なお顔も拝見出来ないし、何故この役を窪塚にやらせたのかよくわからない。彼に演じさせるのなら、原作漫画とかけ離れてでももっとアッパーなキャラクターに創造し直すべきだったのでないだろうか。
カモの相棒、トラを演じるのは亀梨和也。アイドル時代のイメージが強かったので、「こんなチンピラみたいな役この人に出来るの〜?」なんて最初は訝しんでいたのだが、思いの外良かった。ドラマにありがちな下手な関西弁も、最初は気になったのだがだんだんとそれも愛嬌に思えてくる。
アクションもちゃんと出来るし、亀梨くんって結構良い役者だったんですね。ただの野球好きかと思ってた。
復讐屋の紅一点、奈々子を演じるのは若手のホープ、南沙良。
横浜流星主演のドラマ『わかっていても the shapes of love』(2024)のヒロインを演じていた時はそのあまりの下手さに辟易としたが、今回はとても良かった。あの消え入りそうな発声がヒッキー体質の根暗少女を演じる上ではむしろプラスに働いている。こういう役柄で生きる女優さんだったんですねぇ。
原作はかなりグロいと評判だが、このドラマではそこまで過激なバイオレンス描写はない。
ただ、子供への虐待/暴行描写は結構どぎつく、あまりはっきりとは見せないからこそのドス黒さが視聴者を襲う。特にカモの娘を犯人が執拗に蹴り続けるシーンは直視に耐えかねるキツさがあった。そういうシーンに耐性がない人は要注意である。
扱われるのはみな架空の事件だが、その内容は明らかに実在の凶悪犯罪を想起させるものとなっている。そのため、最初は日本の司法制度に異議を唱える社会派の犯罪ドラマなのだと思いながら視聴していたのだが、だんだんとその型は崩れ始め、吉良吉影みたいなヤツが出て来たり、「ブレックファスト・クラブ」とかいうバカみたいな名前の復讐組織が登場したりと、後半からは完全にマンガの世界に突入する。
全6話しかないのにも拘らず前と後ろで味が全然違うというなかなかに奇妙な仕上がりになっているのだが、後半のエンジンが仕上がってきた感じは嫌いじゃない。むしろ好き。最初からこのくらいのテンションでぶっ飛ばして欲しかったが、まぁそれは作劇上難しいか…。
次シーズンに続く!という完全に尻切れトンボな終わり方をしてしまったのだが、もう少し話数を増やして、せめて園田かブレックファスト・クラブのどちらかだけでもちゃんとケリをつけて欲しかった。せっかく尻上がりに面白くなっていったというのにこのエンディングはかなり残念である。
あまりにも中途半端に終わるため、このシーズンだけで作品の評価を下すのは難しい。ただ、役者の熱演やぶっ飛んだストーリーなど、見どころは間違いなくあるドラマだと思う。種は蒔き終わったという感じなので、展開次第では第2シーズンはとてつもなく面白くなる、かも知れない。
再現度が非常に高い
採点3.7
まずそのキャスト、カモ・トラ・奈々子・園田等の再現度が非常に高い。
中でも亀梨演ずるトラはそのまんまで驚きました。声のトーンすらピッタリ。
強いて言えばカモ。雰囲気は良いものの、坊主でないし、ヒゲあるし、額の傷はあるの?とか色々気になりましたが、二話目には慣れました。
何より「だねえ」がすごいうまい。
それより物語と拷問の描写が少し軽く、微妙に闇の深さが足りない感じなんですよね。ここら辺は実写的に難しいのでしょうか。
でも隠すことによって感じる恐ろしさな要素はうまいと思いました。
今回の試写では朝食会に攫われたところまでという、すっごい気になるところで終了。
これは続きがぜひ観たい絶妙なところで切りましたね。
機会があれば是非続きが観たいものです。いや面白かった。
圧倒的復讐劇
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