「どっちもどっちという気がするものの。」#彼女が死んだ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
どっちもどっちという気がするものの。
今年17本目(合計1,559本目/今月(2025年1月度)17本目)。
よくあるSNSのインフルエンサーの炎上がどうこうというお話…と思いきや、どっちもどっちといった感じですね…。
不動産公認仲介士(日本では宅建にあたる。この点後述)の主人公の趣味というか性癖というかも変で、そんな変なことに首突っ込まなきゃ巻き込まれないのに…と思いきや、犯人も犯人でまた取る行動がヘンテコだし、そんなヘンテコな展開か…と思いきや、また別の展開が…と二転三転程度はする映画なので、粘り強く観ないと最後までの答え合わせにたどり着かないタイプの作品です。
よくあるインフルエンサーの炎上問題を描いているように見えますが、そのことに対する問題提起はなし(「動物は傷つけていません」は出るが、目立ってそういったシーンってありましたっけ?)。まぁ、itに関しては日本より発達している韓国ではありそうなストーリーであり、一方で落ち度のある主人公(勝手に部屋の中に入ったりはさすがにまずいか)についてもフェアに描写している点などは良かったところです。
どうしても展開上、ここがああだの等言い始めるとネタバレどころの話ではないので、このあたりにしておきましょう。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしています。
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(減点なし/参考/韓国の「不動産公認仲介士」について)
日本では宅建におよそ相当する資格で、試験科目が韓国民法、韓国不動産登記法となっている点等も似ますが、韓国では2次試験(論文)が科される点が大きく違います。また、不動産登記に関しては日本では177条で「当事者では有効だが第三者に対抗するには登記しろ」であるのに対し(フランス型)、韓国民法186条は「当事者でも登記しないと不動産の物権変動は効力なし」(ドイツ型)という点が大きく違います。これに伴って不動産登記法も大きく違います。
韓国ではいわゆる通貨危機(日本では、いわゆる就職氷河期時代とも重なる)があった事情もあり、韓国の修能試験(韓国における、大学に入るための一時共通試験。日本でいうと共通テストや旧センター試験にあたる)になぞらえて、そうした通貨危機(日本の就職氷河期時代にあたる)で正規職につけなかった方が「第二の(大人の)修能試験」としてこの試験を受けることが人気になっていて、日本よりも(人口比率を考えると)受験者数の多い人気資格の一つです(日本の宅建同様、科目も少ないこともあって人気の資格。ただし論文が科されるなど日本ほど気軽に受けられる資格ではない。また、日本ではある程度韓国語の読み取り書き取りができても(例えば、ハングル能力検定や、TOPIK等である程度韓国語の能力が担保されていても)、不動産登記法や不動産の物権変動のルールそのものが違うので(日本民法177条vs韓国民法186条)、ある程度の資格持ちが韓国語をマスターしてちょこっと学習してみようかというと案外返り討ちにあうんじゃないかなといったところです)。
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