おいしくて泣くときのレビュー・感想・評価
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「秒速5センチメートル」のアナザーヴァージョンか?
父親が飲食店を営んでいた家の長男は高校生で父子家庭。
父親は「子ども食堂」を実施しており、貧しい子供たちに無料で食事を提供していた。
そんな彼の実家の店に長男の通う高校の同級生だった女の子が弟を連れて通っていた。
彼女は親のネグレクトで虐待に近い扱いを受けていたのだ。
更に学校でもお互いに家庭環境からクラスメイト達に嫌がらせを受けていて孤立していた。
やがてそんな二人は互いに惹かれ合うようになっていくのだが・・・・・・。
散々「学校内でのイジメの描写」を出しながら、それが二人が大人になった際に何の後日談も描かれていないから、
長い間描写した割に、それはそのまま尻切れトンボ・放置状態ですか?という感じで戸惑うこと必至。
「イジメ」が後日で何の帰結もしていないのである。
更にヒロインは記憶喪失になってしまうのだが、数十年も行方が不明なんてことあるだろうか???
直前に主人公に手紙を出していたのだから、居住地は判るだろうし手掛かりが不明なんてこと有り得ないだろう。
探し出せない主人公たちの失態ばかりが目についた。
焼きうどん食べたい
焼きうどん美味しそうだった。記憶ってやっぱ消えてもきっかけさえあれば戻ることあるよね。お母さんってことは、結婚して幸せになってたんだね。よかったね。お店の事故がなければもう一度出会うことがなかったと思うから、やはり運命ってのはあるんだろうね
思い出の味が繋いだプルースト効果
長尾謙杜さんも當真あみさんもお芝居がお上手なのに中盤に差しかかってもなんだか内容がグダグダしてしまっていて夕花の辛さや痛みが伝わりづらいなと感じました。
心也が大切な栞を渡したこと自体は物語のラストの重要な鍵となるため必要ですが、若い二人が現実から逃げた先の雨の中のシーンや四つ葉のクローバーのシーンなど、諦めるまでの心情の描き方に違和感を感じたり、無理くり感は否めませんでした。
ほんとのほんとの最後、記憶をなくしたまま成長した夕花が、娘の願いにより心也のお店に足を運び、味覚や嗅覚記憶によるプルースト効果によって記憶を取り戻したシーンはグッとくるものがありました。
そしてこの二人が恋人や夫婦として共になる未来ではなく、別々の道を歩み、心也は父の志と店を継ぎ、夕花は建築士になる夢とバルコニーのある大きな家に住む夢を叶えた結末が良かったです。
若いお二人のお芝居の上手さと裏腹に台詞や描写のグダりでほぼ最後のシーンまで感動を削ぎ落としてしまったような部分は勿体なさを感じましたが、Uruさんの主題歌も相まってラストは「おいしくて泣くとき」が何を意味するか理解し観終えることができたので◎
こどもごはん
風間心也は怪我でサッカー部を休部中。こども食堂も営む父、母親を幼い頃亡くすが明るいタイプ。新井夕花は中学でテニス部を辞め、無所属だったが、弟をこども食堂に連れ通っている。ともに15歳。まだ子ども食堂が定着していない90年代に普通の定食をやりながら“こどもごはん”を併営するかざま食堂。世間からは「偽善者」だと罵る者も・・・そしてその子どもたちにもイジメの魔の手が・・・
「バター醤油焼きうどん」が一番のおすすめ。学級新聞コンクールにこの食堂を載せることが出来てたらなぁ。さすがに高校1年だから、バブル崩壊と格差社会、その時代から目立ってきた児童虐待については書けないか。
30年の時を超え、それぞれの人生を歩んできた心也と夕花。最後には見つかるんだろうとベタな展開はとても好き。やはり日本人なんだろうなぁ。ただ、まさか高校時代以前の記憶を無くしたまま45歳になっていたのだけは驚き。もう一つの驚きは暴力的な継父が夕花を見つけたとき、義弟の耕太もどこかへ逃げていたことか・・・一体どこへ?
當真あみが左利きなのは知っていた。なんせドラマ『ちはやふる-めぐり-』ではサウスポーを活かした戦略を立ててたもん。まぁ、あれは原菜乃華に主役の座を奪われてた感があったけど。それが大人になった夕花(尾野真千子)が右利きに・・・記憶喪失はそこまで酷かったのか。
欲を言えば、不良だったけど心の優しい石村くんのエピソードがもう一つくらいあれば良かったという点。そしてカフェミナミで働くゆり子さんの正体。ネットで調べてみると、原作では彼女の視点で書かれているパートがあるそうなので、彼女が夕花なのではないかと想像させたりするけど、実は心也のパートナーらしい。しかも、建築家は夕花本人だったとか・・・う~む、どっちでもいいけど、2人が結ばれることはないのね・・・
バター醤油焼きうどん
主人公、若いころの記憶を亡くした夕花が、おいしくて泣いたのは昔、よく食べていた子供食堂のバター醤油焼きうどんでした。
幼いころに母を亡くした子供食堂の息子、心也、どういう訳か学校の不良どもに子供食堂を偽善者扱いされ、いじめられます。今だったら、こども食堂は松重豊さんの公共CMで有名なので高評価でしょう。
同級生の夕花も継父にDVを受け悲惨な暮らし、心也と夕花は互いに慰め合い心惹かれてゆきますが夕花が消息不明、一度は手紙が来たものの音信不通になって30年、心也が後を継いだ、こども食堂に夕花が登場・・。とんでもない悲恋を描いた青春物語でした。それにしても不良どもやDVの継父は糞ですね、警察に逮捕されたのかしら、疑問と怒りだけが残り、同情はするものの後味は今一、微妙でした・・。
當真あみのよさ!
純粋に人を好きになった気持ちって、本当に尊いものだなと、思い出しました。心の奥底にしまってあった大切なものを、そっと引き出してくれたような、そんな映画だったと思います。
當真あみ、透明感がすごくて演技もいいし、心つかまれました。長尾さんもよかった。泣く演技では正直、差が見えてしまったかな。
篠原ゆき子が誰役なのかな?と思いました。夕花のことを知っている風だから、終盤あたりで説明があるものと思っていたけど…
とはいえ、森沢マジックで大いに泣かされました!キャストが好きな俳優ばかりでした。
非常に大切な題材を描いていると思われながら‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっていたので短く)
映画の内容は非常に大切な題材を扱っているとは思われました。
そして、主人公・風間心也(長尾謙杜さん)と新井夕花(當真あみさん)の人物造形と、それぞれを演じた長尾謙杜さんと當真あみさんの演技の瑞々しさは、観るべき点も多かったと思われます。
また風間心也の父・風間耕平を演じた安田顕さんも相変わらずの素晴らしさがあったと思われます。
しかしながら、例えば石村(水沢林太郎さん)をいじめるいじめ生徒の描き方がステレオタイプで深みを感じさなかったりと、主人公・風間心也に近い人物以外の描写が、主人公・風間心也に近い人物を引き立たせるための背景にしかなっていないのが気になりました。
極みつけが、終盤で、主人公・風間心也と新井夕花とが、新井夕花の義理の父(池田良)の暴力から逃れるために街から逃避行するのですが、最後に新井夕花が警察に連絡して警察がやって来た時の描写です。
通常であれば犯罪を犯したりしていない限り、警察が2人の未成年を保護した時に、風間心也と新井夕花とを同時に保護して警察署に来てもらって事情を聞くことになるはずです。
そうではなく、主人公・風間心也が誘拐的に新井夕花を連れ去ったと警察が犯罪性を疑ったのであれば、連行されるのは主人公・風間心也の方だったはずです。
しかし、この時は、なぜだか新井夕花だけが警察に連行され、主人公・風間心也は画面に背中を向けた刑事2人に押さえつけられ引きはがされていました。
(刑事事件でもないのになぜ刑事?)
この場面も、主人公・風間心也に近い主要な登場人物を盛り上げる為に、ステレオタイプ的な警察連行イメージを使っていたと残念に思われました。
映画描写としては、主要な人物を深く描くためにも、周囲の人間はそれ以上に深く描かないとダメだと思われる、典型的な描写だと、僭越思われました。
四葉のクローバーの主人公の母・風間南(美村里江さん)に関する感動的な場面など、そこかしこに良さもあっただけに、もったいない映画になっていると僭越思われ、今回の点数となりました。
ただ一方で、長尾謙杜さん當真あみさん安田顕さん美村里江さんなどをはじめとして、心動かされる俳優陣の演技には素晴らしさもあったとは思われました。
思い出の鍵
縁のある食堂で男女の幼馴染が
再び巡りあう話でした
食堂は、
こども食堂をやっていて
近所の事情のある子が
やってくる
その食堂の主人は主人公の親父で
主人公への接し方もすごくいい
父親としては最高かな
幼馴染の夕花との
エピソードは切なくて。
だけど
今の嫁さんではないところがいい
あくまでも、思い出。
なのに、どこかで
引き寄せられる二人。
森沢明夫原作ときて
安田けい、尾野真千子、安藤玉恵
ときたので、、
どんな評価でも
絶対見てましたけど
よい作品で良かった。
恩返しの物語って
好きなんです。
現実にはなかなか、
実現できないことも多いけど、
だれもが幼いときに世話になった人は
必ずいる
場面や人はそれぞれだけど
そんな人に重なって
感情移入してしまいます。
あの時、あの人がいなければ
今の自分はいなかった
引き出しの鍵は
味、音楽、景色それぞれだけど
開いた先の光景を思い出せば
その思いが
大きければ大きいほど、
涙は止まらないですね
尾野真千子さんが
バター醤油焼きうどんを食べたとき
視聴者で自分の引き出しの鍵を
あけた人は、
涙が止まらなかったと
思います。
おすすめ
記憶喪失発覚で題名回収という感じ
時間の都合がついたので観に行ってみましたが、結果として、物語としてはちょっと不満に思いました。
映画としても、見せ場でのスローモーションの多用は、物語の良い流れに水を差していると感じています。
安田顕さんの演技は良かったです。
主役の長尾謙杜さんは、もう少し頑張って欲しいところ。
クライマックスは、取って付けたような記憶喪失発覚で題名回収という感じで、ちょっと辻褄が合わないところを強制終了、みたいに思います。
監督のクセと雑なところが目立った映画
評価が高かったので、期待して観に行きました。
が…
オープニングから「え?」があって、心配になりました。
その心配は、的中しました。
まず、冒頭のシーンで車が店に突っ込むシーンがあるのですが、事故後の車がひっくり返っていました。
いやいや、そんな突っ込みかたしてなかったでしょ!と言いたくなりました。
そして、入口近くにいた客は?
あと、突っ込まれた衝撃での本の散らかり方が不自然…
学校のシーンでは、いじめに遭って机を油性マジックで落書きされるシーンがあります。
それを消すために、先生にシンナーを借りに行きますが、きちんとした理由がないかぎり、先生はシンナーを貸すことはありません。
仮に「落書きを消したいから」と言ったからといって貸すこともありません。
状況がはっきりわかって、「それなら」となったら貸すかもしれませんが、そうなるといじめが発覚します。
いじめ、先生に知られていませんでしたから、そのまま貸したのでしょう。
時代背景を考えてもあり得ないです。
他にも、「このカットはいらないでしょ」と素人でも思うシーンが多々あったり、夕花の母や夕花の虐待を目撃して止めに入った友達の扱いが雑だったり…
いたるところに「これを入れておけばドラマチックになるだろ」と安易に入れたシーンやセリフ。
そして、最後の最後で泣かせるシーンのところにも雑なところがあって、まったく泣けませんでした。
本編の中学生時代が描かれている夕花は左利きなのに、最後大人になった夕花が焼きうどんを食べるシーンでは右利き。
記憶がなくなったら、利き手も変わるの?
モヤモヤした気持ちで、「監督の自己満足、承認欲求の強さが見られる映画だったな」と思ってエンドロールを観ていたら、やっぱりそうでした。
エンドロールの最後、監督の名前が流れずに中央にストップ。
最後の最後まで、監督が主役の映画で残念きわまりなかったです。
食べ物は一生記憶に残るのさ。Part 2
よくばりにいろんな問題をサラリと散りばめていたけど、雨に流してもらってさっぱりしたね。
そらぁフツーに探しても見つからないわな。
ラストの演出はベタベタやけど⋯⋯大好物やね。好きだな。あーゆーの。
たまにはこういう甘酸っぱい青春ものも癒されます。
とりあえずは続編で工務店は娘には任せて旦那と即離婚してディーン様と食堂の女将さんとしてやり直そうとするもドロッドロの財産分与でモメて爽やかさも何もない汚い争いを描いた作品で。
約束の重さ
人と約束できない心也(長尾謙杜)。その背景にある過去を知れば、約束が故意でなくとも裏切られた時の失望や悲しみを相手に与えたくないからなのだと、彼の負った傷や人を想う気持ちの優しさが伝わってくる。
そんな彼が本当に大事な四葉のクローバーを手渡し、約束する時の決意。涙なしには見れません。
彼は守れないかも知れない約束をしたことを悔いていたけど、その約束(彼のその気持ち)が、夕花(富真あみ)を、記憶を失った後も支え続けていたことは間違いない。
単なる青春ムービーでなく、虐待や格差が生み出すいじめ、それを助けようとするものまで不当な扱いを受ける世界も描いていて、その中で懸命に生きようとする夕花と、守ろうとする心也が愛おしかった。
おいしくて泣くとき、タイトルが心に沁みました。
一方、警察に保護を求めて去る夕花から心也を引き離そうとする警察は意味不明だし、警察に保護されて別の生活を始めたであろう夕花が、記憶喪失になったことで身元がわからなくなるというのは無理がありすぎるし、その状態で心也と夕花の関係がわからないのに、夕花の娘がMINAMIの工事を無料で引き受けに来るのはおかしいしと、無理矢理ストーリー展開させるところが???だったのでマイナス1です。
近くになにわ男子ファンがいるので、長尾謙杜の演技には注目してましたが、ピュアで真っ直ぐな少年を好演。もう22才だけど高校1年生違和感ない!あみちゃんも海を背にしたキラキラ笑顔が素敵でした。
蛇足ですが、非常に爽やかエンディングにも拘らず、あの感動展開で、成長した心也が、おディーン様では、不倫に発展しそう…と余計な心配。
若い主役の二人は頑張っているのに‥
今年一番の「こりゃダメだ~」でした。途中で出たくなったぐらい。
原作とはかなり違うらしいけど、脚本がまずダメですね。
腑に落ちない描写がところどころにある。
これじゃあ役者も大変だ~と思う。こんなんで、演技で泣けったって泣けないよな~と思える。でも役者たちは、頑張って涙を流していたけど。
演出もなんだかな~。設定がおかしいから、脇役の皆さんが無理している感じ。
刑事さんなんか、ほぼ硬直している‥。何これ?っていうシーンがある。
ディーン・フジオカや尾野真千子、安田顕などいい役者が重要な役をやっているけど、演技のしようがなかったのではと思う。
若い主役の二人も頑張っているのに‥。残念。
こうなってくれたらいいな
話の先は大体読めるのだが度々ある過去と現在の切り替わる構成が良いので退屈するということは無かった。
分かりやすいシンプルな話は好きなのでちょっと高めの評価です。
視聴後の感じが良い感じです。皆さんお幸せに。
久しぶりに子供食堂に食べ物を持って行こうかね。
たくさん泣きました
とても暖かい気持ちになれる映画でした。最後の方ですでにめちゃくちゃ泣いていたのですが最後の学生時代の2人の会話で止まらなくなってしまいました。一番欲しかった言葉を最後に聞けてお腹いっぱいです。
味は記憶の覚醒
泣きました。ラスト、涙が溢れました。DV、子供や女性に対する暴力の酷さ、映画とは言え身が震えました。ヒロインの芯の強さ、凄いです。ACJAPANの一番好きな(子供食堂)、この作品観て改めて意義感じました。善意で有ろうと偽善で有ろうと、その行為で人が恩恵に預かってれば良いと思います。弟さん、気になりますが。
気がついたら泣いてた
どこかへ消える。記憶無くなる。
よくある設定だし、説明も足りないところもある。それが気にならないほどテンポ良い。先が読める展開で、来るぞ来るぞと分かってはいるけど涙がぼろぼろこぼれてしまった。ここまで泣かされちゃうと星も5になるよ!
メインも脇役も全て良かったです。それぞれの役目を全うした感じする。
涙活できました。ありがとう。
涙腺崩壊?良い映画なんだけど哀しい・・・
「片思い世界」に引き続いての鑑賞だったんですが・・・
ホノボノ、ホンワカとした世界観の後で、この作品は辛すぎる。突き付けられる現実の、悲惨な展開に打ちのめされました。
悲しい話だろうなってのは、予想してたんですが、長尾さん、當真さん、若い二人の淡い初恋を思わせる爽やかさに惹き込まれれば惹き込まれるほど、哀しい現実にドップリと落ち込んだ次第です。
【ネタバレ】
心無い大人に踏みにじられる子供たちの純粋にイライラしっぱなし。
人の善意を偽善と言い切る若者(バカ者)たちの思い上がりに、ますますイライラ。例え、偽善であったとしても、何もしないよりは良いだろう。ましてや、それを非難すること自体が最低の行為だと気付けや!
當真さんにすっかり魅せられました。華とは、また違うような存在感の大きさを感じました。
長尾さんも良かったです。まさか「室町無頼」の彼だとは・・・全然気付かなかった。
この二人が、ホンっと素晴らしい。恋愛とも言い切れない、まさに淡い初恋。若者特有の純粋な想いに、こころ洗われた気分です。
だから、尚更、この二人に訪れた出来事にドップリと落ち込んじゃいました。
30年前の突然の失踪、これからが希望に満ちた矢先の記憶喪失・・・
その後の努力で幸せを掴むことができたのかもしれない。夢を叶えたのかもしれない。
でも、もしあそこで記憶を無くしていなければ、初恋の相手との別の幸せがあったのかもしれない・・・
それを考えちゃいました。
記憶を取り戻した涙の中で、淡い初恋の想いの中で、一見ハッピーエンドに思える最後だったんですが・・・自分には、別の未来があったのかもしれないと、悔やまれる想いで哀しくなりました。
良い映画だと思うけど、切なすぎる。
Uruさんの歌も良かったです。
余談ですが、無性にバター醤油焼きうどん食べたくなります。
ピュアな感性だけでできているから心に響く
心也と夕花を取り巻く環境を濾過して、この世の醜い感情や非現実性を取り除き、残ったピュアな感性だけで作り上げた。そんな作品だと思います。
だから、取り除かれた部分についての説明描写はかなりカットされ、説明不足な点もかなりある。例えば、夕花の家族構成についての背景説明も最小限だったし、かざま食堂の子ども食堂がなぜ偽善と思われているか(心無い悪質な噂などを言ってる大人たちがいなければ、15歳のクラスであんなことは起こらない)も映画の中では語られない。転居後の夕花が誰のどのような好意に支えられ、現在の家族を得るに至ったのか、についても、娘の説明だけでは不十分で、冷静に考えたら、いくらなんでもそれは…というところが結構あるのです。
それなのに、なぜか素直に泣かされてしまう。
貧困や虐待だけでなく、頻発する自然災害や痛ましい事件・事故などの報に接するたびに無力感に苛まれている人はたくさんいるはずなのに、「善意」の振る舞い方は意外と難しい。
単発の寄付やボランティア参加等、それなりの方法はあるけれど、困難な状況に置かれている人たちにとっての居場所が提供できるのならそれはなにものにも替えがたい救いでもある。
この作品はそんな善意の在り方を素朴に示してくれるから、直接心に響いてくるのだと思います。
全82件中、1~20件目を表示










