「考えさせられた」ドライブ・イン・マンハッタン うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
考えさせられた
舞台劇のような展開がやや長く、いや、ほとんどが会話で占められたシンプルな構成は退屈だと感じる人が多いのではないか。
実際、このふたりじゃなかったら、見ていられなかったかも知れない。
例えばもっとイケメンでバリバリに色気を放つジェイソン・ステイサムとか
セリフに重みがありすぎるデンゼル・ワシントンとか、(悪くないかも)あ、でもこの映画の裏設定らしき(実は親子なんじゃないか?と、観客に想像させる)匂わせが効かなくなるか。
ダコタも、美人なんだけど完璧じゃない部分がうまくマッチしている。
卑猥なメールに対してごく自然に振る舞って見えるダコタのリアクション。
あれは、実際に会話の中に挟まれていったのだろうか。
舞台だったら、ものすごくタイミングが難しいだろう。
何より大切なのは、運転手と客であるこのふたりのケミストリー。すごく自然に会話が進んでいく。それが無かったら映画が成立しない。
幼少期にふらっと出て行ったと思っていた父親が不意に目の前に現れたら?
小さいときに別れた子供が大人になって不意に目の前に現れたら?
そんな偶然のマッチングを空港のタクシーが実現したらどうだろう。
でもすべては幻想で、自分が思っていた人は、きっとこの人じゃない。
今は、せめてそんな気にさせて欲しい。
いろいろ考えさせられた。
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