「酷い支援者もいるけれど、別の手掛かりもあったのではないか」爽子の衝動 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
酷い支援者もいるけれど、別の手掛かりもあったのではないか
クリックして本文を読む
生活保護の申請者に対しては、どんなに怠惰そうな様子に感じられても、相談は真摯に受けないといけないだろうし、ましてや弱味に漬け込むことは到底許されない。映画『渇水』やテレビドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』に出てくるようなケースワーカーばかりではないということは確かにあるのだろう。父親との関係を嫌がる娘も、口が利けない新任ヘルパーも、『芋虫』の傷痍軍人と同様に、性欲を可能な範囲で解消してあげようとしていたが、おむつでも可能なのではないとも思った。あるいは、放っておくと、自分で外してしまうのだろうか。医療監修はクレジットされていた。障がい福祉の窓口に行くように助言を受けていたが、療養介護施設入所の選択肢もあったのではないかとも思う。前任ヘルパーと父親との関係性は良好であったようだが、新任ヘルパーにとっては、娘よりは心技ともによりましだったかもしれないほどで、口が利けないという設定の意味が、やはり今一つわからない。前任ヘルパーが、娘の状態にももう少し支援の手を広げるようなケースカンファレンスを行うべきではなかったのだろうか。『岬の兄妹』よりは考慮の余地があるかもしれない。
コメントする
