劇場公開日 2025年9月12日

「【今作は沖縄の豆腐屋生まれの契約社員の娘が、沖縄産の材料のみを使用したラム酒を作る物語であり、その過程で人として成長する様を描いた、善人のみ出演する気持ち良き作品である。】」風のマジム NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【今作は沖縄の豆腐屋生まれの契約社員の娘が、沖縄産の材料のみを使用したラム酒を作る物語であり、その過程で人として成長する様を描いた、善人のみ出演する気持ち良き作品である。】

2025年9月13日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

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■今作を鑑賞して、今更ながらにモノ作りをする者に必要な資質を考えさせられたので記す。特に無類の酒好きの男として。

 1.真面目に、愚直に、自分が信じるモノを具現化する努力を怠らない。そこには、契約社員、正社員という雇用契約などは関係ない。

 2.常に明るく人に接するコミュニケーション能力の高さ。それが、窮地に立った時に救ってくれる事は多い。

 3.自分が信じるモノが、世の人を喜ばすものになるという、固い信念を持つ事。

 4.利益は勿論大切だが、その利益とは狭義的な”自社のみの利益”ではなく、広義の”地域にも利益還元する仕組み”を視野に入れている事。

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<Caution!下記内容に触れているので、鑑賞後に読んでね!>

・今作が、心に響いたのは上記を無自覚のうちに実践していくまじむ(伊藤沙莉)の姿である。
 彼女は、序盤では契約社員である事を気にし、社内でも書類シュレッダー、御菓子購入などをさせられているが、行きつけのバーで店主(染谷将太)から笑顔で一杯のラム酒を勧められ、美味さに驚くも、”黒糖””シークワーサー”は沖縄産だが、サトウキビのみが外国産と知り、南大東島のサトウキビを使用したラム酒を作ることを決意し、社内ベンチャーコンクールにダメもとで応募するのである。

・その過程で、まじむは、契約社員という引け目を取り払い、必要な時は南大東島に自ら足を運び、醸造家(滝藤賢一)の心を掴み、最初は反対していた島民たちに、島にラム酒醸造工場が出来れば、島外に出て行く若者達の雇用先が産まれると説くのである。
 そして、彼女は新しい会社を興し、社長(と言っても、社員二人だけど。)として、生き生きと働くのである。

■今作の主要キャスト、母を演じた富田靖子、祖母を演じた高畑淳子を始め、染谷将太、滝藤賢一(特に良かった)等、邦画一流の演技陣の優しく確かな演技がこの映画を支えているのは間違いない。
 シシド・カフカさんは最初、チョイ、オッカナカッタけれど、彼女も最後は笑顔を浮かべるしね。

<今作は、沖縄の豆腐屋生まれの契約社員の娘が、沖縄産の材料のみを使用したラム酒を作る物語であり、その過程で人として成長する様を描いた、善人のみ出演する気持ち良き作品なのである。
 そして、完成したホワイトラム”風のまじむ”は絶対に美味いはずだと思った大酒飲みのNOBUなのであった。>

NOBU
あんちゃんさんのコメント
2025年9月16日

ネットで買えます。島まで行かなくてもね。

あんちゃん
Bacchusさんのコメント
2025年9月13日

モデルになっているのはコルコルというラムの緑色のラベルのヤツなので是非!

Bacchus