「アクションの必然性がやや弱く」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング REXさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションの必然性がやや弱く
見届けてきました、mission impossible。
前作はpart1なのにこちらはpart2ではなく、ファイナル デコニング。間にハリウッドのストライキが挟まった関係もあり、やや雑な脚本の印象。
何度もインサートされるガブリエルとの過去。この作品で二人の確執の謎が明かされるかと思いきや、それもなし。
最後の大立ち回りも、ガブリエルとしてもイーサンの持つデバイスが必要なのに、イーサンを墜落させたとして、あんなジャングルに落下して後でどう回収するつもりだったのだろうか。互いに必要な物を持つもの同士、真正面から対峙して決着つけるのがスマートだったのでは。アクションを見せたいがためのアクションになってしまっていた感がある。
とはいえ、AIに各国の核のボタンを握られてしまうという話はスリリングで、そのAIを間接的に生み出したアメリカは、AIに攻撃される前に、各国の核施設を攻撃するか選択を迫られる。70億人を守るために1億人を犠牲にするかどうか…。
この辺が今の世界情勢を反映して、笑い事じゃありませんでした。大統領がいい。この人の立場だからできた決断だという説得力がある。
キリッジや、ダンロ―など、一作目のキャストが再登場し、シリーズとしての繋がりを感じてニヤリとするし、フレッシュな仲間が加わり、イーサンの次の活躍が下支えされていくだろうという期待感もある。
エンティティの入ったデバイスをグレースが開ける仕草は、まるで婚約指輪の儀式のよう。そう、イーサンはミッションと結婚するのだ。たとえ映画が今後作られなくなるとしても、彼は世界のどこかで戦い、世界の市民を守ってくれているだろう。この余韻は、他のスパイ映画からはあまり得られないのではないだろうか。
そして彼からは、人類に必要なのは他人を信じるための耐える力、というメッセージを受け取りました。
ありがとうイーサン。
いや、また続編作ってもいいんだよ!?