「最終作にして最高の残念作」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング Takさんの映画レビュー(感想・評価)
最終作にして最高の残念作
とても大好きなシリーズで期待が大きかっただけに残念。厳しく評価しました。
〈理由〉
・ストーリー、雰囲気が全体的に重い
世界を救うのは良いが、国として一人に任せきりで、明るさがひとつもなく、ベンジーとのやり取りで息抜きになるようなシーンも皆無。上映時間と相まって今までのM:Iとは違う雰囲気になってしまった。
・スパイ映画ではなく、ただアクションを見せつける映画になってしまった。
プロデューサーのトムがやりたいアクションを詰め込んだ独りよがりのアクション映画という印象です。マッカリー監督によるM:Iでは、先ずトムがやりたいアクションを伝え、後からストーリーを考えるスタイルで、撮影開始時にはまだ全体のストーリーが決まってない、と記事で読んだことがあります。今回はそれが裏目に出たというか、誰もトムに意見を言えなかったのかなぁとさえ思えた。スパイ要素一つもないスパイ映画ってあり得ないし、今までのM:Iシリーズで異質。
アクションでハラハラだけではなくストーリーでもハラハラさせて欲しかった。
・雑な演出
テーマ曲が始まる直前の展開にも、これから始まるゾ、という昂揚感が感じられなかった。
いきなり飛行機から海に飛び込むシーン。何故そうするのか唐突過ぎて、考えた上での行動ではなくたまたま拾ってもらえて助かった所に、展開に引き込まれることがなく興醒めした。以降もその様な展開が続き、面白ければ上映時間も気にならないが、残念なモヤモヤを感じながら観る事になった(前半眠気も)。
潜水艦からの海パンでの脱出。普通なら助からない事は明白なので、どうやって助かるのかハラハラさせた上で「そうか!」と思える展開を期待してたので、あっさり助けてもらい、その後イチャつくシーンは昔の007かと思える余計なシーン。
最後の空中戦後の脱出シーン。パラシュートは無かった様に思えたがなんで助かったの?それも見せずに助かった結果だけ見せられても…雑な演出・ストーリーに不満が残ります。
ルーサーを死なせるなら、これまでの仲間だったブラント(ジェレミー・レナー)を声だけでもいいのでリモートでチームをサポートしてるような演出を最後なら欲しかった(ジェレミー・レナーが事故から回復し、また出演したいとインタビューで言っていただけに)。
ファンの多かったイルサも、実は生きているということを期待していたが、しっかり回想シーンがあっても良かった。
前作で思わせ振りな、イーサンの過去に何があり、何故IMFに入ったのか、また前作からの敵役との関係は何だったのか、この上映時間なのに遂に明かされずに終わる所にモヤモヤが。前作もタイトルにパート1とつけながら、タイトルを変えて、今回はパート2としない事になったなど、場当たり的な対応が悪い意味で演出やストーリーに出てしまったのがシリーズファンとして本当に残念。
体を張った一流のアクション(流石にトムの年齢から観るにはもう限界か)に対して、上映時間に対してテンポが悪く、雑で残念な演出が目に付く映画となってしまいました。
テンポの良さ、雰囲気の明るさ、スパイ映画としての面白さ、ストーリー展開とアクションのバランスとしては、個人的にはゴースト・プロトコルが一番良かったと思っていて、今回はどれも劣っていたと思います。
これがファイナルとなるのは残念。
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