異端者の家のレビュー・感想・評価
全76件中、41~60件目を表示
家に着く前から
良かった。
予想していた迷宮脱出ではなかったがこの感じもなかなか良かった。
まずヒュー・グラントもそうだが女優2人もめちゃくちゃ顔がいい。ああやっぱり女優は美人だわと思った。
ということ以上に脚本が結構よくできていたように思う。
リードおじさんがモノポリーで宗教を表現する演出は面白かった。
モノポリーを調べたら本当に原型になるエリザベス・マギーの地主ゲームが出てきた。
まあ作中でもツッコミがあったように地主ゲーム、モノポリー、モノポリー別バージョンがユダヤ教、キリスト教、イスラム教というのはだいぶ大雑把過ぎではある。けれどもなるほど感はあった。うわ、自分支配されちまうわ。
ショートのバーンズの方が抗っていて一見強そうに見えるが、であるがゆえに退場が思いの外早かった。
ロングのパクストンの方が流されやすい雰囲気を醸し出しつつバーンズ死後は戦う決意をするのは成長物語感があって良かったと思う。
序盤に写真撮る女の子達に騙されてマジックパンツさらされたのすら後半の伏線になっていた。
バーンズを刺す合言葉をマジックパンツにしている。
マジックパンツの合図でバーンズが刺すかと思いきや逆に刃物を隠し持っていたリードに刺される、という悲しい展開になるも。
終盤でリードが調子こいて「お前は周りから言うなりだ。例えば下着のマジックパンツですら!」みたいな発言をしたらパクストンがキーでリードをブッ刺すという綺麗な伏線回収。
ここら辺の脚本は本当にうまかったと思う。
思えば冒頭で自転車を持ち上げて階段を上がっていたのも「リードの家が普通では行きにくい高い場所にある」という伏線になっていたんだな。
家に入った最初の方で窓に蝶がとまる演出があり、中盤で胡蝶の夢の話が出て、ラストに脱出したパクストンの元に蝶がくる。これは死んだバーンズの生まれ変わりなのではと思わせてエンドロールに入る回収の綺麗さ。
毒入りパイを食べ死んだ女が生き返る奇跡を見せたかったリードおじさん。しかしそれは死体隠し入れ替わりトリックだと見破られた。
にも関わらず、終盤にパクストンが刺されて大ピンチ!なところを死んだはずのバーンズが立ち上がってリードにとどめの一撃をくらわす!という「死んだ人間が生き返る」奇跡展開をわざとやる対比のうまさ。しかもとどめの釘ついた板は前半でバーンズが柱にさりげなく立てかけていたモノの伏線回収でもある。
この映画はこういった伏線回収がとても綺麗。
「これ2人がかりなら結構前半で脱出できたんじゃない?なんなら他にも逃げるチャンスは割とあったような」感もあるはあるが、それを補う脚本と演出のうまさがある。
宗教は支配だ、と終盤でマイナスな雰囲気を示しつつも、でも相手のことを想って祈るのは美しいよね、というプラスの感情も忘れない。
どっちの扉選んだところで結局出れねえじゃねえかというリードの小狡さ含め。
とにかく本作はよくできた少人数サイコサスペンスの家になっている。
面白いのもわかる。面白くないのもわかる。
鑑賞した後、タイトルにある「異端者」の意味をしばらく考えていた。ヒュー・グラント演じる悪役が「宗教的な異端者」という意味ではなく、「思想的な異端者(危険思想者)」という意味だったのかと思う。原題の「HERETIC」も異端者って意味だし。
序盤は主人公二人と宗教論争をしていたり宗教的な問いかけを続けているから、この悪役も何かの派閥に属しているのかと思いきや、突き詰めると(宗教ではなく)危険思想にのめり込んでいる人物だった。
モルモン教の事は詳しくないですが、アメリカ国内でも「変わった教義を持つマイナーな分派」くらいのイメージ。つまり、彼らの論争部分の大半は理解しきれなかった。避妊インプラントを摘出するシーンも「わからんが、たぶん婚前性交渉の否定との矛盾を指摘しているんだろうな?」と思った。多分、日本人の大半が理解できない。
ただ、そういう不明な部分はあっても観客を引っ張り込む力があるのも感じた。序盤はジリジリした違和感に始まって家の奥に進む度に違和感が恐怖に増幅していく流れは非常に良かった。この手映画だと犯人の正体が暴かれると途端に萎えるものが多いが、悪役の正体を暴いた後もしっかり仕掛けを残していた点はいい感じ。
よく喋るのに本心や思想の根幹を見事に隠している悪役、「舌戦の攻防が巧み」でありながら、(最終的には負けなければならないために)ある程度弱い、といういい塩梅が出来ていたと思う。「よく考えたらあのトリックを全部独りでやって、独りで〇〇の世話とかやってるんだよな……」と思うと中々の努力家だ。あと、主役二人を閉じ込めるための仕掛けを操作するシーン、音とスピード感が合ってて好き。
良い意味でも悪い意味でも「きちんと閉じこもっている映画」だった。例えば死んだと思われていたシスターが起き上がって悪役にトドメを刺すのも、予め「復活」というキーワードが出ていて伏線になっている。
主人公二人が外の人間に助けを求めている間は家の外のシーンもあったが、二人が外を意識せずに目の前の悪役に相対するようになるとそれも無くなる、というように観客の意識の向け方が上手かった。
個人的には良し悪しありつつの良作、という感じ。ただ、ホラーシーンがちょっと少ない気もする、もっとビックリさせるカットを入れても良かったのではなかろうか。
邪悪なカルト宗教に追い詰められた女子大学生。
キリスト教の布教活動をする二人の女子大学生。
カルト宗教と、神学論争。。。
最後に、脱出した場面で、蝶が手に止まり、飛んでいく。
いろいろな意味に取れる
良いラストシーンだった。
てふてふ🦋
子が出来てからは特に、クリスマスパ〜リ〜もハロウィンもやるし、大晦日の除夜の鐘は心に染みるし、神社へ行けばおみくじも買うし、賽銭箱に100円入れて、有りとあらゆる事をお願いしちゃう。
食材をダメにしてしまった時は"罰当たりな事してもーた"って反省するし、困った時には"神様助けて〜"って思ったりもするが、実際どの神様から罰を喰らうのかも、どの神様を頼っているのかも自分でも不明だ。
"神様ありがとう〜!"とは言うが、上手くいけば自分の手柄♪( ´θ`)
心から"神様のおかげだあーめん"なんて思った事ないカモ(°▽°)
特定の"神様"に寄せる思いもないし、そもそも信仰心ってモノがありません。
だからこ〜ゆう宗教、神様の教えみたいな事を主軸にした作品はほぼ理解出来ていない自覚があります。
だけど、自分にはない感覚だからなのか、宗教物は結構好き。
加えて、コワオジになっちゃったヒュー様見たさに鑑賞。
予告ではホラーなのかと思っていたので、チキンだから超不安だったけど、違う意味の怖さだったので、大丈夫でした。
内容は、宗教に関してはやっぱり劇ムズで、いっぱいハテナだったけど、宗教をモノポリーに例えるくだりや、"Creep"の例えがわかりやすかった。
Radio headの"Creep"も、The Holliesの"The Air That I Breathe"をパクっていると揉めてたし、そんでもって"Creep"も、Lana Del Reyにまるパクリされてて騒ぎになっていたのを知ってたから「反復」「オリジナルはうすれる」っての、おおおお!!だった。
(語彙力ゼロ(°▽°)
そして、モルモン教については、何十年前?!に、日本でも、ある人が入信していると話題になった時にはじめてその存在を知った。
お酒やカフェインの摂取、婚外の性交渉禁止はまだ分かるが、避妊!自慰行為・ポルノグラフィなども禁止されているらしくとても驚いた事を思い出した。
私には理解出来ない厳しい戒律が定められていたと記憶していて、そこもその通り触れられていて興味深かった。
(強い信仰心を持っているように見えたバーンズが避妊インプラントを埋め込んでいたのにはびっくりね。
初めて見たけどあんな棒で避妊効果があるのですか?!)
モルモン教の宣教師である、利発なシスターバーンズ(ソフィー・サッチャー)と、控えめシスターパクストン(クロエ・イースト)
この若き2人のシスターに信仰心を揺さぶる究極の選択を迫るMr.リード(ヒュー様)がオッカネェ(°▽°)
どう見ても異端者(サイコパス)であるリードが、宗教の本質を語るのが面白い。
説得力あったもん。
上記のモノポリーや反復の例えなんか納得しちゃった。
バーンズ退場から弱々しかったパクストンの変化も見所で、脱出ゲームとしてもハラハラ出来ました。
そして行方不明者の中には、こうして監禁されている人も多いのかもなとゾッとしました。
エンディングが「Knockin' on Heaven's Door」なのも深過ぎて唸った。
(だから大好きな曲なんだって!)
初めて聞くバージョンなんだが!!
この声誰やねん?!歌ってるの誰やねん?!って前のめりでエンドロール探したよね。
黒髪シスターのソフィー・サッチャーさんだった。驚いた!
そだそだ。
1番知りたかったリードの最期。
彼があの時どんな心境だったのかが、私には理解出来ませんでした(°▽°)
パクストンの言葉に探し求めていた答えを見つけ懺悔の気持ちになったのかなぁ??
「祈る事に効果はないけど、互いを想って祈る事は美しい」
この精神こそが、宗教の根源だと思うのですがね。。
宗教って支配なんですかネェ。。
宗教も信仰心も用法、容量を守って正しく使用して欲しいですね。
異端者の家に、異端者が伝導に
これが正解、モルモン教は、プロテスタント各派からそう見られているし。
それは、作品からもわかるはず。
聖書の奇跡は、その前からの他の宗教の教典でもみられていた。
だから、聖書は、その焼き直し。
あなたがもってきたモルモン書もおなじこと。
この説明を、モノポリーを使ったところは、なかなか。
となると、神は誰だ、本当にいるのか。
究極は、誰にもわからない絶対わからない。
死語の世界とて同じこと。
だけど、神はいると信仰を持って生きることが、楽だ。
ただ、悪魔崇拝やキリスト教異端はやめようね。
宗教という心理的支配
暴力も否定も圧力もかけずに、あたかも自分で選んだ道かのように静かに引きずり込まれていく話術。
最初から異変を感じつつも、人懐っこいイケおじのオープンマインドな笑顔とブルーベリーパイの香りになんとなく流されていくウブっ子のシスター2人。
玄関も開かず、電波も届かず、どんどん追い込まれていくけど冷静さを欠かさない黒髪シスター。
モルモン教を知らなかったから、会話劇部分はちと眠くなってしまったけど、途中からいい感じに危うくなってく。
勝ち気で冷静で頭が切れる…このままいける?ヒューグラントと頭脳対決するの?!と思いきや、黒髪シスターはサクッと喉を掻き切られ、二の腕をカッターで切り開かれて中を素手で弄られ、これ血管だわ、と間違えられながら避妊棒(あれで避妊できるの?初めて知ったよ)を掻き出すヒューグラント。うわって声が出ちゃった。でも、グロい演出というより、普通のことですわ、みたいなトーン。
金髪シスターを恐怖で支配するにはちょうどいいサイコパスっぷり。
ここから、金髪シスターのターン。
黒髪シスターを失って取り乱すかと思いきや、反論と挑戦…!って心を決めて、自分の意思で戦っていく。
頼れる人がいなくなると人って強くなるよね、の典型だけど、とてもいい。この極限の状態で諦めない心の強さよ。これが信仰心ってやつなのか。
でもヒューグラントは、信仰は支配だ、と。
自分で選んだつもりで知らぬまにそれに染められて従順に従う傀儡になってしまう、というのを実証実験し続けていたのかな。すんごいサイコパス味があのニコニコから漏れ出てて最高だった。
家の中の作りがあれ?ここ1Fで地下でそこ進むとあれ?なんか中地下?みたいな建造物の設計が気になったけど、なんか斜めを多用した家なんだろうな。
最後ヒューの首に刃物ぶっ刺したのに、よく生きてあんな動けたな、というのはドーパミンのせいってことで。
黒髪シスターちゃんも最後の最後で奇跡が起きてヒューを殺して金髪シスターちゃんを助けるというまさかのラスト。
金髪シスターもお腹刺されてるのに窓から逃げ出して森の中で蝶が手に止まる、ってのも黒髪ちゃんが「よくやったね」って言いに来たってことなのかな。
刺されたショックで幻影を見ていたのだと思うけど、信じるものは救われるもんね。
ヒュー・グラントの独壇場
結構面白かったです。
ただ自分の場合は、幼い頃から親に逆らって、キリスト教プロテスタント、ホーリネス系の単立教会に通い、小六で洗礼を受け、高3の頃には神学校を志望し、その後神秘主義に惹かれたり、性的な誘惑に晒される等して信仰を捨てた経緯があるので、やはりキリスト教もしくは神学的関心があまりない人には、前半はかなり厄介でいささか説教臭い内容かなと思う。
熱心なモルモン教徒の女の子二人(ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト)は、ゴシックホラーの典型のような屋敷を訪れると、ヒュー・グラント演じる、一見リベラルな穏やかそうな男リードに迎えられる。ところが居るはずの妻は一向に姿を現さず、雨が激しい吹雪に変わる中、次第に彼の饒舌な宗教論に翻弄され、閉じ込められたことに気付く…という物語。
モルモン教自体、キリスト教異端なわけだが、リードという男は輪をかけて面倒というか狂気の入った無神論者だ。監督のスコット・ベック&ブライアン・ウッズのインタビューをみると、彼のキャラクターのために参考にした人物の一人が、リチャード・ドーキンスと言うのは、一般的に宗教心が薄く、無神論に無警戒な日本人にはちょっと驚きではないだろうか?
冒頭で少し書いたが、多少の信仰心があった自分にも、この男のキャラクターにはいろいろ自身を振り返るところもあり、訪れたモルモン教徒の一人が「現代は信仰心が一般的に薄い」といったリードの話に首肯してしまう場面には、思わずなるほどと考えざるを得ない気分にさせられた。
とにかく饒舌なリードの話に誘われ、未熟なモルモン教徒の二人は彼の導くままに罠にハマるのだが、面白いのは前半二人のリーダー的に振る舞っていたソフィー・サッチャー演じるシスター・バーンズが、物語後半の展開点で意外な策略に遭い、前半頼りなく見えていたシスター・パクストン(クロエ・イースト)の存在感が急に高まることだ。
この展開には賛否が割れる気がするが、全体にホラーというより神学論争の体を成す本作において、アクション的見せ場を創るには悪くない選択の気はした。
屁理屈が多く、ともすれば冗長なリードの独壇場になってしまいがちな本作では、美しい画作りと、理知的な構成美(ヒッチコックタッチ?)が物語を救い、映画的感興を呼び起こしてくれる。途中リードの話にあった「胡蝶の夢」の喩えを聞いたときは、なんとはなしに「潜水服は蝶の夢を見る」という映画も思い出してしまった。
ずっとジメジメ
ヒュー・グラントがサイコ野郎を演じるってことで観てきました。
序盤の雨から、雨漏り、水たまりと、ジメジメしたシーンの連続で、鑑賞日は晴れでしたが、観終わった直後、外は雨だったっけと一瞬錯乱してしまいました。
スリラーとしては、普通かな。
宗教系ホラーっぽいだけ
宗教系ホラーっぽいだけ。宗教の豆知識が諸々あるが、ただそれだけで、作品全体としてホラーかと言われると、ツッコミどころ満載なので、途中から白ける。
冒頭の部屋から出られない、パイの香りはキャンドルだった、というのが最大の怖い点であとは学園祭的なノリの話。精神的に支配された女性が毒パイ食べて自殺しただの、その死体を同じ空間にいる人に気づかれないように別の女性がテーブル除けて、床下の重々しい金属の蓋開けて、持ったまま下に運んで配置した、と思われる下りとかは、心の底からコメディ。
パイの香りはキャンドルだった!の後から逆にあのモルモン教徒の女の子2人でお爺さんをボコボコにして、建物も完全に燃やし尽くしたところで、エルダーなんとかさんとかいう教会の先輩が迎えにくるみたいな、話のコメディにしたらきっと面白かった。
2時間1800円はつらい。学園祭で10分のシナリオで、300円なら許せる。
制作者らもまともな知性があったらあまりの滑稽なストーリー展開に吹き出しながら、作っていたでしょう。
支配‼️
布教活動中の若いシスター2人が、訪問した男性宅で恐怖のゲームを強いられるサイコ・サスペンス‼️空き巣に入った家の盲目の独居老人が、実は凶悪な元軍人だった「ドント・ブリーズ」を思わせますね‼️今作は根底にある「信仰の問題」と、ロマコメの帝王であるヒュー・グラントがサイコパスを演じてる点が新味ですね‼️ヒュー・グラントのあの笑顔が逆にコワい‼️サスペンスの演出としては目新しさはないし、地下室の描写がジメジメして汚ーいので、リピートする気にはなれないですけど、ラストまで緊張感を持続させた演出力は見事ですね‼️
こわっっっ
実はシリアルキラーなんかじゃなくて
単なる説教くさいおじさんでありますようにと祈ったがそうはいかなかった。
ブリジットジョーンズのあとにみてよかった。
印象変わっちゃいそうだもん。
ヒューグランドはそんくらい怖かった。
最後の蝶は幻覚なの?彼女は助かったんだろうか。
唯物VS唯心
唯物的な私としてはリードの見解にほぼ、全て、納得しましたね。只、彼の唯物心はサイコパスの正当化に過ぎないとは感じましたが。心霊スリラーでは無く、サイコスリラーであったのは唯物人間としてはホットしました。唯心恐怖より唯物恐怖が、身に起こる可能性が有るので怖いです。夏にお化け屋敷に入るのは、怖さを求めてでは無く涼しさを求めての私ですから。結局唯心の二人も攻撃は唯物でしたね。「ドライブ·イン·マンハッタン」等最近会話劇が多い様な🤔
ウザくてダークなヒュー・グラント登場!
4月25日(金)
本日初日の「異端者の家」をMOVIX川口で。
コンドームの広告が付いたベンチの上に腰掛けている二人のシスター、パクストンとバーンズがコンドームの話をしている。二人は布教活動中である。
不勉強でモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)信者が「魔法の下着」を着用しているのは知らなかった。
本作では「魔法の下着」が重要なワードになっている。
パクストンは、布教中の街中で若者に魔法の下着を露わにされてしまう。
やっとたどり着いた森の中の一軒家の住人リード(ヒュー・グラント)は、中で妻がブルーベリーパイを焼いているからと二人を家に招き入れる。二人が布教の話をしているとリードはホリーズのレコードをかけ、ボードゲームのモノポリーを出して盗作や複製の話から宗教を否定し始める。ウザくしつこい話でやり込められた二人は、ブルーベリーの香りがキャンドルのものだった事に気付く。妻も姿を見せず、不穏な空気に帰ろうとするが、玄関は時間錠が掛かって開かない。外に出るには二つの扉のどちらかを通らなければ出られないとリードは言うのだが、その扉の向う側には…。
モルモン教に限らず全ての宗教を否定して、宗教は「支配」だと断ずるリード。
最初は凛とした強いバーンズ(ソフイ・サッチャー)とメガネをかけ弱々しく見えたパクストン(クロエ・イースト)の立ち位置が代わるのも面白い。
カメラアングルやフレーミングに凝ったところがあり、編集と併せてナカナカ見せるのだが、ホラー、スリラー、サイコ、サスペンスと色々な要素があって、少々手を広げ過ぎた感もある。
だいぶグロい所があって、そっち系が弱い人は要注意。と、言っても大っ嫌いな「SOW」に比べればカワイイものか。
ラストに流れる「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」はソフイ・サッチャーがけだるい雰囲気で歌っている。
主役3人の対談動画3ショットインタビューは観た方が良いと思った。(ニュース欄で見られます)
おまけ
ヒュー・グラントは「エクソシスト」がトラウマでホラーが苦手だそうだ。しかし、本作では充分にコワい。
おまけ2
昔の私の職場にモルモン教の方がいたが、飲み会等でも一切アルコールは取らずにウーロン茶を飲んでいた(ただし、ハンドルを握ると超スピード狂だったらしい)。
あなたにとっての宗教は、思考の対岸にあるものか、思考に包括されるものかどちらだろうか
2025.4.26 字幕 MOVIX京都
2024年のアメリカ映画(111分、R15+)
LDSの布教活動を行うシスターと宗教的異端者との交流を描いたスリラー映画
監督&脚本はスコット・ベック&ブライアン・ウッズ
原題は『Heretic』で「異端者」という意味
物語の舞台は、とある町にてLDS(末日聖徒イエス・キリスト教会)の布教活動をしているシスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)とシスター・パクストン(クロエ・イースト)が、ポルノの話をしているところから紡がれる
パクストンはポルノの中でセックスを中断せざるを得なくなったカップルの話をして、その時に素になった女性の様子を嬉々と話していた
さらに彼女は、そのシーンにて神がいることを悟ったとまで言い出す
バーンズは「そのようなビデオをよく見るのですか?」と聞くものの、パクストンはそれを否定した
その後二人は、シスター・ホールから指定された家を回っていくものの、地域住民からは色眼鏡で見られ、「魔法の下着はつけているのか?」とイタズラまでされてしまう
そんな折、雲行きが怪しくなってくるものの、二人はリード氏(ヒュー・グラント)が住む邸宅へと辿り着くことになった
リード氏は知性的で紳士的な白人男性で、二人は「女性の同居者がいなければ玄関で話す」と伝える
リード氏は奥で妻がブルーベリーパイを焼いていると言い、それを信じた二人は招かれるままにリビングへと入る事になった
物語は、そこで宗教の話になるものの、バーンズが何らかの異変を感じている様子が描かれていく
不審に思った彼女は、教会から電話が来たと嘘をついて帰ろうとする
だが、この家は電波が入らない作りになっていて嘘がバレてしまい、さらに鍵はタイマー式で朝まで開かないと言われてしまう
バーンズの懸念は現実のものとなり、二人はリード氏の監禁状態になってしまうのである
映画は、宗教を研究してきたリード氏が「宗教が抱えるある根幹を見つけた」と話すところから動き出す
彼は「究極の宗教とは支配である」と言い、布教活動はマーケティングの一環であると言い出す
そして、古くから国民の中で愛されてきたボードゲームを引き合いに出し、宗教は反復を繰り返したのちに、今の形になったと語る
ゲームはある種の元々概念が遊戯化したもので、その構造の有用性に気づいた者が広め方を研究したと言う
そして、それがそこそこ売れた古典のボードゲームと、本質的には変わらない新めの売れたボードゲームとして例えていく
だが、バーンズは宗教を貶める言葉だと思って反発し、それによってリード氏は「宗教における奇跡を再現する」とまで言い出してしまうのである
好きな人にはたまらない感じだが、内容に興味が持てないと一瞬で眠りにつける映画だと思った
基本的に3人による室内会話劇なので、場面転換はほとんどなく、後半に限らず照明が落ちるシーンなどがあって思った以上に暗い
それに反して字幕が明るいので、スクリーンに近すぎると辛いように思えた
内容に関しては、個人的には大好物な部類で、究極の宗教は支配というのも面白いし、個人的には「宗教の対義語は思考」とさえ思えるような愉快な論戦が展開されていた
ボードゲームや有名なパクリ騒動を例に出しているのだが、それらは日本では馴染みが薄めなのが辛いところだろうか
ニュアンスで何となくわかるので、何かしら自分の知っているものに置き換えれば身近に感じられるのかもしれません
いずれにせよ、実は主人公はパクストンだったという方が衝撃的で、この騒動の中で最も変化した人物であるように思う
彼女たちはユタ州出身で、いわゆるLSDの本拠地のために、生まれながらにしてLSDという側面は否めない
いわゆる二世信者的な部分があって、バーンズはそれらを自分の思考と合致させる努力をしてきたし、パクストンはまだ未熟なところがあった
バーンズほど思考と合致してくると布教活動でも色んな言い回しや例え話、相手の疑問に答えられる即興性を持ち合わせられるだろう
だが、映画では、研究者リード氏を否定し、バーンズも奇跡を起こすアイテムとして使われていて、最終的に生き残るのがパクストンだった
彼女は祈りは美しいと言い、それはリード氏のような人物のために祈ることも同等であると考えるに至っている
また、劇中にて「胡蝶の夢」が引用され、この一連の出来事が「パクストンが見た夢」のようにも思える
だが、蝶は実在し、最終的には彼女の手がから飛び立っていくことを考えれば、夢で起きたことも、現実で起きた奇跡も同等に自身の祈りに吸収されていくものと言えるのだろう
そうした理解が深まることこそが宗教の本質であるとも言えるので、本来は「宗教=思考」だったものが、今では「宗教≠思考」に成り下がっているという警鐘を含んでいるのかな、と感じた
竜頭蛇尾
異端者の台詞がよく練られているうえ、それを演じる俳優の演技力も非常に高いため、友好的だが不気味な性質が非常にうまく表現されている。
前半の何気ないシーンを伏線として使う点や、家のミニチュア模型を使った演出も面白いと思う。
しかし、終盤に致命傷を負った登場人物が死ぬ寸前まで無傷時と同等の運動能力を維持して派手に立ち回り、展開を強引に進めて終幕となるため、見終わった後にモヤモヤ感が残る。終盤の粗さが作品を台無しにしているように感じた。
【”唯一絶対の狂信的宗教感に固執した、一見温和な異端者の男に囚われたモルモン教勧誘宣教師女性監禁ムービー。”今作は、ヒュー・グラントの芸風が更に広まった画期的クリーピーホラーである。】
■若きモルモン教の宣教師、シスター・バクストン(クロエ・イースト)とシスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)は布教活動のためにアメリカのある州の郊外の一軒家を訪ねる。
玄関先に現れたのは、英国紳士風の笑顔の男性リード(ヒュー・グラント)。"妻がラズベリー・パイを焼いているし、雨も強いので。"と、家に中に招き入れられた二人に、次々に予想外の出来事が襲い掛かるのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています!>
・殆どの人がご存知だろうが、ラブコメの帝王、ヒュー・グラントのマサカのホラー映画初出演作である。が、私は楽しみにしていた作品である。
・宣教師二人に対して、リードが畳みかける様に、モルモン教、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教について、早口で独自の宗教観を語って行くシーンは、ヒュー・グラントの独壇場である。
・さらにそこからモノポリーの元となったランドローズ・ゲーム、そしてファンの間では有名なレディオヘッドの初期名曲”クリープ”の盗作疑惑の元曲ザ・ホリーズの”ザ・アート・ザット・アイ・ビリーブ”の話になり、それらの曲が効果的に流れるのである。
そして、リードが間接的に言ったのは”反復”と言う概念で、分かりやすく言えば”モルモン教なんて、ユダヤ教の反復の結果だろう?”という事である。
彼の考えを知ったシスター・バクストンとシスター・バーンズは、顔を強張らせて、彼の家を辞去しようとするのである。
・だが、正面玄関はタイマー式になっていて開かないと言われ、二人は”宗教””非宗教”のどちらかの扉から家の外に出る様に促されるのである。
この辺りは、じりじり系ホラーである。
だが、その扉を開くとどちらも暗い地下室に繋がっているのである。嫌だなあ。
■ここからが、更に怖いのであるが、地下室に降りた二人はそこでブルーベリーパイを持って来た老婆に会う。リードはそのブルーベリーパイにはトリカブトなどの毒が入れてあり、食べれば死ぬが、我が宗教では生き返るのだ、と宣うのである。
そして、老婆はそのパイを食べ息絶えるのであるが、その後に生き返るのである。
シスター・バクストンは喉をカッターで掻き切られ、殺されるが、生き残ったシスター・バーンズは老婆が生き返った理由を見抜き、且つリードに反撃をし逃げるのである。
リードの唯一絶対の狂信的宗教の教義は、シスター・バーンズが逃げる途中に見た、木の檻に入れられた、水だけ与えられている多数の勧誘宣教師の女性達からも分かるように【支配】である。
ブルーベリーパイを持って来た老婆が、死ぬのが分かっているのにブルーベリーパイを食べた理由や、彼女の代わりに”行き返った”老婆がリードの意のままになっていた事も分かるのである。
<今作は、”唯一絶対の狂信的宗教感に固執した、一見温和な男に囚われたモルモン教勧誘宣教師女性監禁ムービー。”であり、ヒュー・グラントの芸風が更に広まった画期的クリーピーホラーなのである。いやあ、ナカナカでありました。>
唯一絶対の宗教の「正体」にガッカリさせられる
人懐っこい笑顔が「不気味」としか思えなくなるような、ヒュー・グラントの怪演が堪能できる。
ボードゲームやポップミュージックを例に挙げて、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の関係性を説く宗教論も興味深い。
ただ、彼が、2人の若いモルモン教の宣教師を家の中に閉じ込めて、一体何がしたいのかがよく分からない。
既存の宗教を「偽物」だと否定してみたり、唯一絶対の宗教を見つけたと豪語したりするところを見ると、議論を吹っかけて論破したいだけの宗教ヲタクのようにも見えるし、死者が蘇るところを見せるくだりからは、新興宗教の教祖にでもなろうとしているのかと思えてしまう。
ところが、終盤になって、彼の正体が、女性を監禁して「支配」したいだけの、単なる変態だったということが判明して、何だか肩透かしを食らってしまった。
あんなに何人もの女性(おそらく、宗教関係者)が、家の周辺で行方不明になっているのに、誰も彼を怪しまないのは不自然だし、いくらマインドコントロールされているとはいえ、女性たちが、比較的自由に行動できる状況でも、彼の言いなりになっているところには違和感を覚えざるを得ない。
蘇った死者によって異端者が倒されるラストにしても、「神の存在」よりも「ご都合主義」の方を強く感じてしまった。
アクションによって決着を付けるという作劇上の「定石」に異存はないものの、オープニングの宣教師たちの赤裸々トークや、「モノポリー」の例え話などが面白かっただけに、こうしたネタを活かした「心理戦」や「頭脳戦」をもっと見てみたかったと、少し残念に思ってしまった。
地下室怖い
典型的な日本人なので、
宗教にとても疎いから
宣教師の存在もあまり理解できないなぁ。
でも布教活動は大切なんだろね。
宗教絡みだし「異端者の家」という
タイトルだし(邦題がだけど)
神とは真逆の存在を信仰している者で
もっと邪悪さ全開を予想してたけどなんだか違う。
とはいえ、
美しかったヒュー・グラントの
(モーリスでは恋するほどだった)
不気味で邪悪な役も似合うなぁ。とか思い
ゾワゾワしながら観ていたけど
種明かしされれば
なーんだ。とがっかり展開。
いやぁそもそもあの家の界隈で
あんなにたくさん宣教師が
行方不明になっていたら
問題になるのでは?とか
彼女たちをどうしたいのか。
作中では読み取れませんでしたねぇ💦
ちょっとおばかっぽいシスターが
急に賢くなるのも「へ?」ってなった(笑)
蝶のゆくえ。
布教のため街を歩くシスターのパクストンとバーンズ、…が訪れた森の奥にある一軒家に入ったことで起こる話。
家主リードに妻は中にいる“ブルーベリーパイ”で釣られ、部屋に入れば「どの宗教も真実とは思えない」からと宗教について語りだし、何か様子のおかしな家主に恐怖を感じ、家を出ようとする2人だが…。
タイマー式の扉で開かないから始まり閉じ込められたと気づき…、帰りたければどうぞとは言うものの選択肢は地下へと続く通路(迷路)のみ。ホラー作品というよりホラーベースで部屋替えありの会話劇って印象。
ホラー好きの私にはもの足らなかったかな。
冒頭のベンチに座りあんな真面目な顔して下トークの方が印象的だったかも。
全76件中、41~60件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。