異端者の家のレビュー・感想・評価
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脱出迷路ではなく、討論と推理ゲーム
予告を見る限りだと複雑な仕掛けがある家からの脱出を目指すような内容だと思っていましたが、蓋を開けてみれば全然違う内容であった。宗教布教のためにある男の家に訪れた女二人と宗教についての会話が繰り広げられるが、なんだろう、この常にまとわりつく恐怖感は。。。その恐怖感の正体は男のちらつく独自の思想か。。。予想と違った内容であったが、2時間退屈する事はなく楽しむ事ができた。支配こそ絶対の宗教と考えていた男であるが、死への恐怖から結局、女に祈りを捧げることを求めていたいたのがなんとも人間らしいなと感じた。
宗教バトルしようぜ!お前モルモン教代表な!
俺?俺は「支配」教!👐
宗教について研究し尽くした結果こじりに拗らせた感じですか?
色々知りすぎたり勉強しすぎたりした結果、うがった見方しか出来ない人は研究職向いてませんよ。
素直にまっすぐ見ようという姿勢も必要なのに斜め方向からしか見れてないってことじゃないですか。
常に第三者視点、俯瞰して見れない人は止めといた方がいいですよ。
こうなりますから。
って教訓ですかね?
いやまあ深いこと考えずとにかく祈れよってことかも。
序盤の論争というか講義、面白かったですよ。
有識者ならすごく白熱するんでしょうね。
宗教講義を2時間聞いてたらいつの間にかスリラーになってたという映画でした。
その内助けが来るってわかってるなら地下に降りるなや地上で粘れよとか無粋な突っ込みはなしで…
まあまあスリルとちょいグロと女の子頑張れ💪を楽しめましたよ!
まあ、別に、特筆すべき箇所もありませんけどね…
Go to sleepな世界の始まり。
宗教オタクの預言者ごっこ。
自らの意思で彼の箱庭に迷い込んだ、若く熱心なモルモン教徒2人もここでは異端者である。
偏屈な年寄りvs今時珍しい若者。
オモテナシも早々に、照明ギミック発動後はウラアリ説教地獄の反復なのだが、若者も稚拙ながら強気に反論していく。
これは割と健全な「世代間ギャップ解消策」だ。
トム・ヨークのモノマネで滑っても我慢。私も、オセロと言ったら、リバーシですね?と返された事がある。
肝心なオチはあっけないもの。
すり鉢状に積み重なったノンストップ宗教蘊蓄合戦が効果的だったとは思えないが、
信仰心が、コンドーム談義に花を咲かせていた乙女2人の魂を救えなかった事だけは事実。
言語のニュアンスを忠実に知りたい作品
まず宗教モノということで、その手の基礎知識が薄い日本人との親和性はあまり高くない作品だが、多少の知識があったので一応ついていけた(まぁうっすい知識だけど)
そのうえで、大前提として男がたどり着いた結論がいまいち明確な答えになってないのが気にかかるところ。基本的に神なんてものは存在しないし、宗教なんて所詮人心を掌握・支配するためのものに過ぎないってことではあるんだろう。言わば男との宗教レスバに負けた女達が地下に閉じ込められていたということで、生殺与奪の権を握られていたから素直に言うことを聞くしか無かったと言うことなのだろうか。とにかくヒュー・グラントが強烈な圧をかけてくる議論パートが重苦しくて息苦しくて大変。
地下室の噴霧器から放出されていたものは何だったのかもよく分からない。大変おもろかったが、消化不良な部分も少なからずあったという作品でした。
ヤマなし、オチなし(加筆してます)
残酷で目を背ける場面が多かったが、特にヤマもなく。オチもなし。
ヒュー・グラントはラブコメに出ているときと全く同じ雰囲気で、サイコパスの不気味さなし。
見知らぬ女性の二人組が家を訪ねてきたら99%宗教の勧誘なので、映画を見ながらつい嫌な顔してしまった。最初から彼女たちにあまり同情的になれない。
ヒュー・グラントが長々と理屈を並べている間にいつの間にか寝てしまって気が付いたらすでにふたりが監禁されていました。
「宗教」というものに、反射的に胡散臭さを感じてしまうので、リード氏の言う事のほうが「正論」に聞こえてしまう。「宗教は『支配』だ」というのには共感するものがある。
それから、「布教者はセールスマンのようなもの」も、良くも悪くもその通りだと思うし、個人的には宗教組織は、優れた集金システムだと思っている。
(私の「信仰」は日本の八百万の神をなんとなく信じていて、若干の縁起を担ぎ、お正月には初詣をして神社で100円硬貨でお賽銭を納めて守護やご利益を祈るようなものなので、そう感じてしまうのかも。)
多分ですが、日本人はそう思っている人が多いんじゃないだろうか。
リード氏は持論として宗教=支配にたどり着き、それを証明するため、試験的に囚えた女性を恐怖で支配し、「宗教」を作ってみたのよ、どうよ、とわざわざモルモンの宣教師に見せつける。
リード氏はぷち宗教を地下室で作り上げて、自身の宗教論議に拮抗できる相手を待っているのかも、と思いました。
専門家と思しき宣教師を呼び寄せて議論をふっかけて、不合格なら実験対象として地下に監禁、そして次を待つ、という感じだったのかも。
覚醒したシスター・パクストンには、自身の箱庭宗教を見せてみて、モルモンとして議論相手となれるかもな段階に至ったような。
宗教にはこだわるが倫理には微塵もこだわらないのがアタオカで怖い。
そしてリード氏は小難しいことをファーストフードやモノポリーなど、身近なものに例えるのが上手。コドモニュースの解説者のようです。
囚えられて檻に入れられていた女性たちは、リード氏に呼ばれて宗教団体から派遣されてきた布教者たちではと思うが、あの付近で行方不明になった女性が多いということでもっと騒がれていそうなものです。
恐ろしいけれど滑稽
シンプルなワンシチュエーションスリラーで主人公たちがどうなるのかと先が気になり、信仰に対する視点なども面白かったです。
個人的に宗教勧誘などは胡散臭いと考えているものですが、主人公たちの普通の若者らしさや真面目さ、偏見に晒されている様子などが冒頭に描かれ、主人公たち個人には好感を持つことが出来たのでスリラー要素にも引き込まれました。
年長男性と若い女性という年齢差や性差など、何気にパワーバランスを見せつける会話の不穏さも印象的です。
この閉じ込められた状況では聞かされる方は恐怖でしかないでしょうし、若い女性を狙って仕掛けている家主はやはりクズだなと。
宗教等に関する家主の理屈には結構同意できますが、その上で人のために祈ることの尊さが示されるのは良かったと思います。
ラストの蝶は、彼女の魂かと思いグッときましたが、このラストが夢という解釈もできそうで。
脱出できたという方を信じたいですが。
家主の行為は恐ろしいものですが、基本的には若い女性にマンスプレイニングをして悦に入っているだけのおじさんのようで、滑稽さもあり見ているこっちがこっぱずかしい気持ちにもなりました。
昔、路上で幸せお祈り宗教に声をかけられた時、「他人の幸せを祈って意味があるのか」「他人を祈ることで自分も幸せになるとか、自分の幸せのために他人を利用しているということだろう」などと言って論破した気になっていた若い頃の自分を思い出したりもしてしまい、こっぱずかしいです。
やり尽くされたフォーマットでも、プラスアルファでマル
やり尽くされたフォーマットでも、プラスアルファがあることで映画として成立する好例。
若い女性が不気味な館を訪れてサイコパスに解禁されるという何度も見た光景。ただ、そのサイコパスはヒュー・グラントであり、若くて少々現代的なシスター、そして宗教や信仰心について語り合うというプラスのプロットによって、「もう、見飽きた」から「興味がそそられる」に変わる。
モノポリーや音楽を例にした説明。まさかのファントムメナスネタ。
そして、最強?の宗教=支配という結論。
特に悪魔ネタのホラーでは、信仰心によって主人公側が勝利という筋書きが多い中、
今回の切り口はよかった。
首を切られた女の子の謎の一時復活はあったけど。
ゾンビのような女性やサイコパスの登場場面(振り返ったらいるとか)を必要以上に観客にビビらせない、
音でビビらせない、様子を見に来た関係者を殺さない点なども
安易な方向に走らなかった結果として好印象。
名作とまでは言えないけど、
満面の笑顔からイカれ顔に変化するグラント、同系映画スプリットのアニャのような存在感のソフィー・サッチャーの演技でサクッと観るホラー映画としては満足でした。
鑑賞動機:あらすじ8割、ヒュー・グラントがおかしい2割
オースン・スコット・カードをふと思い出す。
『ブギー・マン』に出てた目力強めのサッチャーさんですね。パッとしない弱腰の相方とで、海千山千のヒュー・グラントにどこまで立ち向かえるのか。完敗の予感しかしない。
慇懃無礼というか、論破することそのものよりも、相手を不快にさせた上で優位に立ちたい感じがする。
おそらく常日頃から準備(!)してるのか。まああんな家作ってる時点でアレレな人なのだろうけど。
前半の緊張感がうすれそうになったけど終盤持ち直した感じ。ギリギリセーフ。胡蝶の夢と邯鄲の夢をごっちゃにしてたわあ。
無宗教教にとっての神は…推し?
タイトルなし(ネタバレ)
布教活動のため森の中の一軒家を訪れたモルモン教女子ふたり、シスター・パクストン(クロエ・イースト)とシスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)。
中から出てきたのは、気のいい初老の男性リード(ヒュー・グラント)。
モルモン教の戒律に則り、女性同席でないと家の中に入れないから、玄関先で・・・と告げるふたりに、リード氏は「妻は奥でパイを焼いている」からと答え、二人を招き入れる。
リード氏は、モルモン教の教義・戒律についての矛盾点などを披歴し、ふたりを辟易させるが、リード氏の妻はなかなか姿を現さない・・・
といったところからはじまる物語は、超面倒くさい論破男vs.純粋無垢な乙女の対決映画という、まぁジャンル映画かなぁ。
自己の価値観を脅かされることが「恐怖」の源、リード氏の論説によって自身の信仰心が揺らいでいくという前半が面白い。
が、ダンジョン的邸内で生命の危機に陥る中盤以降はフツーの怖い映画。
(ということで、少々退屈)
蝶のエピソードがいくつか登場するが、終盤、虚実を弄って観る側を混乱させようというのは、劇中登場する「胡蝶の夢」のモチーフか。
ただし、あまり感心せず。
ラストの蝶はリインカーネーションのものだろうねぇ、と。
なお、「バタフライ・エフェクト」は劇中、台詞で語られるのみ。
ヒュー・グラントの超面倒くさい男のリード氏役、これまでの役柄からかけ離れているようにみえるけれど、ロマコメの帝王だったころの延長線上にあるような気がして、妙絶なキャスティングだと思いました。
信じるのも自由。信じないのも自由。
神様も色々。祈り方も色々。唱える言葉も色々。
宗教に支配されるのか信者に支配されるのか。
目の前の迷える子羊に迷わされるとは、修行が足らん証拠の女子2人。
追い詰め方がエグいイケおじの対決。
この作品はみたらし団子の餡のように見た目よりもねっとりとそしてノドが乾くしつこさ。
ちょっといろんな知識を持つと勝手に恐怖を構築し増大させてしまう人には背筋がゾクゾクするね。
ヒュー・グラントの良さが満遍なく際立つ、そして節々に『クスッ』とさせてくれる台詞回しが良かったです。
Butterfly Effect
家ホラーや家スリラーが大好物なので今作も喜んで鑑賞。
めっちゃ家の中が迷宮なのか、トラップまみれなのか、静けさの中に迫る恐怖なのか、色々と想像が膨らんでいきました。
宗教勧誘のために伺った家の住人がどう考えてもヤバいやつで…という感じの作品で
日本に住んでいるとどうにも宗教には疎くなってしまい、宗教トークをかましている時ははて?となりながら観ていましたが、楽しそうに喋っているので愛想笑いしながら観ることができました。
宗教の本職に対して、培った知識でレスバしまくるおっちゃんがなんだか面白く見えてきて、思っていた方向とは違うけどこれはこれで…って感じでした。
制作チームの過去作的に「ホーンテッド」に近しいスタンスのイかれた家を期待していたんですが、ギミックはほとんど無しで、おっちゃんが色々なものに例えて宗教についてドヤっていき、気に入らなかったり少しでも琴線に触れたらブチギレ大爆発と思っていたより脳筋でした。
部屋のトリックとかもサクッとバレたり、行動の怪しさも全部指摘されたりとで、この人そもそも隠し事しながらの行動向いてないんじゃ?と何度思わされた事か。
家を上から見た構図なんかもお出しされるんですが、基本的にそこまで凝った作りではなく、なんなら地下室の方が凝った作りだったり真相が隠されていたりとで、もう隠し部屋作りたがりのおっちゃんじゃんとクスクスするしかなかったです。
R15+か?って聞かれると微妙なラインで、欠損描写だったりグロさはあれどそこまで刺激強めではなく、コンドームトークも別に直接的なシーンがある訳でもないので規制するほどでもないですし、別にPG12でも良かったのでは?とは思ってしまいました。
終盤の展開はかなーり無理のある展開で…映画なので多少のご都合展開は許容できる方だと思っていたんですが、祈ったらシスターが復活したり、首に思いっきり刃物を刺したはずのおっちゃんが普通に動いていたり、バタフライエフェクトの伏線回収だったりと家の構造の巧みさとかガン無視で突き進んで終わっていくのでなんだかなぁって気分になりました。
ヒュー・グラント、クロエ・イースト、ソフィー・タッチャーの3人で引っ張ってくれたおかげでレスバ合戦がなんとか観れたかなって感じです。
優しそうだけど気味の悪さを纏っていたヒュー・グラントは不気味で最高です。
ここ最近のA24は良くも悪くも尖った作品多めなのでバチっと自分にハマる作品が出てくることを願っています。
鑑賞日 4/27
鑑賞時間 18:55〜20:50
座席 A-4
ヘレテックって原題は残してほしかった
ヘレテックって原題は残してほしかった・・サブタイトルで異端者の家はありだけど
テーマが割と壮大なだけにもったいない
プロローグの若い女の子のリアルな会話からの宗教勧誘先の宗教問答はストレートに面白い
宗教についてさほど縁のない自分にとっても興味深い内容でこれがホラーかどうか関係なく引き込まれるものがあった
完全に罠に気が付いてからの緊張感はまさにホラー
ここから先はネタバレ
個人的にこちらが生き残りそうと思った人が先にやられてそのあとの怒涛の展開はテンポも速くもっと早く覚醒してれば二人とも助かったんじゃないの?と思ってしまった
いろんな伏線も回収されているようでしたが、一度では読み取りできない描写もあったみたいで他の人のレビューをみるのもこの映画の醍醐味かも
宗教は支配、祈りには力はないが人のために祈る行為は美しい
この言葉に出会えただけでこの映画を見たかいがありました
A24がクレジットされてなかったら…
A24製作といえば「ミッドサマー」、「X」、「MEN 同じ顔の男たち」など一癖も二癖もある作品が多い中、この「異端者の家」はA24がクレジットされていなかったら観賞しなかったと思います。
期待して観賞しましたが『なんだ、フツーじゃん』と期待ハズレだったのはいがめない感じでした。
ただ、あのヒュー・グラントがなかなかのはまり役でビックリしました。
そういう意味では「A24ありがとう!」と言いたいですね。
でも、死んだはずのシスターバーンズがあのような形でシスターバクストンを助けるのであればもう少し伏線がほしかったです。
家に着く前から
良かった。
予想していた迷宮脱出ではなかったがこの感じもなかなか良かった。
まずヒュー・グラントもそうだが女優2人もめちゃくちゃ顔がいい。ああやっぱり女優は美人だわと思った。
ということ以上に脚本が結構よくできていたように思う。
リードおじさんがモノポリーで宗教を表現する演出は面白かった。
モノポリーを調べたら本当に原型になるエリザベス・マギーの地主ゲームが出てきた。
まあ作中でもツッコミがあったように地主ゲーム、モノポリー、モノポリー別バージョンがユダヤ教、キリスト教、イスラム教というのはだいぶ大雑把過ぎではある。けれどもなるほど感はあった。うわ、自分支配されちまうわ。
ショートのバーンズの方が抗っていて一見強そうに見えるが、であるがゆえに退場が思いの外早かった。
ロングのパクストンの方が流されやすい雰囲気を醸し出しつつバーンズ死後は戦う決意をするのは成長物語感があって良かったと思う。
序盤に写真撮る女の子達に騙されてマジックパンツさらされたのすら後半の伏線になっていた。
バーンズを刺す合言葉をマジックパンツにしている。
マジックパンツの合図でバーンズが刺すかと思いきや逆に刃物を隠し持っていたリードに刺される、という悲しい展開になるも。
終盤でリードが調子こいて「お前は周りから言うなりだ。例えば下着のマジックパンツですら!」みたいな発言をしたらパクストンがキーでリードをブッ刺すという綺麗な伏線回収。
ここら辺の脚本は本当にうまかったと思う。
思えば冒頭で自転車を持ち上げて階段を上がっていたのも「リードの家が普通では行きにくい高い場所にある」という伏線になっていたんだな。
家に入った最初の方で窓に蝶がとまる演出があり、中盤で胡蝶の夢の話が出て、ラストに脱出したパクストンの元に蝶がくる。これは死んだバーンズの生まれ変わりなのではと思わせてエンドロールに入る回収の綺麗さ。
毒入りパイを食べ死んだ女が生き返る奇跡を見せたかったリードおじさん。しかしそれは死体隠し入れ替わりトリックだと見破られた。
にも関わらず、終盤にパクストンが刺されて大ピンチ!なところを死んだはずのバーンズが立ち上がってリードにとどめの一撃をくらわす!という「死んだ人間が生き返る」奇跡展開をわざとやる対比のうまさ。しかもとどめの釘ついた板は前半でバーンズが柱にさりげなく立てかけていたモノの伏線回収でもある。
この映画はこういった伏線回収がとても綺麗。
「これ2人がかりなら結構前半で脱出できたんじゃない?なんなら他にも逃げるチャンスは割とあったような」感もあるはあるが、それを補う脚本と演出のうまさがある。
宗教は支配だ、と終盤でマイナスな雰囲気を示しつつも、でも相手のことを想って祈るのは美しいよね、というプラスの感情も忘れない。
どっちの扉選んだところで結局出れねえじゃねえかというリードの小狡さ含め。
とにかく本作はよくできた少人数サイコサスペンスの家になっている。
面白いのもわかる。面白くないのもわかる。
鑑賞した後、タイトルにある「異端者」の意味をしばらく考えていた。ヒュー・グラント演じる悪役が「宗教的な異端者」という意味ではなく、「思想的な異端者(危険思想者)」という意味だったのかと思う。原題の「HERETIC」も異端者って意味だし。
序盤は主人公二人と宗教論争をしていたり宗教的な問いかけを続けているから、この悪役も何かの派閥に属しているのかと思いきや、突き詰めると(宗教ではなく)危険思想にのめり込んでいる人物だった。
モルモン教の事は詳しくないですが、アメリカ国内でも「変わった教義を持つマイナーな分派」くらいのイメージ。つまり、彼らの論争部分の大半は理解しきれなかった。避妊インプラントを摘出するシーンも「わからんが、たぶん婚前性交渉の否定との矛盾を指摘しているんだろうな?」と思った。多分、日本人の大半が理解できない。
ただ、そういう不明な部分はあっても観客を引っ張り込む力があるのも感じた。序盤はジリジリした違和感に始まって家の奥に進む度に違和感が恐怖に増幅していく流れは非常に良かった。この手映画だと犯人の正体が暴かれると途端に萎えるものが多いが、悪役の正体を暴いた後もしっかり仕掛けを残していた点はいい感じ。
よく喋るのに本心や思想の根幹を見事に隠している悪役、「舌戦の攻防が巧み」でありながら、(最終的には負けなければならないために)ある程度弱い、といういい塩梅が出来ていたと思う。「よく考えたらあのトリックを全部独りでやって、独りで〇〇の世話とかやってるんだよな……」と思うと中々の努力家だ。あと、主役二人を閉じ込めるための仕掛けを操作するシーン、音とスピード感が合ってて好き。
良い意味でも悪い意味でも「きちんと閉じこもっている映画」だった。例えば死んだと思われていたシスターが起き上がって悪役にトドメを刺すのも、予め「復活」というキーワードが出ていて伏線になっている。
主人公二人が外の人間に助けを求めている間は家の外のシーンもあったが、二人が外を意識せずに目の前の悪役に相対するようになるとそれも無くなる、というように観客の意識の向け方が上手かった。
個人的には良し悪しありつつの良作、という感じ。ただ、ホラーシーンがちょっと少ない気もする、もっとビックリさせるカットを入れても良かったのではなかろうか。
邪悪なカルト宗教に追い詰められた女子大学生。
キリスト教の布教活動をする二人の女子大学生。
カルト宗教と、神学論争。。。
最後に、脱出した場面で、蝶が手に止まり、飛んでいく。
いろいろな意味に取れる
良いラストシーンだった。
てふてふ🦋
子が出来てからは特に、クリスマスパ〜リ〜もハロウィンもやるし、大晦日の除夜の鐘は心に染みるし、神社へ行けばおみくじも買うし、賽銭箱に100円入れて、有りとあらゆる事をお願いしちゃう。
食材をダメにしてしまった時は"罰当たりな事してもーた"って反省するし、困った時には"神様助けて〜"って思ったりもするが、実際どの神様から罰を喰らうのかも、どの神様を頼っているのかも自分でも不明だ。
"神様ありがとう〜!"とは言うが、上手くいけば自分の手柄♪( ´θ`)
心から"神様のおかげだあーめん"なんて思った事ないカモ(°▽°)
特定の"神様"に寄せる思いもないし、そもそも信仰心ってモノがありません。
だからこ〜ゆう宗教、神様の教えみたいな事を主軸にした作品はほぼ理解出来ていない自覚があります。
だけど、自分にはない感覚だからなのか、宗教物は結構好き。
加えて、コワオジになっちゃったヒュー様見たさに鑑賞。
予告ではホラーなのかと思っていたので、チキンだから超不安だったけど、違う意味の怖さだったので、大丈夫でした。
内容は、宗教に関してはやっぱり劇ムズで、いっぱいハテナだったけど、宗教をモノポリーに例えるくだりや、"Creep"の例えがわかりやすかった。
Radio headの"Creep"も、The Holliesの"The Air That I Breathe"をパクっていると揉めてたし、そんでもって"Creep"も、Lana Del Reyにまるパクリされてて騒ぎになっていたのを知ってたから「反復」「オリジナルはうすれる」っての、おおおお!!だった。
(語彙力ゼロ(°▽°)
そして、モルモン教については、何十年前?!に、日本でも、ある人が入信していると話題になった時にはじめてその存在を知った。
お酒やカフェインの摂取、婚外の性交渉禁止はまだ分かるが、避妊!自慰行為・ポルノグラフィなども禁止されているらしくとても驚いた事を思い出した。
私には理解出来ない厳しい戒律が定められていたと記憶していて、そこもその通り触れられていて興味深かった。
(強い信仰心を持っているように見えたバーンズが避妊インプラントを埋め込んでいたのにはびっくりね。
初めて見たけどあんな棒で避妊効果があるのですか?!)
モルモン教の宣教師である、利発なシスターバーンズ(ソフィー・サッチャー)と、控えめシスターパクストン(クロエ・イースト)
この若き2人のシスターに信仰心を揺さぶる究極の選択を迫るMr.リード(ヒュー様)がオッカネェ(°▽°)
どう見ても異端者(サイコパス)であるリードが、宗教の本質を語るのが面白い。
説得力あったもん。
上記のモノポリーや反復の例えなんか納得しちゃった。
バーンズ退場から弱々しかったパクストンの変化も見所で、脱出ゲームとしてもハラハラ出来ました。
そして行方不明者の中には、こうして監禁されている人も多いのかもなとゾッとしました。
エンディングが「Knockin' on Heaven's Door」なのも深過ぎて唸った。
(だから大好きな曲なんだって!)
初めて聞くバージョンなんだが!!
この声誰やねん?!歌ってるの誰やねん?!って前のめりでエンドロール探したよね。
黒髪シスターのソフィー・サッチャーさんだった。驚いた!
そだそだ。
1番知りたかったリードの最期。
彼があの時どんな心境だったのかが、私には理解出来ませんでした(°▽°)
パクストンの言葉に探し求めていた答えを見つけ懺悔の気持ちになったのかなぁ??
「祈る事に効果はないけど、互いを想って祈る事は美しい」
この精神こそが、宗教の根源だと思うのですがね。。
宗教って支配なんですかネェ。。
宗教も信仰心も用法、容量を守って正しく使用して欲しいですね。
異端者の家に、異端者が伝導に
これが正解、モルモン教は、プロテスタント各派からそう見られているし。
それは、作品からもわかるはず。
聖書の奇跡は、その前からの他の宗教の教典でもみられていた。
だから、聖書は、その焼き直し。
あなたがもってきたモルモン書もおなじこと。
この説明を、モノポリーを使ったところは、なかなか。
となると、神は誰だ、本当にいるのか。
究極は、誰にもわからない絶対わからない。
死語の世界とて同じこと。
だけど、神はいると信仰を持って生きることが、楽だ。
ただ、悪魔崇拝やキリスト教異端はやめようね。
宗教という心理的支配
暴力も否定も圧力もかけずに、あたかも自分で選んだ道かのように静かに引きずり込まれていく話術。
最初から異変を感じつつも、人懐っこいイケおじのオープンマインドな笑顔とブルーベリーパイの香りになんとなく流されていくウブっ子のシスター2人。
玄関も開かず、電波も届かず、どんどん追い込まれていくけど冷静さを欠かさない黒髪シスター。
モルモン教を知らなかったから、会話劇部分はちと眠くなってしまったけど、途中からいい感じに危うくなってく。
勝ち気で冷静で頭が切れる…このままいける?ヒューグラントと頭脳対決するの?!と思いきや、黒髪シスターはサクッと喉を掻き切られ、二の腕をカッターで切り開かれて中を素手で弄られ、これ血管だわ、と間違えられながら避妊棒(あれで避妊できるの?初めて知ったよ)を掻き出すヒューグラント。うわって声が出ちゃった。でも、グロい演出というより、普通のことですわ、みたいなトーン。
金髪シスターを恐怖で支配するにはちょうどいいサイコパスっぷり。
ここから、金髪シスターのターン。
黒髪シスターを失って取り乱すかと思いきや、反論と挑戦…!って心を決めて、自分の意思で戦っていく。
頼れる人がいなくなると人って強くなるよね、の典型だけど、とてもいい。この極限の状態で諦めない心の強さよ。これが信仰心ってやつなのか。
でもヒューグラントは、信仰は支配だ、と。
自分で選んだつもりで知らぬまにそれに染められて従順に従う傀儡になってしまう、というのを実証実験し続けていたのかな。すんごいサイコパス味があのニコニコから漏れ出てて最高だった。
家の中の作りがあれ?ここ1Fで地下でそこ進むとあれ?なんか中地下?みたいな建造物の設計が気になったけど、なんか斜めを多用した家なんだろうな。
最後ヒューの首に刃物ぶっ刺したのに、よく生きてあんな動けたな、というのはドーパミンのせいってことで。
黒髪シスターちゃんも最後の最後で奇跡が起きてヒューを殺して金髪シスターちゃんを助けるというまさかのラスト。
金髪シスターもお腹刺されてるのに窓から逃げ出して森の中で蝶が手に止まる、ってのも黒髪ちゃんが「よくやったね」って言いに来たってことなのかな。
刺されたショックで幻影を見ていたのだと思うけど、信じるものは救われるもんね。
ヒュー・グラントの独壇場
結構面白かったです。
ただ自分の場合は、幼い頃から親に逆らって、キリスト教プロテスタント、ホーリネス系の単立教会に通い、小六で洗礼を受け、高3の頃には神学校を志望し、その後神秘主義に惹かれたり、性的な誘惑に晒される等して信仰を捨てた経緯があるので、やはりキリスト教もしくは神学的関心があまりない人には、前半はかなり厄介でいささか説教臭い内容かなと思う。
熱心なモルモン教徒の女の子二人(ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト)は、ゴシックホラーの典型のような屋敷を訪れると、ヒュー・グラント演じる、一見リベラルな穏やかそうな男リードに迎えられる。ところが居るはずの妻は一向に姿を現さず、雨が激しい吹雪に変わる中、次第に彼の饒舌な宗教論に翻弄され、閉じ込められたことに気付く…という物語。
モルモン教自体、キリスト教異端なわけだが、リードという男は輪をかけて面倒というか狂気の入った無神論者だ。監督のスコット・ベック&ブライアン・ウッズのインタビューをみると、彼のキャラクターのために参考にした人物の一人が、リチャード・ドーキンスと言うのは、一般的に宗教心が薄く、無神論に無警戒な日本人にはちょっと驚きではないだろうか?
冒頭で少し書いたが、多少の信仰心があった自分にも、この男のキャラクターにはいろいろ自身を振り返るところもあり、訪れたモルモン教徒の一人が「現代は信仰心が一般的に薄い」といったリードの話に首肯してしまう場面には、思わずなるほどと考えざるを得ない気分にさせられた。
とにかく饒舌なリードの話に誘われ、未熟なモルモン教徒の二人は彼の導くままに罠にハマるのだが、面白いのは前半二人のリーダー的に振る舞っていたソフィー・サッチャー演じるシスター・バーンズが、物語後半の展開点で意外な策略に遭い、前半頼りなく見えていたシスター・パクストン(クロエ・イースト)の存在感が急に高まることだ。
この展開には賛否が割れる気がするが、全体にホラーというより神学論争の体を成す本作において、アクション的見せ場を創るには悪くない選択の気はした。
屁理屈が多く、ともすれば冗長なリードの独壇場になってしまいがちな本作では、美しい画作りと、理知的な構成美(ヒッチコックタッチ?)が物語を救い、映画的感興を呼び起こしてくれる。途中リードの話にあった「胡蝶の夢」の喩えを聞いたときは、なんとはなしに「潜水服は蝶の夢を見る」という映画も思い出してしまった。
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