「熱い集団」ヒプノシス レコードジャケットの美学 naokiさんの映画レビュー(感想・評価)
熱い集団
最近、濃い名作(しかも長い・・・)が続いたので、こういう軽いドキュメンタリー映画もいいかもねとヒプノシスを観ましたが、なかなか見応えのある作品でした。
全編モノクロを基調としたデザイン・アート
集団「ヒプノシス」のオーブリーの語る
制作秘話を中心に今やレジェンドと呼ばれる
ミュージシャンも出てこられるのですが、
皆、結構素直ですね。
特に「ヒプノシス」の天才肌のストームに
関しては皆がアイツ最低だよ!とか言いつつ
才能は認めている。
ポール・マッカートニーにダメ出しできる
人て、この人(ストーム)ぐらいじゃないの・・・
「あぁ分かったよ」とうろたえるポールて!
オアシスのノエル・ギャラガーて、とがった人てイメージがありましたが、この映画では
まともな事言ってるし。
ノエルの言うアルバム・ジャケットは貧乏人のアートて悪い意味でなく、むしろ愛着を感じる発言に思えました。
レッド・ゼッペリンの「プレザンス」の
ジャケットが、なんでこんな平凡な
ファミリー写真にしたのか長らく謎でしたが、
この映画で解けました🙂
時代は80年代に入りMTVというビデオ戦略に上手く乗れなく崩壊してしまった
「ヒプノシス」は、ある意味、彼等らしい
終焉の仕方かもしれません。
私は「新世紀エヴァンゲリオン」を創った頃のガイナックス創世記を思い起こさせました。
現在、素人でもパソコンで簡単に合成できる
時代ですが、「ヒプノシス」を超えるようなジャケット・デザインが生まれたかといえば、
どうなんでしょうか・・・
ただ配信聴き放題でも曲だけでなくスマホの画面にアルバム・ジャケットが映るのは、うれしいですね。
ある意味ジャケット・デザインが身近になったので、また新しいものが生まれる可能性もありますね。