パフィンの小さな島のレビュー・感想・評価
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温もりと可愛らしさあふれる島のおはなし
2015年から続くアニメシリーズの長編映画版。アイルランドはキルケニーを本拠地に独創的なアニメを創り続けるカートゥーン・サルーンと、北アイルランドのドッグイヤーズが組んでいるだけあって、キャラ造形、絵のタッチや背景、鮮やかな色調、物語のテーマ性にこの国ならではの持ち味を強く感じる。パフィンたちがこの島で様々な動物たちと寄り添い、明るく穏やかに集いあう様はまるで方舟のよう。そんな中、海の向こうから越してきた一羽の鳥が周囲に馴染めず、良かれと思ってやったことが全て裏目に出てしまう。いわゆる「新天地の憂鬱」的な展開ではあるものの、本作が欧州産である背景を考えるに、このストーリーの背後には自然災害、環境問題、移民、難民などの現代世界をめぐる外的要因が仄かに織り込んであるのかもな、とふと思った。ともあれ可愛らしいパフィンや動物たちの奮闘と、美しい島の調和の物語。お子さん方と一緒に親子で触れてみては。
絵本のような世界で暮らすツノメドリを中心とした動物たちの姿を描いたファンタジックなお話です。人間社会でも起こるようなトラブルをも溶け込ませたヒューマンドラマでもあるようです。
「ウルフウォーカー」のスタジオが制作した作品だと知り
ました。前作は独特の世界観を描いた作品との印象でした。
この作品はどんな内容か観てみなければ。
ということで鑑賞してきました。 ・_・はい
で 鑑賞終了です。
舞台はどこかにある " とんがり島? " という島。
この島には、沢山のツノメドリが暮らしています。
元からこの島で暮らしているウーナ(ニシツノメドリ)は
両親と弟の4人(4羽?)家族。
他の島から渡ってきたのはイザベル(エトピリカ)。
住んでいた島が大嵐で被害を受け、住めなくなり
弟分のフェニックス(キンケイ)と一緒にこの島に
やってきました。故郷が恋しい様子。 だよねー ・△・;
繁殖の季節。、一組のツガイに卵が産まれます。
無事に卵が孵るようにと世話をしていたのですが、実は…
この島にも嵐が迫っていたのでした。 …大変
自分の体験で嵐が近いことを察し、周りに伝えたいイザベル。
ですが、なかなか切り出すタイミングがつかめず …うーん
ついには自分で卵を守らなければと、卵を巣から他の場所へと
移動させようとするのでした。
けれども。
卵の移動は、やってはいけない行為だったのです。(やっぱり)
そうとは知らずに卵を移動させてしまい なおかつそれを
したのがカワウソだと、周りが誤解してしまいます。あらら
誤解を解くには自分が移動させた事を話さなければならず…
そうすれば、自分が周りから爪弾きにされてしまう…。 あぅ
けれどもこのままではカワウソが犯人にされたまま…。 あぅ
一人苦しむイザベル。
次第に近づく嵐。
無事にヒナはかえるのか。さあどうする。
といったお話でした。(ドキドキ)
◇
前作(ウルフウォーカー)のような民話性や信仰の香りは
この作品からは感じませんでした。 …少し残念。
また、登場する人物というか動物たち。いわゆる
ゆるキャラとしてデザインされているために、ほのぼのとした
世界観の作品との印象も持ちました。
大人向けの作品内容を期待して鑑賞すると、セイレーンの歌声に
誘惑されてしまいそうです。(私も前半少し、うとうと…zzz)
ですが
語られるお話の内容には、大人に向けたメッセージを含んだモノで
あったようにも感じます。・△・ホントウデス
小さな行き違いと誤解の積み重ねとが、心の溝を広げていく。
そんな怖さが下地にあって、「世の中の諍いと争いの縮図」を詰め
込んだような作品とも言えそう。そんな気もしました。
そんな訳で
私にとっては、一件の価値ありの作品だったかと思っています。
観て良かった。
※基本的には小学校の低学年くらいまでがターゲットのような
気もします。大人の方は、その辺りを理解した上でこの作品
をご鑑賞くださいますよう。
◇あれこれ
■パフィン(ニシツノメドリ)
ウミスズメ科の鳥で、体長30センチくらい。 雀にしては大きい?
主な棲息地は、北半球の中でも寒い地域。
ヨーロッパ北部、フェロー諸島、アイスランド、北アメリカ北東部。
何となく南の島かとイメージしたのですが、違いました。@_@;
繁殖期(3月以降)は海沿いの断崖に集団で営倉し、卵を1個産みます。
非繁殖期は外洋で暮らすとのこと。主な餌は魚。ニシンやシシャモなど。
短い翼を上手に使っての潜水が得意。
冒頭のシーン(海の中の追いかけっこ)は創作上のイメージ表現かと
思っていたのですが、パフィンは50メートルは潜れるとか。 すごい
■パフィンその2
ツノメドリという名前を初めて知ったのが「ウッド・ノート」。
小山田いくさんの漫画で、1984年から少年チャンピオンに連載。
高校のバードウオッチング部を舞台にしたこの作品に登場する
女子部員の名字が「角目」で、愛称がパッフィンでした。
ゴタゴタがあって退部を決意し、最後に自分のあだ名の由来となった
パフィンを一目見たいと、日本国内で観られるかもしれない場所
まで遠征する話がありました。(行き先=北海道東部・霧多布)
1984年当時、北海道でも観れたのかもしれませんが、今は どう
なのでしょう。もっとも、断崖に営巣するらしいです。
居たとしても、簡単に観られるトリさんではなさそう。∂▽∂アー
■光るコウモリ?
体の光るコウモリが一筋の道筋を示し、動物たちの逃げるルートの
案内をしている場面がありました。(気のせい?)
コウモリって、昼なお暗い洞窟などで暮らし、夕方になると虫などを
食べるために活動を開始するイメージ。夜行性ということは、光は苦手
なのではないかと思っていたのですが… うーん
とても気になったので調べてみたのですが、光を発するコウモリが存在
するのか分かりませんでした。
発光するコウモリは、いるのでしょうか? はて?△?
◇最後に
ヤドカリの爺さんは「ヒゲ爺(ダーウィンが来た)」みたいだし
カワウソの " ほるるん " と言いながら穴を掘る仕種とか
最後に産まれたおチビちゃんは、文字通り " ふわっふわ " ♪
登場するキャラクターが可愛くて、観ていて和む作品でした。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
完全に、夏休みの小学生仕様
独自固有な絵柄と絵本的なストーリー
小学生低学年以下のお子さんがいらっしゃるご家族には
観ていただけるとうれしい作品。
絵柄が実に個性的且つかわいらしさを強調しており、
また、動物たちの特徴を捉えつつも、うまくデフォルメしているため
ちゃんと何の動物かもわかるという上手さ。
話の内容も、子どもであれ大人であれ、誰でも経験する気まずい思いを軸に
それでも正直にいられることで、まわりとのコミュニケーションも良好に、
また信頼に変わっていくあたり、大人が観るのにも充分耐えうるクオリティだ。
むしろ大人にブッ刺さるかもしれないと思ったくらいだ。
吹替版だったため、物語に集中できたし、声優のみなさんも素晴らしい演技だった。
上野樹里のママもよかった(俳優時とはまた違った魅力)。
こういう作品を配給しているチャイルド・フィルムさんには今後も期待している。
舞台となる「トンガリ島」の美術・造形は素晴らしく、ゲーム化したら...
2ちゃんねるでやってそう
NHK教育テレビ(2ちゃんねる)でやってそう。
バフィンは、絶滅危惧種とのこと。
気候変動による大嵐で住処を無くし、トンガリ島にやってきたエトピリカの女の子イザベルが、良かれと思ってしたことが実は「悪いこと」で、自分がやったと言い出せないがために小さいウソをつき、うそを隠すための嘘をつき、そのせいで友達が濡れ衣を着せられている。そして、自分たちの住処を消し去ったような大型の嵐が迫っている。
これをどう解決するか。子供ながらに考え、葛藤する。
小さい「事件」を通じて、友情と周囲の大人の温かさに触れて、環境になじめなかったイザベルが心を開いてようやく居場所見つける。
気候変動や多様性といったテーマを交えながら、こどもの小さい冒険と成長、心温かい大人たちの、ほのぼの良いお話。かくあるべき、という押しつけがましさがないのが良いです。
バックに流れている曲も良かった。
時々日本画のようだったり、墨絵風だったり、背景の画が良い。
トンガリ島一帯は、カラフルな色使いで絵本のよう。
キャラクターの絵がかわいくなくて馴染めなかったが、見ているうちにだんだんかわいく見えてきた。
吹き替え版で観ましたが、ナレーションがちょっとうるさいような。
Funny
カートゥーンサルーン作品は「ウルフウォーカー」で初めましてでそのまま過去作を振り返ったりしていましたが、久々の新作はなかなかポップそうで楽しみにしていました。
吹き替えで公開されていたのも雰囲気に合っていてナイス〜と思いました。
全体的に優しい作りになっていましたが、それ故に前作までの厳しい世界で生きるという絵柄とはまた違うハードさが楽しみだっただけに物足りなさが目立ってしまいました。
展開的には行動の一つ二つが連鎖しまくって悪い方向にいくのが辛さに拍車をかけているようには見えるんですが、やはりポップさがそれ以上に強く出てしまったせいかインパクトには欠けたかなと思いました。
子供心ながら最初に抱える罪悪感を描いており、幼稚園から小学校、小学校から中学校に上がった時のようなモヤモヤ感が動物たちで表現されていたのは興味深かったです。
展開的にはそれ一辺倒で大きなどんでん返しはそこまで無かったので、そこを求めすぎてしまったかなとは思いました。
アニメーションはやはり素晴らしく、絵本がそのまま飛び出してきたかのような豊かさがとても良いですし、動物たちの可愛さがこれでもかってくらい表現されていて良きでした。
テイストもガラッと変えたりと今までのカートゥーンサルーンから進化していっていて次回作がより楽しみになりました。
チョーさんのナレーションがこれまた心地よく、動物たち以上にリアクションをとってくれるのもこれまた面白かったです。
ちょっとターゲット層から今作はズレていたかなと思いました。
これが小学校の時の授業とかで流れたらめっちゃ嬉しかったと思います。
大人になっちまったのか…。
TVシリーズの方はとりあえず確認しておこうと思います。
次回作はまたハードな世界観でお待ちしております。
鑑賞日 6/12
鑑賞時間 18:55〜20:20
タイトルなし(ネタバレ)
日本語吹替版で鑑賞しました。
海に浮かぶ小さなトンガリ島。
海鳥パフィンの女の子ウーナと弟のババが暮らしている。
島には、パフィンのほかにさまざまな動物たちもいる。
ある日、嵐によって故郷を離れたエトピリカのイザベルが仲間の鳥とともに島にやって来るが、島には馴染めない。
そんな中、事件が起こり・・・
といったところからはじまる物語。
『ウルフウォーカー』などのアニメーション・スタジオ、カートゥーン・サルーンによる作品なので、絵の魅力は相当高い。
絵本の絵が動く、という驚きを感じます。
が、ストーリーは子ども向け。
前作までの神話的寓話的深みはなく、現実を写実するような魅力もない。
なので、アニメーションとして、動く絵本をじっくりと楽しみたいところ。
ですが、吹替のナレーションが煩わしく(台詞部分は、特に気にならなかったが)、じっくりと落ち着いて観ていられなかったわぁ。
残念。
オリジナルの原語版にもナレーションは入っているのかしらん。
カワウソかわいい
このスタジオの作品は4作目。
前の3作品は全部字幕版だったけど、今回はキャラクターデザインもあってか吹き替えも子供向けに寄せてる。
アザラシは再登場。
引っ越したばかりで不安なのは分かるけど、せっかく遊びに誘われてるのに断ったり、フェニックス以外と交流しないイザベルにちょっとイラッときた。
その上まったく悪くないマーヴィンに濡れ衣着せようとしたり、どうも好かん。カワウソ贔屓だから余計に。
みんなあっさり許すのもなんだかなって感じ。
『野生の島のロズ』にもあった、みんなで洞窟に移動するところはノアの方舟のような、宗教観のようなものなのかもしれないけれど、神秘的で良かった。
悪くはないけど、個人的には『ブレンダンとケルズの秘密』は超えなかったかな。
かわいいし、癒やされた!
やっと今年はじめのアニメ。海外のアニメだが、ストーリーは見事!重いし、時間も長いし、ハラハラドキドキの後に癒やされる作品が観たいと思ったが、ドンピシャ。アニメでも色々環境問題や人生で大切なことをこのアニメから色々考えさせられた。動物たちが可愛い。海鳥はもちろんのこと。特に、ババは可愛い!
未就学児向けEテレ番組のノリ
カートゥーン・サルーンの新作は、ケルト三部作より寓話性・児童向きの傾向が強まり、日本で言えばEテレの未就学児向け番組のノリ。
観終わったあと調べてみたら、幼い子供たち向けの人気TVシリーズの劇場版でした。
動物たちの住む小島は、アイルランドそのものの喩(たと)えで、多民族多宗教(=いろんな種族の動物)ながらもそれぞれが共存している状態。
「嵐で故郷を失ったエトピリカ」とは、戦争や災害で住む場所を失った難民もしくは移民の子で、親にはぐれて迷い込んできたように見えました。
その子が寂しさや不安で他人に頼れず、文化や宗教の違いで「よかれと思って」やったことが、その地に以前から住む者たちから見れば批判の対象になり、責められる羽目になる、というのは実際に欧州の人間社会で多く見られるトラブルそのもの。
でも、とてもいい子なパフィンの姉弟が手を差し伸べ、襲いくる大災害(他国からの侵略や急激な気候変動による自然災害)の前には、わだかまりを捨てて許し、皆で手を取り合い助け合って生きようよ、と諭(さと)す……
深さよりは浅くてもわかりやすさに特化したつくりで、とても丁寧な作品で好印象でした。
吹替版だとチョーさんの優しいナレーションがやや眠気を誘発する向きはありますが、ほっこり心の温かくなる良作です。
期待する流れとチト違う展開の物語でした
初のアイルランドアニメでした。題名にある”パフィン”とは、日本語で”ニシツノメドリ”と言われる海鳥の一種だそうですが、日本語で言われても知らない鳥でした💦ただ姿かたちだけでなく、海に潜って魚を捕っている様子が出て来たので、最初はペンギンかと思いましたが、全然違いました。
舞台はパフィンをはじめとする鳥たちや、ネズミ、カニ、キツネ、カエルなどなど、多種多様な動物たちが暮らす小さな島。主人公は島で暮らす子どもパフィンのウーナ(新田恵海)。この島に、地球温暖化の影響で元々住んでいた島を追われたエトピリカ(これまた知らない鳥)の子どものイザベル(田所あずさ)や、キンケイ(これも知らなかった💦)の子どものフェニックス(降幡愛)が移住して来て起こる”卵”を巡るお話でした。
この辺りのことが説明される物語の序盤を観る限り、”地球温暖化”や”移民”と言った現代世界の重要テーマを寓話化したお話かと身を乗り出して観たのですが、残念ながら物語はそういう方向に行きませんでした。
ではどういう展開だったかと言えば、パフィンの卵の世話を買って出たイザベルが、焦りと勘違いから卵を別の場所に動かしてしまい、みんなが卵捜しと犯人捜しをすることになるというものでした。その過程で、カワウソのマーヴィン(大橋彩香)が疑われるということがあったものの、最終的に卵は無事で、ひな鳥も生まれてハッピーエンドとなる流れでした。まあこれはこれで良いお話と言えばそうなのかも知れませんが、”共生”の難しさが世界中で実証されている今日において、みんなハッピーというお話はやや浮世離れし過ぎているようにも感じたところでした。
また、自分が期待するような展開にならなかったことは、残念ではあるものの致し方ないのですが、そもそも大事な卵を島に移って来たばかりの子ども鳥であるイザベルに任せたところがどうも納得行かず、その点を引き摺ったまま物語が進んで行ったことも、終始波に乗れないままエンディングを迎えてしまった一因となりました。
そんな訳で、本作の評価は★2.6とします。
期待し過ぎたな
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