「現代的面白さは感じながら、やや一方的さは気に‥」山田くんとLv999の恋をする komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
現代的面白さは感じながら、やや一方的さは気に‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっていたので短く)
オンラインゲームを介しながらの恋愛ストーリーは現代的な面白さを感じながら、やや主人公・木之下茜(山下美月さん)の言動などが一方的なのは気になりました。
加えてその裏表なのですが、周りの人物がやや主人公らにとって都合の良い振る舞いをしているところも気になりました。
例えば、佐々木瑠奈(月島琉衣さん)は、山田秋斗/山田くん(作間龍斗さん)に淡い好意を持っていたからこそ、木之下茜がギルドに参加することを拒んでいたはずです。
しかし、その後に佐々木瑠奈は、前田桃子(甲田まひるさん)に促され、木之下茜と山田秋斗との恋中のアシストをしようとします。
もちろん佐々木瑠奈を演じた月島琉衣さんは優れた女優俳優だと思われ、山田くんへの淡い恋心から2人の恋のアシストへの心の持ちようの変化を1カットで見事に表現していたと思われましたが、佐々木瑠奈の心の流れからすれば、脚本演出としてはさすがに無理があり過ぎる構成だったと思われます。
椿ゆかり(茅島みずきさん)の一方的な山田くんへの告白含めて、そこから本来ならドラマ展開されるはずの次の段階に主人公以外は行くことなく、主人公・木之下茜のモノローグ含めて、主人公の心の一方的な肯定は、個人的には気になり、映画作品としては僭越ながら今回の点数となりました。(辛口でスミマセン‥)
山田くんの人物造形も、面白さは感じながら、1観客の男性側から見ると、やや主人公(女性)にとって都合の良い印象は持ちました。
ただ、これまで多くの映画が、男性側からの都合の良い女性像を描いて来た時代から、その真逆の作品が作られているということは、多様性開放的な時代としては、個人的にも大変良いことだとは思われて、一方で納得感もありつつ映画館を後にしました。