「エンドロール後まで観て。作間君の好演が◎」山田くんとLv999の恋をする 木根間さんの映画レビュー(感想・評価)
エンドロール後まで観て。作間君の好演が◎
エンドロール後に映像が続くパターンの映画なので観た方が良いです。
作間龍斗君の山田は、ビジュアルだけでなく声も声優さんに寄せていて、原作愛と演技への熱量がしっかりと伝わってくる好演でした。若くして、事務所のバーターとはいえ大河ドラマに抜擢されるだけあります。コタツがない家から注目していましたが、事務所のゴリ押しだけでは図れない、俳優としての伸び代が期待できる人だと思いました。ファンの贔屓目とか無しに、映画好き、漫画好きとしてそう思える演技でした。
また、脚本も原作の巻数を無理やり詰め込むのではなく付き合うまでの過程を大切に描いてくれているので、表情や心理描写の変化が丁寧で、映画としてもとても観やすかったです。例えるなら、俺物語‼︎の野木亜紀子さんの脚本のようでした。
少し、直していただきたい点も書きます。
2点だけ言うのであれば某名シーン「バレたか」はもう少し引きの映像で撮っていただきたかったのと、角度まで完璧に揃えていただきたかったです。なぜドアップローアングル?
もう1点は瑛太の演技です。瑠璃姫とのギャップとして、現実ではちょっと声高めでふざけつつも(語尾にハートとかつくし)包容力のあるしっかりした男性であり、ネカマ。という感じなのに、実写では棒読み気味なのに喋り方がホワホワしすぎてオカマ(死語だと思いますが敢えて書きます)っぽかったのが残念です。お兄ちゃんには見えませんでした。この方だけ演技が浮いているなと感じました。
ここからは事務所に対する意見になります↓
こういう所謂アイドルが主役のスイーツ映画は主題歌が所属アイドルのことが殆どですが、作間君はまだCDデビューしていない上にアリーナツアーまで成功させた所属グループも解体されてしまい、デビューしていないが故に主題歌は他アーティストで(同じグループに所属していた井上瑞稀君の『おとななじみ』のとき、作間君主演の『うちの弟どもがすみません』も同様に)グループの音楽に還元できなかった点はファンも本人も、悔しいと思います。そもそも本人たちはグループ活動に繋げるために、入り口となるために、俳優業もやっているわけですから。
努力しているアイドルたちが報われる世の中になれば良いなと思いました。デビューしていないジュニア主演はOKなのにCDデビューできていないのは、デビュー組に比べてお給料の面でも大きく変わってきますし、飼い殺されているというと語弊がありますが、少々安売りしすぎなのではと思ってしまいました。デビュー組で高校生役できる年齢の人が少なくなってきたのなら、尚更フレッシュな人を今の年齢でデビューさせるべきでは?と懐疑的になってしまいました。