「あたたかく、さみしい」HERE 時を越えて ツネさんの映画レビュー(感想・評価)
あたたかく、さみしい
・100年くらいの歴史がありそうな家で暮らした家族模様の話だった。恐竜のいる時代からかいっと驚いたけど、確かに地面はずっと過去からあるんだよなと思った。冒頭から様々な時代のワイプと家庭がありましたという感じが泣きそうになった。カメラが固定で画面の変化がほとんどない状態を色々なワイプで時空を超えた演出で見飽きることがなくて凄かった。
・舞台となったような歴史が深い家ってどれぐらいあるんだろうと思った。多いのか、そんなにないのか。
・普通の家族が普通に暮らしている様子を撮りためたものを編集した映画みたいな感じだった。日常で起こる範囲のトラブルが続いていくのが、ドキュメントみたいに見えてきて実際にいるアメリカの家族の記録のような気もした。
・奥さんが始終、家を建てて出ようと言って拒絶した末に家を出ていった。その後、リチャードが後悔を懺悔するシーンがあった。動かなければ心配がなくなると思ったというのがぐっと来た。守るための行動で相手を傷つけている事が辛かった。
・発明家の夫婦が異常に明るくて面白かった。何となく、悪徳業者に騙されてるんじゃないかと思って観ていた。成功したのかどうかわからないままに終わった気がする。どうだったんだろう。墜落で亡くなったのかと思った父親がインフルエンザだったり、笑いの要素もあって良かった。
・家政婦の人が多分、コロナに感染して亡くなっていた。数十年してこの映画を観た時、においを感じなくなる病気って何?って思う人いるんだろうなっていう演出だったのでそう思った。
・黒人の青年が両親から警察に会った時の話を重々しく説明していて、考えたことがなかったけれど確かにそういう話をしっかりしておかないといけないんだなと思った。
・子供の誕生から団らんなどのシーンはとてもあたたかった。その後、子供が大きくなって病気や死別、離婚など年齢を重ねていけばいくほどさみしくなっていって、切なくなった。けれど、人生って感じがした。