「「時を越えて」もBTTFは越えられず」HERE 時を越えて Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
「時を越えて」もBTTFは越えられず
4月4日(金)
3日間雨と寒さと家裁提出資料の作成で映画館へ行けなかった。MOVIX川口で本日公開初日の「HERE 時を越えて」を。
いきなり恐竜が走り去る。ジュラシック・パークかと思えば火山が噴火し、氷河期がやって来る。カメラはFIXしたままである。
千住民がこの地に住んでいる。
1900年代、その地に家が立つ。
1920年代、飛行士の家族が住む。妻は飛行機が落ちる事を心配するが、夫はインフルエンザで亡くなり、この部屋で葬式が執り行われる。妻は家を売る。
1940年代、リクライニング・チェアを考案した男が妻と住んでいる。部屋には日本軍がパールハーバーを攻撃したニュースが流れる。
1945年、戦地から帰還したアルと妻ローズがこの家を購入し、長男のリチャードが
誕生する。
1960年代、高校生になったリチャード(トム・ハンクス)はマーガレット(ロビン・ライト)と恋に落ち、居間のソファでSEXしてマーガレットは妊娠し、この部屋で結婚式を挙げる。そしてこの家に住む。TVではエド・サリバンショーにTheBeatlesが出演している。ディーン・マーチンがTVに映っている事もある。
その後、母は亡くなり、父の介護をするようになり、妻は出て行く。父も亡くなり、リチャードはこの家を売る。
その後、黒人の親子がこの家住む。
カメラは、20年、40年、60年経ってもFIXしたままで同じアングルでこの家の居間を映し続ける。
どの世代でも描かれるのはこの部屋での父と母と子、そして夫と妻、つまり家族と家庭の姿で、結婚式、葬式、クリスマス、出産!と死である。
ロバート・ゼメキス監督は、実験的な事を良くやるが、本作もその一つなのだろう。
しかし、この試みは成功したとは言い難い。
各世代が時間順に描かれる訳ではなく、40年前に移動したり、20年後にバックトゥザフューチャーしたりするのだ。各世代間にも何ら関わりや関連がない。
前に住んでいた家族等と繋がりがあれば話が違うが、唯一の繋がりが千住民のネックレスだけでは翠富士の肩すかしである。
(あ、相撲を知らない人には解らないか)
ラスト、リチャードとマーガレットはこの部屋を訪れる。それまでずっとFIXしていたカメラは動き出し、ヒッチコックのようなカメラの動きを見せるが、感動が無い。
ゼメキスの意図は解らないでもないが、共感は出来ないね。
おまけ
「白雪姫」でもそうだったが、VFXのデジタル・アーティストの数が多くてクレジットが長い。104分の映画で約7分もクレジットがあるのは勘弁して欲しいな。
コメントありがとうございます。
晩年のアルが寝てたソファベッドが、もしかしたらリラックスボーイの旦那作かなぁ、とかも過ぎりましたが…
全家族とは言わないですが、緩くでもどっか繋がりがほしかったです。
カメラ固定で一本は、さすがに無理のほうが目立ちましたね。最後のところは、「フォレスト・ガンプ」のような感じが出てきかかったのですが、それにしては、ストーリーがバラバラ過ぎました。
ホント時系列弄っていた意味がなく肩透かしでしたよね(*_*)
ネックレスにしたって、時系列いじった意味にはなってないですし…強いて言えば、こうしないと黒人家族の話しが登場させにくくなってしまうぐらいでしょうか。