「被害者なのに加害者になってしまう悲劇」ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
被害者なのに加害者になってしまう悲劇
アメリカでジャズシンガーになることを夢見ていたユダヤ人女性のステラだったが、ナチスに囚われ、生き延びるために密告者となり…
ユダヤ人として生まれたがために背負わされる過酷な運命。つい最近『ブルータリスト』や『リアル・ペイン』と、ユダヤ人が主人公の作品を立て続けに観たこともあり、ホントにユダヤの民っていつの時代も虐げられてしまうのかと気の毒に思ってしまう。
色んな意味で観ているのが辛いし、被害者なのに加害者にもなってしまった彼女を一概には責められないだろう。というか我々は責める立場にない。
本作の監督キリアン・リートホーフは、パリの同時多発テロ事件で妻を亡くした男を主人公にした『ぼくは君たちを憎まないことにした』を撮っている。憎悪から得るものは何もない、というメッセージが込められたこの作品と本作の根底が一緒なのが興味深い。
ただ蛇足だが、本作といい『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』といい、分かりやすくする為とはいえサブタイに「ヒトラー」を用いるのは少々短絡すぎないか。
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regencyさんのコメント
2025年2月7日
>talismanさん
単に「ユダヤ人同胞を売った女」でもいいような気もするんですが…そもそもタイトルで興味を持ってほしいという狙いはやむを得ないとはいえ、説明文っぽいサブタイがなんだかなぁと。