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原作をもとに作られていたか、それとも完全なオリジナルかわかりませんが、映像はきれいとはいえ、いろんな意味でひどいです。見ているときに、苦痛しか感じられませんでした。アカウントを作ったのも、レビューを書くためです。
❶ストーリーの展開は意味がわかりません。脚本をちゃんと見直したりして書いているかなと疑うくらいです。なんとなくあっち行ったりこっち行ったりするように、ストーリー性や合理性が全くなく、好きなだけ、雑にストーリーを進めている感じでした。
❷序盤でおじさんが男の主人公にこっそりとなにかを話していたが、それはなんなのか、なぜそういうシーンをセッティングしたか、わかりません。最後まで、なにを話したかについて説明されていませんでした。「別にこのシーンは入れなくても良くない?」と思いました。
❸病院でなぜ黒いマントの女性によって助けられたかも、全く説明が行われていませんでした。主人公たちとの会話もほとんどなされておらず、あたかも女性の「気まぐれ」のようでした。強引にストーリーを進めようとしていて、どうしても違和感を覚えてしまいます。要するに、女性の動機も作者の意図もわかりません。
❹竜の姿がひどすぎます。全体的には中国の竜にすごく似ているが、なぜか翼がついています。中国での竜なら、神のような神聖なる存在で、翼はないはずです。西洋のドラゴンなら翼はあるが、邪悪な存在として主に捉えられています。いったいなぜ竜の姿をそういうふうに設定したか意味不明。
❺「シャンバラの入口は閉ざそうとしている」、「選ばれた人でないと入れない」と言っているけど、結局主人公は何もせずに、竜が飛んでいくだけで入れました...洞庭湖の天女さまですら入れないのに、主人公だから入れました?不合理すぎます...
❻「まずは桃源郷」と言っているけど、映った桃源郷は一瞬だけ。主人公たちが「きれいだ!」と感心しただけで終わっていて、すぐにシャンバラのシーン...
❼はっきりとは覚えていないが、たぶん「シャンバラで修行して地獄の人々を助けてあげたい!」、「でもそこから帰ってくる人は誰一人としていない」と言っていたけど...助けたいと思っているはずの主人公は修行をほぼあきらめていました。そこから、神様や仏様の存在を信じるようになっただけで、簡単に帰れたんです...「え?なんで?」、「じゃあ、なんのために修行しようとしたの?」、「そしたら別に地獄の人々のシーンじゃなく、世の中の苦しい光景を入れたほうがまだ説明がつくんじゃないの?」と思いました。どうせ「神様を信じれば幸せになれる」や「体よりも魂のほうが重要」と、この映画が伝えようとしているんでしょう?
総じて、内容的に飛びすぎていて、おすすめできるような映画ではないかと思います。骨組みが見えず、中身もほぼ空っぽに等しく、いろんな不必要な肉付けがされています。そのせいか、かなり鑑賞者の混乱を引き起こしてしまいます。個人的にはむしろ、全体的に地獄のストーリーを深掘りしたほうが、映画としてはよりおもしろく出来上がるんじゃないかと思います。