「フランス人と付き合うのは、大変だと思い知らされる映画。」オークション 盗まれたエゴン・シーレ いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
フランス人と付き合うのは、大変だと思い知らされる映画。
エゴン・シーレは今私が一番好きな画家だ。先年、東京で大規模な回顧展が開催された時、名古屋から駆けつけたほどだ。
観てみたら、エゴン・シーレの絵よりも、発見された絵にまつわる人間模様を描く作品だった。フランス人は個人主義の国だと聞いている。絵を発見した青年の家族を除くと一癖も二癖もある人間ばかりで、私などとても付き合えない。まぁ、面白くするため創作しているだろうけれど。絵の価値なんて関係ない。絵の付く値段(金欲)に動かされる人間を描く作品だった。これはこれで評価出来る。多かれ少なかれ、世界共通だからだ。オークションの裏側を見れるのも勉強になった。
ナチスが頽廃芸術として、強奪したエゴン・シーレを評価しなかったのも、私には興味をそそられた。
私は先ずクリムトに惹かれたが、弟子筋に当たるシーレの絵を観て驚いた。師匠を超えていると直感したからだ。50年前か。日本で人気を呼ぶようになったのは、ここ30年くらいだと思う。エゴン・シーレの伝記映画も作られたが、観てみたら今一つだった。
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