犬と戦争　ウクライナで私が見たことのレビュー・感想・評価

私は犬好きじゃないのだけれど、これは中々面白かった。
最初は「犬の命が大切、とは言っても人間が優先でしょ」と思っていたけれど、最後まで観て、製作の意図を掴むことが出来た。

特に、元英国兵士がボランティアで世界中の戦争で犬を保護する活動をしていること、その人が自分の経験を踏まえて「犬セラピー」を行っていること等を知って、ペットを含む動物との関係は、人にとってとても重要なことになり得ると感じた。

どんな感じかな？と思っていたけれど、中々良い映画でした。
東出昌大さんの抑えたナレーションも善き。

ー　序盤は、戦時に犬の命を命を懸けて、助けようとする人たちの姿に感銘を受けるが、観ているうちに、徐々にもっと深い意味合いが分かって来た作品。－

◆感想

・ボランティアで戦時のウクライナで、ペットの犬たちを救う行為をしている人たちが多数映されるが、一番印象に残ったのは、世界各地で戦って来た男性がPTSDになり、半年部屋から出られなくなった時に、飼う事になった犬に癒されてPTSDを乗り越え、戦う人から救う人になったと、彼自身が語るシーンだな。

・他の方々も、それに似た感じがするな。勿論、動物が好きでなければ出来ない、崇高な行為だけれども。

・そして、傷ついたウクライナ兵たちが、犬によって癒され笑顔になるシーンも、印象的だったな。

＜後半は、そこから現在のウクライナの状況を映し出して行くのだが、本当に戦争は何物も生み出さない行為だという事を、改めて認識したな。
　ロシアを統べる男も、ウクライナを統べる男も、アメリカを統べる男も、話し合いという言葉を知らないのかな、と思ってしまった作品である。＞