「ウクライナ戦争下の犬たち」犬と戦争 ウクライナで私が見たこと 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
ウクライナ戦争下の犬たち
本作の山田あかね監督は、東日本大震災で取り残されたペットたちに関するドキュメンタリー映画『犬に名前をつける日』などを監督してきた方だ。今回はロシア・ウクライナ戦争で取り残されたペットたちを救出しようと奮闘する人々追いかける作品だ。現地まで何度も足を運び、丹念に取材を重ねている。
冒頭に、保健所で置き去りにされた多くの犬たちの犬たちの悲劇が写される。犬好きほど、この映画に関心を寄せると思うのだが、安易にオススメできる映像ではない。非常に痛ましい映像なので、見る時はある程度の覚悟を持っておいてほしい。
後半では、アフガン戦争などでPTSDとなったイギリス人の元軍人が登場する。彼は、今ウクライナやガザでペットの救出作業をやっている。犬に救ってもらった恩を返すためにやっているのだという。命を奪う軍人から命を救う活動に転身した彼のエピソードがハイライトだろう。アニマルセラピーの効果について考える上でも貴重な内容だった。
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