Retake リテイクのレビュー・感想・評価
全8件を表示
よくある映画製作映画と思いきや
高校生活最後の夏休み、マイペース女子に巻き込まれる形で映画製作に打ち込む少年の物語。
よくある映画製作映画と思いきや、映画製作がストップしてしまうバッドエンドを、映画ならではの方法で乗り越えていく展開が斬新かつ衝撃的。それでいてキュンとさせられる青春映画の佳作。
シアターセブンさんのようなインディーズ映画多めの作品の中ではよい評価
今年44本目(合計1,586本目/今月(2025年2月度)7本目)
シアターセブンさんというと、すぐ上のナナゲイさんとセットの扱いで(だから、実質的にはスクリーン3つ)、主にインディーズ映画を流すことが多いし、そもそも「ベイビーわるきゅーれ」を初期のころから流していたほどです。そうした「いつヒットするかわからない、そのインディーズ映画を見に行く」ために意味はあると思っています。
さて、こちらの作品です。
映画撮影が趣味の主人公がいろいろな人と出会って、そして交流をしながら、映画を作っていくお話です。場所は明確には出ていなかったと思いますが、最後のエンディングロールで湘南がどうこうということなので、その地方なのだろうと思います(本質論ではない)。
多少起伏に乏しい展開が続くので、そこがどうかな、と思いますが、当時私が高校生だったら(2年だったか3年だったとか、そういう記述ありましたっけ?)どうしてただろう?と考えると、(映画というストーリーの中のこととはいえ)今の高校生の子はいろいろやるなぁとは思ったし、その映画のストーリーとはいえ、今と昔じゃ違うんですよね。
個々個々気になる点はあるものの全般的に誰かか「明らかに」悪く描かれているわけではないし、個々個々傷ついたり傷つけたりという点はあります。ただ、この年齢の子を扱う映画であればそれは当然の理だし、そのことについては、それに仮託した人身攻撃等でない限り映画としては評価しますし、そういった「今の高校生、中学生のパワー」をもっと見せて欲しい、といったところでしょうか。
決してこう、派手な演出がある映画ではないですが、迷ったらおすすめというところです。
採点に関して「特に」気になった点があるので、そこは書いておきます。
---------------------------------------------------
(減点0.3/エンディングロールが非常に読みづらい)
通常、エンディングロールの文字は何らか読めるように工夫されていると思いますが、この映画では湘南かどこかの川(映画内では、川や川辺で映画を撮っているシーンが一定数あります)の写真がうつり、そこに「黒い文字で」「協力だれそれ」と出てくるので、ちょっと読みづらいというか「読めない」といったところです。
こうしたインディーズ映画においては、やはりそこから「推しの人、監督さんなどを見つけて応援していくこと」が、やがて大きな映画館、ひいてはテレビのドラマにまで出てくる(プリテンダーズの見上愛さん(2026年のNHHテレビドラマ)や、ベイビーわるきゅーれの、高石あかりさん(2025年秋のNHKテレビドラマ)など。いずれも、大阪市ではシアターセブンでは放映されている)という、この「推しを探して欲しい」という点は、2021年に感銘を受けた「消えない虹」のトークショーで特に監督さんがおっしゃっていた点であり、その点に配慮がなかった字幕がちょっと残念ではありました(パンフ買ったら全員載っているのかな)。
---------------------------------------------------
むむむむ!
新宿での用事が済んで、この時間から観られる映画はあるかなと探して、たまたま観た作品。
序盤、あまりに素人っぽくて、なんだこの編集は?!なんでこのカメラアングル!?スーパーカーとか登場人物と紛らわしい人物とか映り込み過ぎじゃん!これ観たの失敗だったかあ…と思っていたら…ああ!そういうことか!
上映後、舞台で中野監督と今関あきよし監督の対談を聞けたのも幸運だった。
今関監督の話で自分の感性が言語化されていくのも快感だった。
高校生の描き方がナチュラルだなと思っていたら、中野監督はロケ地の藤沢総合高校で映像を教えていたとのこと。主演もその教え子と聞いて、なるほどと得心した。
エンドロールの上空からの遠景も青春っぽくて好きだ。
映画の中の映画の中の現実
写真を撮るのが好きな高校三年生の景は、映画を撮りたいという同級生の遊からカメラマンをして欲しいと頼まれる。
仲間を集めて映画づくりを始める景と遊。
順調に進んでいた映画づくりだったが……
主演の麗さんがボーカルのバンド、チョーキューメイが好きなのと、なんとなく面白そうだと思って観に行ったけど…
この映画すごい好き。
映画を撮る映画って、出し尽くされた感があるのに、観るたびに違う魅力と発見がある。
やっぱり自分は映画が好きなんだなって、そう思う。
この映画もまた、観たことない新鮮さがあって、なんだかよく分からないけれど感情がぐちゃぐちゃになって、胸が締め付けられるように恋をしてしまった。
劇中で遊たちが撮っている映画では、「時間の流れない世界への旅」が描かれる。
川の流れのようにすぎていく「時」。
そして、物語は湖へと辿り着く。
湖に辿り着いた水は水蒸気となり雲となり雨となって、また大地に降り注ぐのだ。
遊はラストシーンについて悩む。
「時間の流れない世界への旅」を終わらせるべきか、否か。
映画はどんな形でも終わらせなければならない。
この映画が選んだ「おわり」方はとても可愛らしい。
時だけが過ぎていく残酷な青春へのこの幕の下ろし方は大正解だと思った。
一度流れてしまったら元に戻ることはない時間。
その流れに逆行し、その川を遡るには努力がいる。
来年から社会人となる自分だけれど、なんだかすごく刺さってしまった。
大学では演劇をやったり後輩のドラマ撮影に参加したりと、密かに憧れのあった世界に挑戦はした。
でも、もう一歩踏み出せなかったようにも思う。
親の顔とか世間体とか気にしてばかりで、気づけば安全な方ばかり選んでいた気がする。
この映画を観て撮影に協力した時や演技をしていた時の感情がぶわぁーと湧き上がってきた。
映画撮りたかった!もっと演技したかった!
やっぱりエンターテイメントが、見るのもやるのも好きなんだな。
自分の選んだ道に決して後悔があるわけではないけれど、もう過ぎた時間は嘆いても帰ってこない。
やりたいことはある程度なんでもできる時代。これからどんなアクションを取るかも自分次第だ。
こういうものづくりの現場を少しでも経験したことのある人は刺さる部分があるんじゃないかな。
例えば、恋愛とか…
創作活動において恋愛感情は自然に発生してしまうものだけど、恋愛を介在してはならないみたいな。
ものすごくリアルだった。
だって遊みたいな女の子いるもん。
こうなるのが怖くて諦めた恋があったっけ。
これぞ青春映画だと思う。
青春を描いたドラマや映画って、「そんな青春自分には無かったヨ」ってものが多いけどこれは違う。
見覚えのある風景。聞き覚えのある音。
何気ないあの時のあの景色がこの映画にはあった。
いつってわけじゃないけど、あの頃。
私の偏愛かもしれないけど、早速今年ベストかもしれない。
上映館数は少ないけど、たくさんの人に観て欲しい。
こんな余韻が残ってる映画は久しぶりだな。
追記
相田冬二さんと中野晃太監督のトークショー付き。
上映後には、監督と少しお話できたしパンフレットにサインも頂けた。
是非また映画撮って欲しい。
映画の中の映画に引き込まれていく!
高校生だしその時のノリですね
高校最後の夏に映画を撮影する5人の男女の話。
カメラが趣味の景が町中で撮影している際に聞こえた鼻歌に惹かれ、川辺で踊ると出会い、海の半強制的な誘いで映画を撮ることになっていく。。。
それぞれの友人を巻き込んで、結末はNO PLANの撮影を始めて行くけれど、なんだか同じ様なことが繰り返されて遅々として物語が進まず…。
やっとこ進んだと思ったら、なるほどRetakeですか。
切られたTakeが効いていないとは言わないけれど、なんだかちょっとモヤモヤ…。
そして終盤になってまたもや回数多すぎてモヤモヤ…からの、無難に終わらせた感じだけれど、今度は切られた部分が背景にあるから物足りなさを感じてしまった。
そして劇中劇もみせて欲しかった。
ラストシーンどうする?
全8件を表示