「【”人は老いる。それが自然の摂理。けれども・・。”今作は不思議なウイスキーを飲み若返った三人の女性が、”ありのままの自分で生きる気持ちが大切”と言う気持ちに気付くファンタジックストーリーである。】」アーサーズ・ウイスキー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人は老いる。それが自然の摂理。けれども・・。”今作は不思議なウイスキーを飲み若返った三人の女性が、”ありのままの自分で生きる気持ちが大切”と言う気持ちに気付くファンタジックストーリーである。】
■発明家の夫、アーサーを落雷で失ったジョーン(パトリシア・ホッジ)は、バスで席を譲られても座らない。
リンダ(ダイアン・キートン)は、元夫カールが自分より若い女に走った事で、心に傷を負い老いに抗う。
料理好きのスーザン(ルル)は、恋愛に奥手のまま、年を取った事を悔いている。
そんな、仲良し三人組は、ある日アーサーが発明したウイスキーを見つけて飲むと、20代に若返っている事に驚喜する・・、が。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・コメディタッチで物語は進むが、随所で結構深い台詞が出たりする。上手いなあと思ったのは、3人が夫々、若きときの生き方に悔いを持っている点と、それにより、老いに対し拒否感を持っている姿の描き方だろう。
余り、深刻過ぎず、けれども軽くはない描き方。
・若返った三人は、最初は狂喜するが、直ぐに元に戻ってしまう事と、若くなっても何故か心が満たされない事に気付いて行くのである。
そして、その原因が若きときの悔いにあると気付いた三人はその悔いを埋める行動に出るのである。
・ジョーンは、若きときにはタブー視されていた同性のカレンが生きている事を知り、会いに行くし、リンダは自分を裏切った元夫のカールの所に行き、強烈なキスをかましカールの同居の女を怒らせ、スーザンはキッチンカーの男との距離を縮めていくのである。
■3人が、ラスベガスに出掛けるシーンは楽しいし、可なり驚く。ナント、ステージにはボーイ・ジョージが居て、昔ながらの声で明るく”カーマ・カメレオン”を軽やかに謳いあげるのである。ビックリしたし、嬉しかったし、自分の生き方を変えずに生きるボーイ・ジョージの姿が見れただけで、満足しちゃったぞ!!
けれども、朝、リンダがホテルの部屋で亡くなっている姿が、発見されるのである。この映画はファンタジーではあるが、決して老いという現実を軽視していないのである。
<最近、会社で思う事は30代の頃のキツサが減ったかなという事と、同期の連中で、しょぼくれて笑顔が無くまるで生気のないように見える男と、元気溌剌でいつも笑顔で皆に頼られ、生き生きと働く奴と、イロイロと変わって来たなと感じる事が多くなってきた。
今作を観ていると、ヤッパリ自分らしく、いつも口角を上げて色んな人に接していれば多くの人に頼られて忙しいから、それが逆に元気になるきっかけになるし、今作の3人を見ていると、常に好奇心を持って背筋をまっすぐにして、前を向いて歩く大切さと、何でも話せる友人がいる事の大切さを感じたかな。じゃーね。>
老い、は最大の不安事項ですが、向き合い方にはいろいろあって、どうせ避けられないなら同じ年ごろのトモダチ同士でギャグネタにして、笑い飛ばしたほうが幸せっぽいと思います。おばさんたちはそういうの上手なんですよ、誰に教わったわけでもないのに。