「分からないけど圧巻ということだけ分かる」ブラックバード、ブラックベリー、私は私。 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
分からないけど圧巻ということだけ分かる
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オープニングから導入までがすごいんだよね。
オープニングは川の濁流だね。大雨の後の一粒一粒が生きてるような荒々しさで、主人公が濁流に巻き込まれるようなことが起こるんだろうなっていう。
画面が切り替わるとブラックベリーを採りながらブラックバードにみとれたと思うと谷底に落ちていく主人公。危ういところで踏みとどまるものの、帰り道では溺死体となった自分の幻影を見てしまう。
すると、どう見ても主人公のことが好きだろうという男が出てきて、主人公は誘惑し、48歳にして処女喪失。
ここまでがすごいね。
そこから色んなことが語られるんだけど。
語られてるなって分かるんだけど、何が語られているかは分からない。
ラストのシーケンスの裏切り感は良かったな。
「ここで放り投げるエンディングがくるんだな」と思ったらそうなって良かった。
あと画がすごいね。
ヨーロッパ近代絵画みたいな撮り方してる。フェルメールっぽいところもあって。
エテロっていう主人公の名前もなんか聖人っぽいし、そういう背景もなんかあるのかなと思いました。
なんだか分からない作品ってけっこうあるけど、分からないのに面白いか面白くないかは判別できて、だいたいみんな揃うね。
デビット・リンチが「みんな分からないっていうけど以外に分かってる」って書いてたけど、そうなのかなと思いました。
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