劇場公開日 2025年6月6日

「出会い別れ普通の人生が愛おしい」We Live in Time この時を生きて kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5出会い別れ普通の人生が愛おしい

2025年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

癒される

「余命もの」のラブストーリーにはあまり興味がないのだが、フローレンス・ピューが見たくて鑑賞したが、さばさばと湿っぽくない人生讃歌で愛おしい小作品。
離婚手続き中のトビアス(アンドリュー・ガーフィルド)はある偶然からシェフのアルムート(フローレンス・ピュー)と出会い、ひかれ合う。2人は娘を授かるがアルムートは2度目の癌を再発し余命わずかと知る。抗がん剤治療を受け、少しでも長く生きるのか、積極的治療をせず短いが充実した日々を過ごすのか、選択を迫られる。
劇的な展開や意外な結末などはなく、ストーリーとしては淡々としているのだが飽きるわけではない。そう感じさせるのは出会い恋人になる時期、子供を授かった時期、現在の闘病期の3つの時間軸を交錯させる編集の妙にある。出会い結婚、妊娠、闘病と時間軸通りに進んでいたらなんとも平凡な映画になっていただろう。
時間軸は頻繁に行き来しテロップなども入らないので混乱しそうだが、アルムートの髪型や妊娠中の体型を見れば明確。
劇的な人生を送る人など一握りに過ぎない。そんな平凡な人生でも劇的な瞬間である妊娠出産に焦点を当てたのは命を継いでいく素晴らしさを表現するためだろう。
命を継いでいくシーンの表現として卵を割るシーンが素晴らしい。そう、日常の一瞬一瞬のなにげないきらめきが人生を形作っていくのだ。
エンタメ系の役が多いフローレンス・ピューの新境地。役の幅が広がった。

kozuka
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。