「減点方式か、加点方式か、、」We Live in Time この時を生きて TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
減点方式か、加点方式か、、
フローレンス・ピュー×アンドリュー・ガーフィールド。好きな俳優二人が主演、そして劇場で何度となく観させられたトレーラーに抗うことを諦め、雨のサービスデイにTOHOシネマズ日本橋で鑑賞です。
まず最初に断りを入れておきますが、この手の作品に「ケチを付ける」ようなレビューは反感を買いそうで躊躇しましたし、実際のところ、自分自身も作品を観ながら涙腺が刺激されるシーンも少なくありませんでした。要するに感動したし、(一見して)欠点は見当たらない「100点」的な作品だと思います。時系列の行ったり来たりもストーリーを盛り上げるのに効果的に組み立てられていますし、混乱するような解りにくさもありません。そして、主演の二人は「こうあって欲しい」と思うイメージ通りのキャラクターのため、より説得力も感じます。兎に角、どこをとっても裏切られるところがなく、求めるものを観させてくれるため、「究極的な恋愛映画が観たい」的な目的なら迷わずお勧めしやすい作品だと思います。
ですが(ここからケチが始まります)、、、ここまでドラマティックな要素を「全部盛り」されると、反ってそれに慣れてしまい途中からは最早「ダイジェスト」に見えてきます。そして、あまりにイメージ通りな二人の的確な演技によって先が判るため、「泣きたい」と思って観れば心の準備が出来ますし、何ならあとはストーリーの「結末」を待つばかり。前述で「100点」的と表現しましたが、作品全体を振り返って思わず「琴線に触れる」といったような驚きはなく、加点がないという意味では「0点」とも。。。(なお、涙腺は馬鹿になっているので、悪しからず。)
ちなみに、ジョン・クローリー監督の前作『ブルックリン』もそうですが、「時代」や「人生」語るとダイジェスト的な作りになりがちなのは解ります。しかも、出来としては文句のつけようがないほどに完成されています。そして、二人の選ぶ言葉、決断、そして取り巻く情景など、どこを切りとっても美しくて大変に印象的です。(それは既にトレーラーが物語っている通り)更に、間違いなく言えるのはフローレンス・ピュー、アンドリュー・ガーフィールドのファンならば観て損はありません。
何だか上げたり、下げたり、そしてまた上げたりと、どっちつかずで保険を掛けたレビューみたいになってしまいましたが、ある意味自分にとってはこれが正直な感想です。何卒、ご容赦ください。