死に損なった男のレビュー・感想・評価
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想いのこし
私は、お笑い番組は見ないので、主役の水川かたまりさんは知りませんでしたが、演技上手だと思いました。幽霊役(綾の父役)の正名僕蔵さん、良い脇役でした。ツッコミどころはありますが、楽しめました。ただ劇中のお葬式コントは、つまらなかったです。個人的希望としては、綾役の唐田えりかと水川かたまりが、恋人同士になって、幽霊が消えるという話にして欲しかったです。幽霊のつきまといの映画では、岡田将生、広末涼子、鹿賀丈史、木南晴夏、松井愛莉主演の2014年の「想いのこし」がありましたが、こちらは感動作でした😭😭。HYが、主題歌担当しています。
お笑い芸人が主演?と思っていましたが、水川かたまりは面白かった。それに幽霊役の正名僕蔵とのコンビは面白いです。
お笑いコンビ空気階段の水川かたまり(関谷一平)が主演したオリジナルストーリーの映画。
お笑いの道に憧れ構成作家になったものの、日々の暮しに疲弊してしまった関谷一平は、電車への投身自殺を決意をする。
しかし、隣駅で人身事故が起こった為に死に損なった一平の前に隣駅で人身事故で死んでしまった男の幽霊(正名僕蔵)が現れ「娘につきまとう男を殺してくれないか!」と殺人を依頼する。
一平も最初は断っていたが、幽霊の娘(唐田えりか)とも知り合いになり、少しずつ殺人に前向きになっていく。
水川かたまりと正名僕蔵の掛け合い、唐田えりかの演技も良かった。
お笑いコンビ「空気階段」の水川かたまり主演の映画
意外なストーリー展開が面白かった。
B級映画としてシッカリ楽しめました。
ヒロインは唐田えりか。
存在感がありましたね、水川かたまり。
演技らしい演技をしているわけではないんだけど、良い感じを出してました。
顔が素人っぽくないというか役者顔だと思う。
コント芸人って役者要素を持っているんですよね。
コントって言ってしまえば演技だから役者も出来るんでしょう。
最近話題のドラマ『ホットスポット』の東京03の角田を見ていても思します。
あと見ていて感じたのは、これだけ可愛い唐田えりかに一切興味を示さない水川かたまりが妙に感じた。
他にも違和感を感じるところはあったけど、映画としては楽しめました。
なんども『関谷一平よ』と語り掛ける父親も良かったし。。
役柄もあると思うげと、唐田えりかが少し年取った感じがしたかな。
可愛い女の子というイメージから大人の女性になったという感じなんでしょうか。
『死体の人』を映画館に見に行った時も感じたけど、結局彼女はいろんな騒動があっても突き抜けた感じは無かったのよね。
いつか、突き抜けた演技をみたいと思った次第でした。
しかし、最近思う事がある。
家でサブスクで映画を見ていると最後まで集中して見る事が出来ない。
ストーリーに大きな展開が無いと、早送りしてしまったり、途中で見るのを止めてしまったり。。
時短グセというのか、タイパを求めているつもりは無いのだけど、じっくり映画を楽しめなくなってしまっている。
YouTubeでファスト映画の紹介を見過ぎたせいかもしれない。。
これはよくない事だとは理解している。
当たり前だけど、映画館で映画をみると絶対に早送りや途中で止めたりは出来ない。
だから、映画館に行っているという感じが最近している。
普通に映画を通して最後まで見るために家が館を見に行く。
なんか変な話だなと思う。。
自宅では堪能するのが難しい映像と音楽がマッチした雰囲気の良い映画が好き。
これは環境の整った映画館で見るしかないのだと思うが。。
映画開始後、葬式の場面以降はクスクスっと、あるいはニヤッと笑いなが...
映画開始後、葬式の場面以降はクスクスっと、あるいはニヤッと笑いながら見てしまった。
いわゆる不条理ドラマとも言えるが、決してシリアスだったり堅苦しかったりはなく、コントを見ているような感覚で見ている方は巻き込まれてしまう。
(コントのような掛け合いや映画のファンタジーを楽しめる人でないと、この映画を厳しく採点してしまうかもしれない。)
見たことのない状況の映画であるが、水川かたまりと誰やその俳優と思われる正名僕蔵との共演も考えつかない。想像の上を行き演技は驚きであり絶妙でもある。
女優陣の立ち位置も良かったです。
ストーリーは安易に流れることはなくリアルではあるが希望もある。
フルネームで呼び続ける鬱陶しさ
2025年映画館鑑賞19作品目
3月1日(土)イオンシネマ北上
ハッピーファースト1100円
監督と脚本は『メランコリック』『Demon City 鬼ゴロシ』の田中征爾
幽霊に殺人依頼される構成作家の話
粗筋
駅のホームから飛び降りて自殺を図ろうとしていたコントの構成作家関谷一平
しかし人身事故があり電車は暫く来ないことになり自殺を踏み止まる
電車に轢かれて亡くなったのは元国語教師森口友宏
解けた片方の靴紐を踏んづけてバランスを崩し転落したのだった
知人でもなんでもないのに興味本位で森口家の葬儀に参列した関谷一平は喪主で友宏の娘の綾が警察沙汰になるほどのDVが原因で離婚した元夫若松克敏に付き纏われていることを知る
帰宅後そこに現れたのは亡くなったはずの森口友宏
幽霊だった
友宏は関谷一平に若松を殺せと命じた
殺すまで付き纏い続けると圧をかけてきた
しばしば引き受けた関谷一平ではあったが友宏はコントのネタを考えてくれる笑いのセンスもある良い人でもあった
広瀬すずと正名僕蔵を見比べてどっちを観ようか先月26日迷ったが広瀬すずの方を先に観た
そんな人は世の中で少数派かもしれない
お笑いには詳しくないのでお笑い芸人はあまり知らない
しくじり先生でお笑い芸人の存在を知るくらい疎い
生まれて初めてバイク川崎バイクがカッコいいと思った
よりにもよって取り憑く幽霊が正名僕蔵なんて絶対に嫌だ
「関谷一平」とフルネームで呼び続ける鬱陶しさ
唐田えりかなら良いけれど
死んだ友宏は関谷一平と後輩作家の沢本五郎にしか見えない
2人には共通点があった
一応演出的に限定された人にしか見えないようなやり取りはあったことはあったがそれまでのその手の映画作品からすればかなりそれは抑えめだった
結局のところ殺さなかったせいか関谷一平の前から友宏は消えることなくコントのネタ作りの協力者としてこの世に居座っていた
七七日忌にはあの世に旅立ってね
葬儀での喪主の挨拶は丸暗記しないといけないのかもしれないね
カンペを堂々と読みながら一応即興で短く故人のエピソードを交える形はカッコ悪いけど物覚えかが悪い人はそれでも良かろう
どうせバカなんだから背伸びしても仕方がない
配役
金子プロダクション所属の構成作家の関谷一平に水川かたまり
一平に取り憑いた幽霊で元国語教師の森口友宏に正名僕蔵
友宏の娘でヨガのインストラクターの森口綾に唐田えりか
綾の元夫でDVで逮捕されるも懲りずに付きまとう若松克敏に喜矢武豊
一平の同僚でマネージャーの竹下希に堀未央奈
一平の後輩で売れっ子作家の沢本五郎に森岡龍
一平の担当芸人でお笑いコンビ「ピラティス」のツッコミ担当のボンに別府貴之
一平の担当芸人でお笑いコンビ「ピラティス」のボケ担当のタケルに津田康平
金子プロダクションの所属芸人のマミコに山井祥子
構成作家志望の高校生の和田浩太に望月隆汰
駅の利用客に瑠美子
たい焼き屋に田口朋
駅のホームで自殺騒動にキレる男に篠田諒
葬儀会社の社員に眼鏡太郎
ヨガのインストラクターに川崎珠莉
激烈!コントバトルの決勝の司会にあべこうじ
激烈!コントバトルの決勝の司会に中西悠綺
護身術の先生に三浦マイルド
先生の弟子にバイク川崎バイク
コントバトルの予選の司会にキクチウソツカナイ。
コントバトルに参加した3人組におーちゃん
コントバトルに参加した3組にバビロン
コントバトルに参加した3人組に千葉ストロガノフ
コントバトルに参加したサングラス2人組「土の子」にFFヤスエダ
コントバトルに参加したサングラス2人組「土の子」に石塚審判
コントバトルに参加した男女2人組に富田純基
コントバトルに参加した男女2人組にうぶのハツナ
それなりに楽しめた
幽霊を演じる正名僕蔵さんのインパクトがとにかく強い!
日本一うるさい幽霊じゃないだろうか笑
序盤の主人公の周りの環境を見る限り自殺するほど追い込まれているように感じなかった。
本当に死ぬ気だったんだろうか?
まぁ人間は弱いものでふとした一瞬の強い思い込みで死を選んでしまうこともあるようだからそこは触れないでおきますか。
設定はとても面白いと思った。
事故で死んでしまった男の幽霊に取りつかれ娘の元夫を殺せという過酷なミッションを強要される主演の水川かたまりさんがなかなかいい味を出していた。
思ったより笑えなかったのが残念だが最終的にいい結末を迎えられて良かった。
全体的に中途半端ですかね……
予告編を見てコミカルな話だと想像して見に行ったのですが、少々違いましたね。
自殺を試みたが「死に損なった男」と、未練を残して死にきれず幽霊になり「死に損なった男」のお話。
ストーリーは主人公の構成作家の仕事と幽霊の娘と元DV夫の2つのラインで展開しますが、それぞれのラインでサブストーリーも多いため、全体的に散漫な印象を受けます。映画もコメディではなく、不条理ものと職業もののミックスといった形でどちらにも突き抜けていない。
俳優陣は頑張っていたのでしょうが、メインからわき役までそれぞれのキャラクターに魅力が薄いため、作品そのものに入り込めません。脚本自体が練りこまれていないのか、キャラクターの言動も不自然だったり、何を意図したのか理解できないシーンも多く、シラケることばかり。
作品上のキーになると思っていた3つの要素であるコント大会の結果や元DV夫との対決、幽霊の娘との関係性もそれぞれなんとなく解決してしまうため、何を見せたかったんだろう……という気持ちのまま劇場を後にしました。
相変わらず唐田えりかさんはよかったですが、彼女の女優としてのよさが活かされた役とも思えず、無駄遣いの印象です。
鑑賞動機:なりゆき10割
だからなりゆきで映画選んでも碌なことな…アレ? 覚悟していたよりも酷くはないというか、意外と面白かった。とっぴなネタではあるものの、オジサンとのバディ感が増していくのよい。
何が幸せかなんてわからないけど、死んだら終わりだもん。
守備範囲外と思わず観てみましょう、是非!
イオンシネマの6ミタクーポンをすっかり忘れていて次も5ミタになってました。そろそろって思って調べてミタらなんと今週末で期限切れに!本当は来週あたりから観たい作品目白押しなんだけどな〜って思いながらいつもの限られた時間で観られる作品を探してここに落ち着きました。
正直他にも候補がありましたがおそらく数ヶ月経てばアマプラかWOWOW待ちで大丈夫そうなので、やりそうもないマニアック作品に挑戦!正直キャストの中に顔が浮かぶ方が唐田えりかさんだけというチャレンジャーです!
ところが意外に面白かったし、なんだかうるさい(ウザイ)亡霊にある意味助けられながら生きる意味を主人公が見出す流れは、この前観て感動した『ファーストキス1ST KISS』とは違う意味で感銘を受けました。まさか告別式挨拶のコントで涙してしまうとは予想外でした。
幽霊の森口(正名僕蔵さん)の鬱陶しさ満点でどこの世界にもこんなおじさんいるよな〜って感心です!幽霊に常にフルネームで呼ばれる主人公関谷一平(水川かたまりさん)なんだか自信も落ち着きもない姿、まるで素なんじゃないかとすら思ってしまいました。お笑いの方なんですよね。調べたら相方の方は時々見かけたことがありますが水川さんは全くノーマークでした。幽霊との掛け合いは素晴らしく笑えました。
なかなかいい役者さんじゃないですか!顔は全く似てませんがボクちゃん(東出昌大さん)を彷彿とさせました。そういえばなんかありましたよね。おかげてソニー損保のCMで気に入ってた唐田えりかさん、しばらく見られなくなってましたが今作でいい味出してました。素敵なプロポーションでしたよね。(そこかい?!)
仕事で悩む同僚に(幽霊の助言ももらいながら)声をかけるあたり、そして後輩や裏切った芸人たちも恨まないいい人ぶりが見事にはまってました。今回はうがった選択肢で鑑賞しましたがちゃんとお金を払って観ていい作品だと思いました。
田中征爾監督(ビューティフルサンデーじゃないよ!ってわかりづらいボケ?)は『メランコリック』でも知らない役者さんばかりだけど結構おもしろい映画だなぁって思いましたが、今回もやられちゃいましたね!
最初は暗いイメージで始まりましたが、正名僕蔵さんのおかげで楽しめるコメディでありながら一筋の光が見える素敵な作品だと思いました。もっとたくさんの方々に観ていただきレビューを読みたいですね。なにしろ土曜日1番の上映回で観客は僕以外は1人だけ、しかも赤いジャージを着てそうなおじさんでした。(って言っても僕より若そうでしたが)
金爆きやんさんのクズぶりもよかったし、インパルス板倉さんのセンスはやはり素晴らしいと思える面白さだったかと。守備範囲外と思わず是非みんなで観ましょう!
メランコリックの田中監督作品
君、もしかして駅で・・・
他に道なき二人なのに
水川かたまり氏、鈴木もぐら氏の空気階段と作家長井ふわふわ氏のラジオ「空気怪談の踊り場」リスナーなのでこの映画を非常に楽しみにしていました。水川氏が演技するイメージは単独公演の長尺コントのような感じになるのかなと想像していましたが、果たしてそんな感じの自然さでとても良かったと思います。正名僕蔵さんの教頭先生とか学年主任とかの“歳を重ねた先生あるある“のような仏頂面が終始スクリーンを圧倒していて、あの仏頂面はまるで何かを“計算中“と言わんばかり、過去数千人の生徒のデータベースから類似人格を導き出し、正確度の向上のため問いを生成しインプットを求めまた計算して自分なりの答えが出ると指示を出したりプイッといなくなったり。「お前はAIアンドロイドか!」と心の中で突っ込んでいました。
「もし自分がいなくなったらこの世の中はどうなるのだろうか」と考えたことは誰しもあると思います。その刹那頭には誰かの顔、家族だったり同僚だったりの悲しむ顔が思い浮かんで来て、その良からぬ考えを頭の中から振り払うようにブルブルと首を横に振り否定することになると思うんです。しかし“自分がこの世界からいなくなる線“が自分の1m前方にあるとき、一歩また一歩と近づき“自分のいない世界“の実現確率が上がっていっても頭には誰の悲しい顔も浮かばず、やがて線から頭が飛び出し、後は誰かに止められるか電車が来るのを待つだけの丁半博打、それでもまだ誰の顔も頭に浮かばなければ遂に自死に至るんでしょう。
関谷一平は誰の顔も思い浮かばずホームの際に立つも前駅の人身事故で死に損い、どんな顔か知りたくて無関係な葬式に現れ、お前の顔など見たことないお前は誰だと幽霊に詰め寄られ、アイツを殺せと無愛想な顔に終始付き纏われ、これだけはと沢山の笑う顔を思い浮かべながら二人でコントを作る。幽霊森口友宏は他の全てのことは放っておいて悲しむ娘の顔を思い起こし、邪魔者が消えたとばかりに近づく憎っくきアイツの顔を思い浮かべ「どうせ死ぬならアイツを殺してからにしてくれ」と脅し、ヤってくれるならと誰かが笑う顔を思い浮かべながら二人でコントを作る。
夢を叶えたのに道の先が見えなくなり希望を無くした関谷一平と不慮の事故で期せずして人生の道が閉ざされてしまった幽霊森口友宏の共同制作作業、そこが「袋小路の行き止まり」直前の最後の曲がり角だったはずなのに関谷一平は律儀にも約束のために対決の場に刃物を持って現れ、一体どうするつもりだったのかパニックになったのか最後は自分を傷つけることを選び事態を打破することになって曲がり角の先は行き止まりにはならず、2ヶ月後の事務所ライブのささやかな打ち上げではみんなのたくさんの笑顔で締めくくれてハッピーエンド、別に“顔“をテーマにした映画ではないと思うのですが正名僕蔵さんの突飛な仏頂面が強烈すぎて最初から最後まで“顔“が気になる映画でした。
娘の幸せのために幽霊森口友宏は関谷一平に頼った、関谷一平は間近に迫るコント大会のために幽霊森口友宏のアイデアに頼った。行き止まりの道を突破するには誰かに頼り頼られることも大事、漫画「三月のライオン」の「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ、でないと実は誰もお前にも頼れないんだ」という名言を思い出しました。世の中良く出来たもんで、働かなければ誰もお金をくれないし、助けないと誰も助けてくれないし、話しかけないと誰も話しかけてくれないし、好きにならないと誰も好きになってくれません。人生が行き止まりにならないように道を延ばして広げていくにはまずは“誰か“を好きになることから始めるべきかも知れません。幽霊森口友宏も駅のホームで堀未央奈さん演じる竹下希に声をかけるよう促していましたしね。“好き“は行き止まりのない永遠の道の始まり、なんて素敵じゃないですかね?
タイムフリーのおかげでまたラジオを聴くようになって車の運転中に聴きながら爆笑したり感涙したりしているのですが、各ラジオ番組の放送作家さん構成作家さんたちは笑い声ぐらいしか聞こえてきませんけどもトークの助言やコーナー作成、メール選定などなど面白い番組作りにご尽力されているのだと想像します。私もラジオ「空気階段の踊り場」の「孤独なおじさん、いざゆかん!」のコーナーにいつか投稿してやろうと企んでいるのですが、たった数行でもネタを作ることの何と難しいことか!いろんな制作現場のいろんな作家さん方々には全く持って敬意しかありませんです。
あの設定を活かしきれていない
強い思いを残して亡くなった幽霊が登場する映画はよくある。本作に登場するのは、娘につきまとう元夫を殺せと依頼(というよりも脅しに近い)する元教師の幽霊。死に損なった男・一平がこの幽霊・森口を見える理由がちょっと珍しい。面白いのは、森口が一平に触れられるということ。さらには彼にまつわる物体にも触ることができる。なんて都合のいい設定!この設定を活かしきれていないのも少しもったいなかったけど。
娘の元夫を殺したい父親(幽霊)と、死に損なった構成作家と、元夫に怯える娘と、元嫁とよりを戻したい男が絡み合う物語は、それなりに面白かった。一平が森口のことを見える理由がちょっとした伏線になっているところもよい。若干コント的な内容だったからか、水川かたまりの演技もあまり気にならなかった。
ただ、娘の元夫をどうしても殺さないといけない理由が今一つ伝わってこない。どうしてあそこまで執着するのか。もしかしたら森口が亡くなる直前のあの描写。彼は娘の元夫を殺しに行こうとしていたのかもしれない。それくらい精神を病んでいたとしたら、森口が立ち直る話でもあったということか。そう考えると話の展開もやはり珍しい。
思いの外面白かった
秀作で変わり種のコメディ
せっかく題材はいいのに
生かしきれてなかったなあという印象。
巧妙な伏線や裏切られる展開を期待すると肩透かしをくらう(あんま期待してなかったけど)。
コメディパートとシリアスパートのメリハリももっと欲しかった。
名刺落とすとこで職場バレした!思ったけど特に何も無かったね。
終盤綾が一平に「家に来て」と電話したのは元旦那が命じたから?だよね?
元旦那から一平に制裁を加えたかったんだろうけどいまいち目的が分かりづらかった(これは私の理解力不足かも)。
沢本も幽霊が見える設定は悪くなかったんだけど生かしきれてないような……
細かいけど一平の部屋がオシャレで綺麗だったのも違和感。
また、最後はやっぱりきっちり成仏してくれたほうが好みです。
ラーメン横目に一人で黙々とネタ書いてくれたほうが「一平の未来」を感じられた気がします。
主演の水川かたまりさんの演技は流石!素晴らしかった!もっともっと演技の仕事見たいです!
題材を活かし切れなかった平凡な脚本
構成作家と幽霊の奇妙な共同生活を描く。主人公・関谷一平役に、お笑いコンビ「空気階段」の水川かたまり。一平に取り憑く霊・森口友宏役に、ベテラン俳優の正名僕蔵。その他のキャストに唐田えりか、ゴールデンボンバーの喜矢武豊。監督・脚本は『メランコニック』(2018)で注目を集めた田中征爾。
「関谷一平よ」
お笑い芸人の構成作家をしている関谷一平(水川かたまり)は、夢を叶えた先に何も無かったという絶望感から、電車のホームに飛び降り自殺を図る。しかし、直前の駅で発生した人身事故の影響で電車が止まり、思い止まる。後日、亡くなった人物が森口友宏(正名僕蔵)である事を突き止めた一平は、友宏の葬儀に参列する。そこで見かけた友宏の娘・綾(唐田えりか)は、DVで別れた元夫の若松(喜矢武豊)に付き纏われている様子。
帰宅し、軽い夕食を済ませようとした一平の前に、友宏の幽霊が現れる。互いに事情を把握し、一平は友宏に「成仏してほしければ、若松を殺せ」と命じられる。やがて、構成作家としての最後の仕事を済ませてからという条件を取り付け、幽霊との奇妙な共同生活が始まる。
水川かたまりの演技が素晴らしく、気弱で理不尽に対して怒りを露わにする事すら出来ず、周囲に流されて生きている一平の姿は非常にリアリティがある。思わず、「実生活でもそうなのでは?」と心配になってしまうほど。
一平に取り憑く友宏役の正名僕蔵の存在感は、流石ベテラン俳優。「こんな人に憑かれたら嫌だな」という、ギリギリ“嫌”の方に振れてしまう絶妙な面倒くささが良い。一平に声を掛けるごとに「関谷一平よ」と始める様には、融通の効かなさそうな生真面目さが現れている。
意外なハマり役は、若松役の喜矢武豊だろう。正直、エンドロールでクレジットを確認するまで気付かなかった。元々の端正な顔立ちに加え、顎髭を蓄えた姿は、いかにも「女殴ってそうな男」感が抜群(褒め言葉)。また演技に関しても自然で無理がなく良かった。
また、作中のコントを「インパルス」の板倉俊之が手掛けているだけあって、中盤の山場となるお笑いコンテストの“喪主コント”は笑えた。
ただし、コメディとシリアスのメリハリが弱く、特別盛り上がる箇所も無く平坦なまま話が進んで行くのは非常に勿体なく感じた。両方をやるならば、コメディパートとシリアスパートでもっとしっかりと盛り上がり所を用意して、ストーリーにメリハリが出るようにすべきだったし、それでこそ両者の要素が輝くと思うのだが。コメディならコメディ、シリアスならシリアスで振り切っても良さそうな内容だっただけに、そのどちらにも振り切れず、また活かし切れずに終わってしまったのは残念。
致命的なのが、お笑いという先の展開への“ネタ振り”が重要になる題材を扱っていながら、ストーリーの中でそれを“ハズす”という点だ。ネタ振りだけしてハズすというのは、それ自体が笑いに繋がる事もあるが、高い技術が求められる。本作においてそれは失敗であり、あまり美しく感じられなかった。
若松が部屋で1人本に何かを書き込んでいる姿は、ラストで改心した際に、実は資格や物書きの勉強をしていましたという展開の為のものと思っていたし、一平との取っ組み合いの果て、綾の名刺を落として走り去ってしまう件は、若松が綾の職場に押し掛ける又は仕事上がりを待ち伏せる等のスリリングな展開を期待した。こうしたネタ振りをしていた以上、その回収はマストだったと思うのだが。
更に言えば、一平と友宏が奇妙な友情を育んでいくお笑いのネタ作りや護身術の指導を音楽に乗せたダイジェストで済ませ、“何となく楽しそうな雰囲気”で流してしまった点だ。これは明らかな悪手だったと思う。ダイジェストで流す事自体は構わないのだが、例えば、一平とネタ作りをする最初だけでも、「妻を亡くした夫が、喪主として挨拶しなければならないのだが、上手く話せる自信が無くて、娘に手伝ってもらう」程度の前振りはしておくべきだったと思う。そのネタ作りの際に、元ネタである亡き妻の葬式や、綾がDVに悩んでいる様子をフラッシュバックさせ、その上でネタ見せが終わった後で綾に「まるで母の葬式の時の父のようでした」と言わせても良かったのではないだろうか。そして、何も知らなかった一平は、自らの過去をも切り売りしてネタ作りに協力してくれた友宏に絆を感じ、彼の望みを叶えようとした方がバディ感が出たと思う。
「夢が叶った先に何も無かったから。だから、死にたくなった」という一平の自殺の動機も、随分と贅沢な動機だと思う。良い家に住んでいるし、パソコンやタブレットも充実している様子で、少なくとも1人で生きる分には何不自由無さそうだ。そうした“良い生活”風景も、彼への感情移入を阻害する要因の一つだろう。
そもそも、世の中には夢を叶えた人より、夢破れた人の方が圧倒的に大多数を占めている。だからこそ、夢を叶えた先の苦悩の演出には細心の注意を払い、説得力を持たせて感情移入させる必要があったはずだ。だが、一平が自殺寸前にまで追い込まれる件の説得力が弱く(ちょっと仕事が上手くいかない、柄の悪い人に絡まれる程度)、本当に追い詰められた人間の思考からはかけ離れてしまっている。それにより、友宏の犠牲によって自殺を思い止まった際にも、タイトルにある「死に損なった」感が薄いのである。肝となる部分すら“何となく”の空気感で流されていくのは失敗だっただろう。
ラスト、若松の改心と謝罪を受けた事で、1度はアッサリと姿を消した友宏。しかし、駅のホームで一平と同じプロダクションの竹下が先方からの電話に困らされている姿を目撃した際、アッサリと現れて「声を掛けろ。いい子そうじゃないか」と背中を押す。最後に1人ラーメン屋のテーブル席に入った彼の向かいに座り、新しいネタを提供して、周囲が一平に白い目を向ける中、楽しげな2人を捉えて物語は幕を閉じる。
この手のネタを扱った話で、最後に重要になるのが「成仏するか・しないか」だろう。そして、本作では成仏しない方を選択する。元々、友宏の死因は不慮の事故だったので、まだまだこの世に未練を残して彷徨い続けるのは分かるのだが。しかし、本作が人々にほんの少しだけ“生きる気力”を抱かせるような内容だった以上、最後はキッチリお別れしても良かったと思うのだ。
特に、駅のホームで一平が竹下に声を掛ける件。今まで散々聞いてきた「関谷一平よ」という出だしの台詞を活かす意味でも、姿は見せずに声だけで彼の背中を押す方がドラマチックだったのではないかと思う。一平には“友宏の声が聞こえた気がする”という方が。
ラストのラーメン屋も、テーブル席ではなくカウンター席で1人ラーメンを待ち、おもむろに開いたネタ帳に、友宏とのネタ作りで出したネタの付箋がビッシリと貼ってあり、「まだまだ自分にはやる事がある!」と、友宏との日々を振り返りつつ、新しい一歩を踏み出してみせるやり方もあったはずだ。
題材や出演者には恵まれていると思うが、肝心のストーリーが何から何まで“何となく”の雰囲気で流れて行ってしまい、メリハリの弱い平坦な作品に収まってしまったのが残念でならない。
ヨガとピラティス
主演の方はまったく知らず、粗筋と唐田えりかで鑑賞。
序盤、出てくるモブたちがイライラし過ぎててイライラ。
背景も描かれないまま主人公が死のうとし、後半で理由が明かされてもイマイチぴんと来ない。
「厳格な父」とされていた友宏は、一平に対する口調や態度、ジャージで出掛ける面からもそうは見えず。
「守れ」でなく「殺せ」という短絡思考も理解不能。
(取り繕うべき相手の)友宏にすぐ本性を見抜かれるような相手なのに、綾が若松と結婚した理由も不明。
そもそも殺人の見返りでオッサンがいなくなるだけというのも釣り合わなさ過ぎる。
副次的に綾とお近づきになれるが、結局矢印は希に向いてたので、結果論的にも一平に損しかない。
やらない説得力は出るが、やるかもという緊張感は皆無。
若松の改心も唐突すぎてご都合主義感が否めない。
不自然に落とされた名刺を活かさず何故か実家に訪れたことも、用意してた武器が熊手なのも意味分からん。
幽霊の設定に細かいことを言うつもりはないが、物を触れるようにしちゃダメだろ。
直接触れないにしても、石なり包丁なり使って自分で殺せよ、となっちゃうもん。
脚本が雑過ぎて、だったらもっとコミカルに振るべきだったんじゃないかなぁ。
友宏とネタづくりを始めた際に、劇中唯一と言っていい一平の満面の笑顔を映したのはよかった。
演技は良くも悪くも普通で、配役はハマってる。
唐田えりかはもっと魅力を出せるハズだが、メインヒロインでないことと、周りのレベルに合わせたか。
ピラティスのコントがちゃんと面白かったのは評価できる。(インパルス板倉の監修とのこと)
技術は高い
たい焼きを買わなかった男、
が、
たい焼きを買った男になる。
自力で人生を変えようと、
自力パラレルワールド、
でも、何も変わらない、
もがく男の哀愁と、微細な描写に宿る感情の力で、
意外な展開に・・・
このシークエンスの描写が細かい、
改札口のタッチ一つにしても、
主人公が触れないことでその無力感、焦燥感、
後ろの男が雑にカードを置くことで、
他者との対比が際立ち、、その微細な描写からも、
人物の感情を引き出す力に驚かされる。
セリフも使わず、状況を見せていく技術は高い。
が、
フィクションをさらに濃縮したような、
本作のようなワンダーワールドには 、
ピラティス、コントバトル周辺だけでも、
豪勢さが欲しかった。
細やかなエンタメ的描写力で、
主人公の心情を推進力に変える手腕は確かだが、
そこに豪奢さという名の「あと押し」があれば、
葬式ネタも、より観客の胸に響いたかもしれない。
国語の元先生の黄色いオ二ツカが、
エンタメ予算としては限界か。
死に損なった系で、
低予算でうまくいってるのは、
天国から来たチャンピオン(といっても、ラムズ全面協力)以外に、
四畳半系は除いて、あっただろうか。
とはいえ、後半にかけての、
アイデア勝負の展開は、ニヤリとさせる渋い逸品だ。
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