「※子供向けのレゴ・アニメ作品ではありません!」Piece by Piece ゆ~きちさんの映画レビュー(感想・評価)
※子供向けのレゴ・アニメ作品ではありません!
ずっと前から予告で見ていて、全編LEGO作品なのにミュージシャンの半生モノ?
登場人物はみんなダルマ落としの頭みたいで全部同じに見えるし、手は馬のひづめが回転してるし、かつてのイケメンアイドル・ジャスティンティンバーレイクは色味が薄いカールおじさんみたいだし…www
最初はあまり期待してなかったのですが、音楽好きとしては馴染みのある曲がずっとかかるし、グウェンステファニー、スヌープドッグ、ジェイ・Z、ケンドリックラマー、ティンバーランド、ダフトパンクなどが本人役で登場し、そしてニゴ元社長の藤原ヒロシさん(かな?)が日本語で語っています!
最近Pディディの悪事が露呈されてますが、ファレルは地道に音楽活動に集中していた感じも伝わるし、あの一味と関わってなくてよかったね、と思いましたが真相はいかに…。
スタジアムスタッフのバイトも続けてますが、正直スヌープドッグのライブはとにかくウィードというか、大麻というか、ドラッグの匂いがライブ中すごいので、みんなクサイ、クサイと言いながら仕事をしていますwww
なんでアニメじゃなくてLEGOなんだろうという疑問がずっと湧いていましたが、彼が子供の頃から好きだった音楽を少しずつ積み上げていく感じを、LEGOブロックに見立てたのかなと思いました。新曲「Piece by Piece」にもちなんでいるし、とてもいい曲でした。
LEGO作品なんで、ところどころよくわからない物体が出てきて「あの光ってるのは何?」と思いながら見てましたが(最後までなんだかわかりませんでした)、波とか、シャンパンの泡とか、ブルーインパルスのジェットとか、マリンスポーツの水飛沫とか、宇宙から見た、回転する地球とか、動きや色が様々に組み合わされる美しさも見どころです。結構予算も時間もかかったんではないでしょうか。
海外での評判もまずまずよくて、悪い評価をつけているのは子供向けと誤解して見た人くらいです。
個人的な話をしますと、日本でそこそこの給料をいただき、定年後まで安定した公務員の立場を投げ打って海外留学をし、こちらにいればいるほど自分の無力さを実感し、常に疑問や不安を感じながら暮らしていますが、でもそんな無能な私のことも励まして忍耐強く支えてくれる周りの方々への果てしない感謝の気持ちが、日本を出て初めて湧いた気がします。
ファレルが自分の半生を振り返って語るシーンでは、そんな自分の心情と重なって涙が出ました。音楽作品も、どんなに才能があろうと協力してくれる仲間達や、支えてくれる支援者、CDを買ってライブに来てくれるファンがいなかったら日の目を見ることはありません。
今の職場では私が一番手際も要領も悪く、英語も不自由で、いつクビになってもおかしくないのですが、つくづく自分のプライドやら傲慢さを打ち砕いてくれた職場と、優秀で働き者で温かいスタッフの存在に心から感謝を実感させてくれた作品でした。
洋楽やヒップホップに興味がない方には刺さらないかもしれませんが、ぜひ自分の半生を重ねながら見られる大人たちにお勧めします。
今、ちょうど東京文化会館でそのバレエ団の公演やってます。「オネーギン」(クランコによる振り付け)と「椿姫」(クランコの生徒でハンブルク・バレエ団を素晴らしくしたノイマイヤーによる振り付け)の2つ。「オネーギン」をこの間見て、すばらしー!と感動し、ノイマイヤーの見てなかったので、勢いで「椿姫」チケットも買ってしまいました!もうヤケクソというか、歌舞伎座より圧倒的に高い席にしたんですが、やはり違う!だから「椿姫」もそうしました!
ゆ~きちさん、カナダでドイツはシュトットガルト・バレエ団を素晴らしくした、「ジョン・クランコ」の映画(ドキュメンタリーっぽいのかな?)ってやってますか?