「モシモミライ」ゴリラホール ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
モシモミライ
大阪在住時代にリーガルリリーのライブを見に行ったゴリラホールがとんでもなく素晴らしいライブハウスで、ステージが高いのでしっかりライブを見ることができましたし、音響もバッチシで、これぞ求めてたライブハウスだ!という感覚を味わえました。
現在は引っ越ししてしまったのですっかり遠い場所になってしまいましたが、機会があればまた行ってみたいものです。
そんなライブハウスを舞台にした映画が作られるよ〜と確か去年目にしたので楽しみにしており、無事鑑賞できて良かったです。
見たことある景色がたくさん出ており、大阪が恋しくなりましたし、ゴリラホールを中心にし、バンド活動の苦悩や色恋沙汰などを泥臭く描いていて見応えのあるバンド映画で手に汗握る展開の連発で熱かったです。
主人公の朝子のキャラ造形がリアルかつ魅力的で、音楽の才能はありつつもどこか自信を持てずに燻っている感じが良いですし、バンドメンバーが優しく喝を入れてくれる感じもバンドのギスギス感よりも前に前向きな感じを出していて観ていて気持ちいいです。
自分の殻を破ってステージに立つところも短い時間ながらしっかり感じ取れるのも朝子という人間性あってのものだなと思いました。
対して朝子の彼氏の壱夜の最初は良いやつ感全開なのに、朝子の曲を丸パクリしてオーディションを優勝したり、朝子に自分のスランプが原因でブチギレたりとどんどんクズバンドマンになっていくので、これからどうなっちゃうんだ〜という先の読めない展開がとても良かったです。
朝子の両親視点ではこの娘はヤンチャすぎるだろうな〜と思って観ていましたが、両親とも夢を諦めた過去があるからこそずっと応援していたんだなと感じ取れましたし、だからこそ終盤の大応援は身に沁みるものがありました。
事務所の社長に見つけてもらって一気にスターダム街道に乗り、ゴリラホールのスタッフのイケがマネージャーとして手伝ってくれ、全国をバンでライブで駆け回るという王道の成長の仕方がこれまたたまりません。
社長も堅苦しい人ではなく、ユーモアがあり、どんどん話を進められる仲になっていたりと、こんなん理想すぎる上司じゃーんとなんだか嬉しくなりました。
今まで築いてきた音楽があるからこそ、売れて欲しいでバックアップしてくれる、そんな人がいてくれるから素晴らしいバンドが世の中に出てきてくれるんだなと思いました。
演奏シーンをガッツリ見せてくれるのはやっぱ嬉しいもので、あの箱で見たライブの記憶が鮮明に蘇ってきて、コイバナの楽曲も王道ロックでめっちゃカッコいいですし、フロアの盛り上がりとステージの盛り上がりを交互に見せてくれるので一体感が凄まじいです。
その前での壱夜との会話シーンも大人と大人ながらどこか違う感じも出ていてじんわりきましたし、「ゆっくりこっちへおいで」という遠回しも遠回しな激励で壱夜〜!ってなりました。
夢はまだまだ終わらない、ゴリラホールがゴール地点であって欲しいし、スタート地点でもあって欲しい、たまに寄り道してもらって欲しいというセリフはグサグサ刺さって最高でした。
これからもゴリラホールでは多くのライブ、そして多くのバンドマンがステージに立っていくんだなと思うとワクワクが止まりません。
ライブハウスはやはり最高ですし、そこで音楽を紡いでいくバンドマン達には勇気と元気を貰い続けていて大感謝です。
ロック好きに届け〜!
鑑賞日 12/9
鑑賞時間 10:30〜12:40
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
