「ガリレオの続編でよかったのでは?」ブラック・ショーマン ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
ガリレオの続編でよかったのでは?
かつてラスベガスを舞台に活躍していたマジシャン。現在は東京でバーを経営。頭が切れ、人間心理に長ける、誘導尋問や騙しはお手の物。また、鮮やかなほどに手癖が悪く、警察や容疑者の所持品を一切バレることなく、覗き見ることができる。正義漢でもなく、人を騙す快感だけを求めて行動する。マジシャンならではの方法で、兄が殺された殺人事件の謎に挑む。
という設定の神尾武史(福山雅治)
福山雅治から東野圭吾に「ダークヒーローを演じてみたい」という要望を受け執筆したという小説。という事は、福山雅治をイメージしたキャラクターとなります。
卓越したマジック(+手癖の悪さ)とメンタリスト級の巧みな人間観察&誘導尋問を武器にしたキャラクター確かに、忠実に演じてはいます。しかし、どこか、ガリレオを求めてしまうのか、違和感というか、現実味のない、架空すぎる人物に思えてなりません。
話の展開は、さすがの東野圭吾です。
少しずつ事件の全容が見えてきた矢先、警察に神尾武史へ目を向けていきます。
武史は、事前に英一とコンタクトを取っていたこと、そして彼が使用するオイルライターと怪しい行動から、殺害したのは武史ではないかと取り調べをすることに。これら全ては、武史が警察から重要な手がかりトラップだったことが明かします。さまざまなカマをかけアリバイを知り、需要な証言は、津久見の母親から「先生は同窓会でとっておきのエピソードを用意していた」という話を聞き、ついに犯人の正体を確信するというのはなかなか見ごたえありです。
元マジシャンということもあり、一連の事件の真相を明るみにするべく、大掛かりなイリュージョンショーに見立てて見せていくのが、それが画期的な作品です。プロジェクションマッピングを使って、武史の顔に英一の顔を作り、生前の英一の声を取り込んで声を似せたり、葬儀の遺影に監視カメラを仕込んで撮影した映像を、黒板に反映させてみんなに見せたり、ドアや窓に赤い布を垂らして演出したり、カバンに大量の偽札を仕込んだり、そして犯人がその後どうするかを、先読みしているという手の込みようです。
しかし、
この準備いつやったの?
時間は2日間でしたが1人で準備したの?
「イッツショータイム」とかカッコつけてやってきたのに、その前に警察が解決したら全て無駄になってしまう。
そんなことがよぎってしまいました。
やはり、キャラクターが突飛すぎると思いました。シリーズ化するような雰囲気ですが、まずはリアリティーのある人物設定を丁寧に描いて欲しいです。
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