「火曜サスペンス劇場」ブラック・ショーマン シンクンさんの映画レビュー(感想・評価)
火曜サスペンス劇場
原作未読
田舎町で起こった殺人事件に元マジシャンが挑みます
ヒロインの父親が犠牲者だったことから東野圭吾さんお馴染みの「大切な人のためならそこまでするん?」というとんでもない自己犠牲パターンを期待していたのですがそうはならず
福山雅治さんの上手いんだか下手なんだかよく分からない演技は安定の域です(褒めてます)
解決編が終わった後もどんでん返しを期待していただけに正直「これで終わり?」と肩透かし感がありました
有村架純さんの棒読みがなにかの伏線なのかと思っていたのですがそんなことはなく
ディスっているわけではありません
福山さんが劇中で言っていたように有村さんの立ち位置は「殆ど役に立たないワトソン役」なので
彼女の魅力を最大限に引き出す手法だったことに異論はありませんしその目論見は成功していたと思います(褒めてます(しつこい))
目新しいトリックがあるわけではなく
大どんでん返しがあるわけでもない
人によっては「キャストの豪華な火曜サスペンス劇場」と見る向きもあるかもしれません
でもそれでいいんではないでしょうか
ご存知の通り地上波から火曜サスペンス劇場が消えて久しいです
紅葉や町中を流れる川沿いの田舎町など美しい日本の原風景
大人になった登場人物たちが苦くも切ないアオハルを振り返るジュブナイル
貧乏なんだか金持ちなんだかよくわかんないけど決め台詞スキルはありの主人公(解決編の演出は金かかってそうだからヤドロクではなさそうです)
ポンコツ気味だけど可愛らしいヒロイン
あと足りないのは入浴シーンぐらいです
2時間でこのボリュームですが詰め込みすぎ感は全くありません
また防犯カメラやスマホから得られる物的証拠がある現代
素人探偵がクローズドサークル以外で事件を解決するにはご都合主義要素がないと難しいのですがそんな論理的破綻もないのはさすが東野圭吾さん
昨今だと盗作炎上になる事案が人によっては「友情」と捉えることもできるというケレン味のない問題提起も印象的でした
脚本や演出のバランスに大満足
安心して見られるエンターテインメントです
まだ見てなかった「国宝」とどちらを観るか迷ったのですが今日のコンディションだとこちらを選んで正解だったかな
世知辛い日常に少々お疲れ気味のアラフィフとしてはこういう肩肘張らないのがいいんです
こういうのでいいんです
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