「推理マジックショーの開幕!」ブラック・ショーマン 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
推理マジックショーの開幕!
手品を見るコツは、種明かしを求めず素直に驚いて拍手することだと思います。福山雅治さんのマジシャン振りを予告編で観て、なんだか楽しそうで気になってました。ちょっと座席が獲りづらかったけど選んでしまった。
開幕早々の派手なチャンバラマジックショーがキモなのか、解決編の推理ショーに繋がっている気がする。なんか黒歴史にしたがってたけど、ご自分の本領で筋金入りのショーマンってことなんでしょう。福山さんの手品師振りもなかなかだけど、チャンバラの太刀筋が凄い。
作中の端々で見せる技の数々は、どうかといえばスリのテクニックみたいだったけど、本来、手品師とはそういうものか。マジシャンが見せるときも客への言葉がけも大事だという。有村架純さんの仰る通り、詐欺師といわれればマジシャンってつまるところ詐欺のプロかと。
捜査の在り方はずっと攻め攻めで、スパイのエージェントやハッカーもかくやと言うほど、プロの警察官がこんなに翻弄されていいんでしょうか。犯罪捜査にこれほど長けている点、福山さん演ずるマジシャンには、なんだか裏の顔がありそうな予感。シリーズが続けば、それが明かされていくのかどうか。
でもシリーズが続く状況がありうるのだろうか。行く先々で殺人事件が起こるコナンシリーズよりももっと過酷な、二人の共通する身内が殺されるという悲劇が続いてしまうのか。何故なら、今回の事件同様、殺されたのが身内でなければ、二人が捜査に乗り出す理由は無いはずだから。そもそも警察でもないし、探偵として雇われでもしないかぎり。
今回の事件、いろいろ人気漫画を巡って怪しい人物が浮き沈みしていたけど、結局、殺された教師・漫画家・原案作家の関係でしかなかったような。それでも、事件の筋が通っているようで面白かった。田舎での教師生活、本棚に卒業生の作文を並べるアナログな教師と、ネットの時代でも活躍する漫画家の、二人の意識の温度差が良い味だった。
推理サスペンスとしても、捜査編・怪傑編と明確に別ける、古畑任三郎シリーズのような王道パターン。これをシリーズ化しても楽しいと思う。劇場版で続けるか、テレビドラマに移行するか。そうすると福山さんの手品修行が大変そう。でもなんか、すごく器用そうだから大丈夫な気がする。
それにしても、中條健太さんが演ずる婚約者の立ち位置がいいですね。事件とあまり関係なくて、ちょっと素朴な人格で。最初と最後にしか登場しない仕事人の嫁と姑みたいな感じかな。シリーズ化するなら、良い存在であって欲しい。なんか女性関係が怪しまれてて、ちゃんと解決してほしかったけどw あと、濱田マリさんもよかった。短い場面だけど良い味してますね。
というわけで、あたらな推理サスペンスのシリーズとして確立できるかどうか。期待して待ってます。
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