九龍ジェネリックロマンスのレビュー・感想・評価
全114件中、81~100件目を表示
魅力たっぷりの設定が生かされてないような…
■ 作品情報
監督は池田千尋、脚本は和田清人・池田千尋の共同執筆。原作は眉月じゅんによる人気漫画。主要キャストには吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、柳俊太郎、梅澤美波らが名を連ねる。製作国は日本。映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会が手掛けた。
■ ストーリー
雑然としていながらもどこか懐かしさを感じる街、九龍城砦を舞台に物語は展開する。九龍の不動産屋で働く鯨井令子は、先輩社員の工藤発に密かな恋心を抱いていた。街を知り尽くした工藤は、しばしば令子をお気に入りの場所へ連れ出すが、二人の関係はなかなか進展しない。そんなある日、令子は偶然一枚の写真を発見する。そこに写っていたのは、工藤の婚約者らしき自分と瓜二つの女性。令子は自身の失われた記憶と、過去に自分と同じように暮らしていた女性の存在に気づく。ゆったりと流れる九龍の時間の中で、過去と現在が交錯し、令子自身のアイデンティティ、工藤との関係、そして九龍の街に隠された数々の謎が徐々に解き明かされていく。
■ 感想
原作未読、アニメ化作品未視聴ですが、大好きな吉岡里帆さんが主演とあって、かなり楽しみにしていた本作。しかも舞台は、かつて香港旅行の際に現地ガイドから「絶対に近づくな」と釘を刺された、むせかえるような熱気、混沌、そして危うさを孕んだイメージの九龍城砦。そんな魅惑の場所でミステリアスなラブストーリーが紡がれると聞き、さらに空に浮かぶ「ジェネリックテラ」という怪しげなプロジェクトの関与もあり、さまざまな要素がてんこ盛りとなっていて、これはもう傑作に違いないと期待に胸を膨らませていました。
ところが、実際に観てみると、どうにもこうにも盛り上がりに欠ける印象が拭えません。主軸となるはずのラブストーリーは、鯨井と工藤の恋焦がれる心情が今ひとつ伝わってこず、そこに滲むはずの切なさもなかなか心に響いてきません。その原因が演技にあるのか、演出にあるのかわかりませんが、全体的に上辺だけをさらっているような感覚を覚えます。
また、「ジェネリック」という設定が意図する葛藤や切なさ、作品全体に漂う独特の世界観は理解できるものの、そのプロジェクトの真相がすとんと腹落ちすることなく、感情が迷子になってしまいました。設定がうまく機能していないと感じる部分が多く、せっかくの魅惑的な要素が十分に生かされていないのが本当にもったいないです。九龍城砦そのものがもつエネルギッシュな魅力も、序盤の数シーンでしか感じられず、もっとその熱量を肌で感じたかったというのが正直なところです。
結果として、期待値が高すぎたせいもあるかもしれませんが、最後まで没入しきれないまま映画が終わってしまったという印象です。ただ、とりあえずハッピーエンドでよかったね、という安堵感は残りました。潜在的な魅力は計り知れないのですが、それを映画という限られた尺の中では発揮できなかったように感じます。機会があれば、改めてアニメ化作品のほうにも触れたいと思います。
珍しく原作を知っていて
サウナの漫画コーナーでウォン・カーウァイ風かなと思って手に取ったことのある漫画原作。懐かしく感じる人を好きになっていいのかな?というようなことを言っていた。映画を観るとマトリックスとか脳内ニューヨーク、ベル・エポックでもう一度などの作品を思い出す。九龍城風のルックはしっかり保たれていて、クレジットを観ると台湾ロケ。台湾ロケ作品は、青春18×2、雨の中の慾情など近作はよくある。カメラワークや美術グッド。漫画口調なのも全然大丈夫。展開が弱いような気もするが主人公2人のイメージビデオとしてみれば全然グッド。原作ではメンズがマニッシュな印象でそれをどう表現するかと思ったら、水上。水上は私のフェイバリットである「熱のあとに」で中心だけれど、ほぼセリフもなく出演10分ほどなのでどんなキャラクターなのか分からなかった。25歳ぐらいにしては、クラシックな男性像をバッチリできていた。それと水上のスナックでの田園も映画の展開を補強していた。今年ベストカラオケかもしれない。
スイカでタバコ。
空に浮くジェネテラの下、九龍城砦の不動産屋に勤める鯨井令子と先輩・工藤発の微妙な関係性の話。
仕事の休憩、プライベートと連れ出してくれる工藤、一緒にはいるが2人の距離は縮まらず…そんなある日、立ち寄った喫茶店の店員に工藤の彼女と間違われる令子、また別の日工藤が忘れたジャケットから落ちる一枚の写真を見て令子は…。
大筋のストーリーは理解出来たけれど、原作知らないと???が多いかも。作風はいい、令子演じた吉岡里帆可愛い♡でも髪型は何かイヤだ(笑)
令子と一緒にいる時の工藤の目が下心なのか、何を考えて見てるのか不思議だったけれどストーリーは進みなるほど…。観ててずっと気になってたのはジェネテラの動力源。
工藤の感情で九龍城砦が揺れたり、ジェネテラの様子が変わったりで工藤とジェネテラがリンクしてる?様にも見えて…そこを知りたかったかも。
レモンチキン売りの娘が妙に印象的だった。
九龍城砦の雰囲気抜群だが、長過ぎる
吉岡里帆さん
原作知らず
役者さんは皆、
キレイな世界に居たいんスかね?ブレランミーツマトリックス、我思うが故我在る世界。もう我慢ならん!ミッキー17、メガロポリス級?と思っていたら、ラストブレランだぁー!緑の草原。あとノースリーブで許す気持ちが生まれた・・。
九龍セツナ系ファンタジー
原作未読。冒頭オリエンタルな九龍の猥雑さにゾクゾク。中だるみがあって、あ〜あ勿体ねぇと思ったが、自分の輪郭がはっきりした鯨井と虚構の幸せに苦悩する工藤が後半を盛り上げた。エンドロール後の夢か現実かがまた素晴らしかった。吉岡と水上の生き生きとした演技でプラスの1点。
実写映画ならではの部分もあった
去年九龍城で
ご贔屓の吉岡里帆が主演の九龍城を舞台にしたSF風のラブストーリーで、公開初日にいそいそと観にいきましたが、なんかすごい勿体無い出来でした。九龍城内の日系不動産屋で働く男女の不思議な関係がテーマなんだけど、上っ面だけを綺麗に映像にしているだけで物語の核心をついていないのが残念。忘れたいけど忘れられない過去に毎日対面しなければならない男の苦悩、他人の記憶と自分の記憶が混在し自分のアイデンティティについて思い悩む女、この二人の感情のすれ違いと触れ合いをうまくドラマ化したら、『去年マリエンバードで』みたいに時空が混在した内省的で異色のラブストーリーが出来たのかもしれないけどね。そもそも、クローンを作った経緯や九龍城が幻影だったオチなど、ストーリーの根幹に関わる重要なポイントをまともに説明していないので、登場人物達が何をしたいのかさっぱりわからず、エンドロール後のエピローグも不可解です。とは言え、台湾でロケした九龍城のセットや内装の美術、小道具などは細部に至るまでよく出来ています。役者では、主役の吉岡里帆の美しさが際立っていました。ファッションも、事務員の制服からチャイナドレス風のカットソーやワンピースなど次々と出てきて楽しませてくれるし、ハッとするような美しさにやられました。レビュー評価は彼女のポイントです。
吉岡里帆を愛で観る作品
原作未読。吉岡里帆を見たいから観るというのが鑑賞動機。
吉岡里帆演じる鯨井令子は二重人格?ひとり二役?といったミステリー風味
且つSF設定でなかなか興味深い導入だったが、
1時間ほど経つどダレる感覚になり、睡魔と戦いながら鑑賞した。
雑な感じの水上恒司演じる工藤もキャラ的には良いし、こういう水上恒司も良い。
『本心』に出演していたときの雰囲気と似ているかも。
とにかく吉岡里帆がかわいいし美しいし、
表情が豊かでいろんな吉岡里帆が見れて新たな一面も気づきになったし、
本作でも魅力全開で、ますます惚れてしまった。
もうこれだけで幸せ。
ストーリー&設定が難しく、ラストはなぜ日本にいるんだ!?と思ったものの
至福のハッピーエンドで鑑賞後感は実によかった。
本作を観たらきっと吉岡里帆が好きになる。間違いない!
原作ファンだが酷すぎる
漫画・アニメ共に全て見ています。
漫画原作の実写映画なので、最初からあまり期待していませんでしたが
あまりにも酷すぎる。
九龍の街並みや世界観はよくできていると思うが、キャラに深さがなさすぎる。
具体的に言うと
・蛇沼みゆきは本作において重要なキャラであり、芯が通った人物で魅力があるが
映画ではマザコンの噛ませ犬になっている
・みゆきの友人のユウロンがジェネテラを作成したが、ただのよくわからんサイコ外国人
・新しいクリニックのはずなのになぜ九龍の建物の居抜きみたいな汚さなのか
・ヨウメイもストーリーと鯨井にとって重要な人物なのに、なぜかただの靴屋
・シャオヘイ雑に消える
・工藤が精神的に弱すぎる。
時間の都合で圧縮圧縮してしまっており、一番の魅力である「謎を解いていくミステリー」の部分がほとんどない。
これなら無理に映画化はせず、Netflixなどでドラマにすればよかったのではないか。
陳腐な与太話…、やりたい事はわかるが…。
九龍城砦の雰囲気は、うまく復元できていると思えるのだが・・・
香港が舞台なのに、登場人物が日本人ばかりで、ほとんど日本語しか聞こえてこないという違和感も、「どこか懐かしさを覚えてしまう」というイメージに合致する街が九龍城砦だったのだと理解すれば、さして気にならない。
取り壊されたはずの九龍城砦と、そこに住む人々を復元してしまうというジェネリック・テラのあり得ない設定も、そういうものなのだと無理やり納得すれば、何とか受け入れることができる。
その一方で、ヒロインが、自身のアイデンティティーについて思い悩む様子や、彼女がほのかに想いを寄せる職場の先輩との恋愛模様については、一体何を描きたいのかが分からずに戸惑いを覚える。
特に、比較的早い段階で、九龍城砦が復元した原因が、先輩の強い思い入れであったといったことや、ヒロインが、先輩の昔の婚約者のジェネリック(複製)で、しかもその婚約者は既に他界しているといったことが明らかになった後でも、2人の関係性が一向に進展しないことには、どこか間延びした雰囲気を感じてしまった。
やがて、先輩が、ヒロインと付かず離れずの関係性を保とうとしていたのは、昔の婚約者が、彼との結婚を前にして自ら命を絶ったからだと分かるのだが、彼女が自殺した理由も不明だし、今の彼女(ジェネリック)が、昔の彼女(オリジナル)と「全然似ていない」と認識しているのであれば、逆に、どうして、今の彼女(ジェネリック)と結婚しないのかが不思議に思えるのである。
その、オリジナルとは「全然似ていない」ジェネリックのヒロインにしても、自分のことを、オリジナルとは異なる「絶対の自分」であると信じ込もうとしているのだが、その割には、オリジナルとジェネリックが別人格であることを認識できるような描写が少いために、今一つ、それぞれのキャラクターの違いが実感できないし、吉岡里帆だったら、それらを演じ分けることができただろうにと、少し残念に思ってしまった。
死んだ人間を蘇らせるというファンタジーとしても、製薬会社の社長一味がその謎を探ろうとするミステリーとしても、いずれも中途半端で掘り下げ不足の感が否めないが、何よりも、先輩と、彼によって作り出されたヒロインとが、相思相愛になることは目に見えていて、ラブストーリーとして予定調和であることは、残念としか言いようがない。
ジェネリック・テラの崩壊によって九龍城砦が消え去るラストからは、「過去に囚われずに前を向いて生きろ」といったメッセージが感じ取れたのだが、エンドクレジット後のオマケ映像では、ハッピーエンドの心地良さよりも「ご都合主義」の方が鼻についてしまい、何だか興醒めしてしまった。
愛するがゆえの結末?
原作好きです。
原作好きでアニメも見た上で、初日に鑑賞。
いちおう前置き。
原作は原作でストーリーがまとまっているわけではない。原作の漫画家さん、描写や演出で心の機微を表現するのにとんでもなく長けた漫画家さんなんです。逆に言うと、スッキリしたプロットで物語をコンパクトに畳むってタイプじゃない。だから、ワクワクドキドキさせる描写が延々と続き、何か壮大であろうストーリーなんだけど、なんだか伏線がいつまでも回収されないぞ?。お、やっと動き出したかな?休載かよ!って感じで、ヤキモキするような連載なんです笑 でも、そんな中で、SF性のある描写と共に描かれる「ノスタルジー」や「悔恨」「喪失」などの表現が大好きで、おじさんはこのマンガをずっと読んでるわけです。
さて、それを踏まえてこの映画。ストーリーはまぁ原作モノにありがちですが、バックボーンを伝え切らずにダイジェスト的な伝え方になっており、正直原作なりアニメなり触れてないと分からないだろうと笑 この現象はねー、ホントになくなりませんよね。恋雨はその辺うまいこと伝えてたなぁ。まぁいいんです。映像化そのものに感謝すべきかなと。
でも自分は、この映画、ちゃんと好きになれました。九龍の作り込みが主ですかね。ゴミゴミ感、カラーリング、それこそ物語で語られる「懐かしさ」。見てしっかり楽しかったです。
そして、ほどほどファンタジーでアイドルな、でも自在性が高くて安定した表現力のある演技の吉岡里帆と、どこか死んでる目の水上恒司、男前と美人のいわゆるデートムービーとしても嫌いじゃない。いや、男女で見るとあまり縁起が良くないのか…でも最後ハッピーエンドだしな…
完璧主義、減点法の側面に立つと色々と言いたいことはあるんですが、「情緒」の描き方や、何より「懐かしくて楽しい九龍がちゃんとそこにある」言う面で、この映画は原作のニュアンスを汲み取れていたと思うんです。
奇しくも、特典の作者書き下ろしのイラストシートみたいなやつに、「映画楽しんでください(^^)」と作者直筆で書いてありました。そうそう、そう言う感覚。要は重くなくて良かったよ〜って話です。吉岡里帆かわいすぎ。これくらいの感覚でも全然見られます。
原作ファンです
全114件中、81~100件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。