「何に眼差して、何を眼差さないか」見える子ちゃん sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
何に眼差して、何を眼差さないか
予告編で、女子高生が主人公で、幽霊が見えてしまう設定でということは知っていたけれど、若手を売り出すための映画だろうと、勝手に高を括ってました。
けれど、鑑賞したフォローさんたちの評価が思いのほか高く、丁度タイミングも合ったため、鑑賞したのですが「勝手な偏見を抱いていて、ごめんなさい」という良作でした。
どんな些細なことでも、ネタバレしてしまうと観る人の楽しみを奪ってしまうので、語りませんが、とにかく事前情報を入れずにご覧くださいということと、きっと観て損をしたとは誰も思わないキチンとした作品であることを強調しておきたいと思います。
6月公開の邦画、充実しすぎです。
<ここからは、あまり内容には触れないけれど、感想として書き留めておきたいこと>
いわゆるコメディホラー的なアプローチから入りながら、扱っているテーマは思いのほか深く、他者とのコミュニケーションのあり方や、精神的なバランスを保つために社会と自分の距離をどう適切に取るかとか、見えるもの見えないものを決めつけずにどう正しく判断していくのか等々、本質的なものをごまかしなしに提示している映画だなと思いました。
特に「何に眼差して、何を眼差さないか(スルーすべきか)」の一つの答えが、本編全体を通して示されていると思うし、その部分は原作の持ち味なのかもしれないけれど、この映画は、それを限られた場や環境の設定で、90分強の中に見事に納めて描いている点が素晴らしく、改めて監督・脚本の中村義洋さんの力量の高さを感じました。
(そういえば、滝藤賢一とは、ゴールデンスランバーからのお付き合いなのでしょうか)
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