「ウスバカゲロウとウスバカヤロウ」ショウタイムセブン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ウスバカゲロウとウスバカヤロウ
左遷からTVキャスターの復帰を狙う野望、功名心が後手後手に回ってしまう心理劇とでもいうようなライブ作品。オリジナルの『テロ、ライブ』よりも緊迫感が無くて、少々残念なリメイクだと感じたのですが、多分キャスターとしてのカリスマ性を訴えてこなかったことが原因か。どうも茶番だとしか思えないインタビューでした。
唯一面白かったのが、阿部寛演ずる折本が1億円の要求は拒みながらも血判サインをするシーンだった。今までの取材もこうした大胆な偽の誠意を見せてのスクープだったのかと想像すると嫌気がさしてしょうがない。まぁ、結局はそれがストーリー全体の中のキモとなるのだが。
電力会社、政治家、テレビ局との癒着、さらには製薬会社。そうした社会の闇を描いた部分は評価できるものの、どこか物足りない。サラッとスマホでの映像を見せられるだけだったし、吉田鋼太郎もそのビデオが保存されているのを知ってるならば、何とか処置を講じたはずだろうし、こじんまりと纏めてしまってるのも残念なところ。まぁ、「人は死なせない」という大義名分も守られたようだし、平和的ではあるが緊迫感も失われてしまってた。因みにオリジナルでは人が死んでいる。
最後のLIVE or DIEのアンケート結果も分からず、起爆装置を手にした阿部寛がどうなったのかも分からない。ただ、街ではロンドンのテロに関するニュースが流れていたことだし、さすがに大惨事にはなっていないと想像できるし、次から次へと世界中でテロが起きていることで一般市民も無関心になっていることを表現出来ていたように思う。
実はエイプリルフールのドッキリ演出でした~などというオチも考えられたけど、もしかしたら別バージョンエンディングがあるのかもしれませんね。
共感ありがとうございます。
表題のウスバカヤロウを口に出してしまう辺り、折本のラジオ蔑視、傲慢さが出てましたね。
個人的には、自爆テロは防げずもっと大規模なテロでようやく注目が集まる・・ってエンディングだったと思いました。