「自分勝手すぎて感情移入できない」スタントマン 武替道 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
自分勝手すぎて感情移入できない
アクション映画のスタントを題材にした映画。でも、主人公?のサムはアクション監督だし、若手のロンはスタントもする助監督という立場。大声で怒鳴らないと人は言うことを聞かないと考えるサムは、かなり頑固で融通の利かない印象の男だ。それでいて過去の栄光を感じさせるシーンはあまり出てこない。周りが、あの監督が抜擢したからアクション監督やってるんでしょと思っても不思議ではない。家族に対しても不義理を続けているし、自分のことしか考えていない感じがして、最後まで感情移入ができないままだった。
本作のキーマンはロンだ。サムのやり方に反発し、自分なりのやり方で周りとの協働体制を築いていく。ロンの熱い思いにちょっと感動してしまった。だからこそ、ラストの交代は疑問に感じてしまう。無理矢理いい話に持っていこうとしてるけど!そんなんじゃ騙されないぞ!と思った。
スタントマンの映画だし、アクションシーンの裏側を楽しめればそれでよかったのかもしれないが、そこも不満が残る。一番面白いのが冒頭のアクションシーンで、それ以降はアクションであまり見せ場がなかった。アクションシーンを作り上げる裏側を見せる演出もありきたりで面白みには欠けていた。
発想もいいし、熱いストーリーになりそうだし、一つ一つのアクションも悪くない。でも、全体的にもったいない映画だった。
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