「熱い情熱はわかるが、少しは周りを見て」スタントマン 武替道 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
熱い情熱はわかるが、少しは周りを見て
1980年代、アクション監督として活躍していたサムは、撮影中に危険なシーンを強行し、陸橋から飛び降りたスタントマンを半身不随にしてしまった。その事で、サムは映画業界を引退し、整骨院を営み静かに暮らしていたが、かつての仲間から、もう一度映画のアクション監督をやってほしい、という依頼が来た。何十年ぶりかに映画制作に参加したが、現場は昔と異なりコンプライアンスも厳しく、リアリティを追求するサムのやり方に俳優のワイや製作陣が付いていけず、反発し、現場はぎくしゃくしてしまった。若手スタントマンのロンは、サムをフォローし撮影を進めようとしたが、サムの無鉄砲な撮影により一般人に怪我人が出て・・・さてどうなる、という話。
リアリティを求めるアクション監督、というのは難しい役どころなんだろうな、と思った。
今時なら、CGやVFXを使えば安全でそこそこの映像が作れるが、リアリティは無いから、ニセモノ、と言ってしまえばその通りだし、かといって、危険なシーンを安全性を犠牲にして撮影する、という時代でもないだろう。
香港映画のスタントマンに関する映画は何本か観た記憶があるが、アクション監督の苦悩、という面に焦点を当てた本作は斬新だった。
サムだけど、映画に対する情熱は凄く伝わって来るが、少しは周りに気を使わないとダメでしょ、って観てた。
妻子に愛想尽かされたのもよくわかる。
そして、何より大切な娘の結婚式に着る服のまま大暴れはいただけない。
あまりに短気過ぎるし、後先考えれない瞬間湯沸かし器みたいな奴に見えて共感出来なかった。
結局ロンに助けられて、みたいなカッコ悪いオッサンだった。
その点、ロンは陰で動いたり、良い奴だなぁ、と思った。
まぁ、面白かった、かな。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。