「【”香港スタントマン魂”今作は、且つての勢いを失いつつある香港映画を且つて支えた人々へのレクイエムであり、新たな香港アクション映画の萌芽を感じさせる作品である。】」スタントマン 武替道 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”香港スタントマン魂”今作は、且つての勢いを失いつつある香港映画を且つて支えた人々へのレクイエムであり、新たな香港アクション映画の萌芽を感じさせる作品である。】
■且つて香港アクション映画監督だったサム(トン・ワイ)は撮影中に、スタントマンに事故を負わせ下半身不随にした事で業界を去っていた。
だが、旧知にの監督から自らのラスト作のアクション監督の依頼が入り、彼は張り切るが現場のスタッフとの関係性は冷えている。既に彼の”根性第一主義”の時代は過ぎ去っていたのである。
だが、偶然知り合ったサムの作品を信奉する若手スタントマン、ロン(テレンス・ラウ)は彼に起用され喜ぶが、サムの前時代的な手法に戸惑いを覚え、又、且つて彼のスタントマンだった、今やスターのワイ(フィリップ・ン)は彼のやり方に反発する。
そして、サムの亡き元妻の娘チェリーとの関係も微妙なままであった。
◆感想
・この作品は、序盤、中盤までの展開はハッキリ言って粗いし、サム以外の人物造形や、サムの”命懸けで作品を作るから、良い作品が出来る。”と言う想いは分かるが、如何にも古い考えであり、ジャッキーチェンのような過激なスタントを追い続ける姿と、ストーリー展開が噛み合っていないのである。
■で、チョイ、脳内を変換して香港映画アクション制作を愉しもう!というスタイルに転換する。この映画はスタントマンの苦悩や時代の変化を織り込んでいる点や、サムの香港映画の灯を消したくない、という想いは良く分かるからである。
<で、ラストの大ジャンプのシーンの、ロンに対するサムの指示や、チェリーに”撮影現場を見に来い!”と言った意味と彼が自分の姿を見ているスタッフ達へのメッセージは、私には伝わったのである。>