劇場公開日 2025年1月17日

「静かな静かな怪異譚」アンデッド 愛しき者の不在 kinako-catさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5静かな静かな怪異譚

2025年1月19日
PCから投稿

説明的なものを省いた、ひたすら静かな怪異譚。
残された人にとってみれば、大切な人が蘇ってくることは単純に嬉しい。
けれど、
蘇った人の状態は様々で、事故に遭い生々しい傷が残る姿。
埋葬されているうちに腐敗が進み、蠅がたかる変わり果てた姿を見せつけられる…
意志疎通のできない、ただただ存在するだけの故人に対する人間の反応を描いたゾンビ映画。
故人と再会できた喜びが、次第に愛も情も伝わらないもどかしさに変わっていく…

故人に執着し続けた者や、改めて死を受け入れた者たちを描いている。
土葬ならではの表現もあり、改めて日本は火葬文化になって良かったとしみじみ
説明不足が助長で退屈と判断する人と、〈死〉について哲学的な問いを見つけ出す人に分かれそうな作品。

喪失感だけが突き刺さる一本でした。

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kinako-cat